婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

年越し準備! 10

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「コイツの糸で着物を作るから渡せってんだ!」

「黙りなさい!この糸でドレスを作るんですから渡せる訳無いでしょう!」

「なにぃ!」

「何だと言うんですか!」

……ゴッツいおっちゃんとエルフの長が言い争ってます。
どっちも作れる位の量はあったと思うんだけど、なんで言い争うかな……

「仲良く分けたら?」

つい口を出しちゃったよ。

「エリーゼ様!ですが、この糸は滅多に手に入らない極上の物ですよ!それを簡単に何て事を仰るんですか!」

あれ?いつから様付けになったんだろ?まぁ良いけど。

「長。その糸の事だけど、これからは手に入るから喧嘩する事無いのよ。」

長だけじゃなく、その場にいる全員が驚いている。
そう、天蚕達五匹の糸で当面足りると思うのよね。

「それは……それはどう言う事でしょうか。」

長の質問はもっともです。

「その糸を吐き出す魔物をテイムして連れて来たからよ。」

おおお……

と、どよめきが聞こえます。そりゃあね、この糸素材として新しいから貴重品扱いなのは理解した。そして私のドレスとかがトンデモ価格なのも理解した。
王族そっちのけのラインナップじゃった!王妃陛下どころか国王陛下のより高価っていくら何でもヤバいでしょ。
うちの領地どうなってるの?!って本気で思う。今一番の高級素材は天蚕糸から作るドレスとかかな?あのヘタレ王子と婚姻しなくて良かったかも!してたら今頃王妃陛下と嫁姑戦争になってたかも!危ない危ない(汗)

「ここで出すのはちょっと良くないから、あの子達が住めそうな所で出すから。」

「魔物をですか?」

「そうよ。人を襲うでなし、見た目は大きくて怖いかも知れないけど動きは遅いし食料認定されてたから数は減る一方だったのよ。」

「見た目……ですか。」

「見た目……よ。」

大事な事だから念を押しておきました。 

「分かりました。エリーゼ様のお言葉を信じ、彼等に半分糸を渡しましょう。所で蜘蛛の糸も貴重な素材ですが、こちらは手に入らない糸なのですか?」

蜘蛛……テラの糸か、多分問題は無いだろうけど……さすがにテラを出すのはちょっと憚られるかなぁ。大絶叫とかこだましそう。

「まぁ、それも問題無いかな。」

「素晴らしい!そちらも魔物なんですね。」

「その通りよ。ただ、天蚕よりも迫力あるから迷ってるだけ。」

「左様ですか……」

残念な顔するな!
溜息まじりに私を見るこの場にいる全員にそうツッコみたい。
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