婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

年越し準備! 68

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「側近については、もっと古いのよね。何せ帝国と戦ってた時代からの話しだもの。」

「そんなに古くからあるのか……」

「まぁね。元々はうちにだって娼館も娼婦もいたのよ。当然、戦地にも連れて行かれたわ。」

この辺りは歴史でも習う事だから疑問も何も浮かばないのかな?

「でも魔物は女子供を狙ってやって来る。ご多分に漏れず、陣地に入り込まれ大勢の死傷者を出した。それへ帝国も同じだったはず。」

「その通りだ。大きな魔物からすれば目と鼻の先の距離だ。そっちを食い散らかしたら今度はこっちを食い散らかしに来た。」

「ええ。しかも女のいる所から真っ先にやられ、若くて女を宛がわれてない新兵のいる辺りは寄り付きもしない。一度娼婦を連れて行かなかったら魔物は帝国にのみ現れた。以降、戦地に女は連れて行かない事になった。だけど、その事で男達の欲求不満が溜まり若くて見目の良い者が襲われた。力尽くで無理矢理だったと記録が残ってるわ、それを良しとしなかった当時の領主が娼婦の代わりを勤める者を雇用し同道させるようになったの。」

「それは分かった。だが、それが側近に結びつくには何かあったのか?」

「単純よ。最初は自分のお気に入りを他の男に触らせたくなかったのよ。その事で陣地内で諍いになった事も多々あったそうよ。で、専用の者をそれぞれが連れて来る事になったけれど戦力にならない者を連れて行くのならば食い扶持はそれぞれが用意しろってなったのよ。当然よね。で戦力にもなって、欲求不満も解消してくれる相手になって……は良かったんだけど、共に戦い同じ釜の飯を食べた仲間でもあるお気に入りを手放したくない……そうだ、仕事も手伝うようになればずっと手元に置いておける!ってなっていったのが習った事よ。」

「なる程、時代と需要で重要性が変わってきたのか……」

「で、福利厚生とか整えて終身雇用になったら希望者が増えてね。今は側近になるために子供の頃から勉強して鍛錬してってのが普通よ。そこらの貴族の子供より頭も良いし、肝も据わってるし戦う事も出来る。勿論、狙うなら寄子貴族の跡取りだけどダメなら側近!てのはある程度いるわね。だからルークの所に上がって来る候補は優秀で見目も良いのが来るのよ。」

「側近には嫉妬しないのか?」

「なぜ?側近は側近であってお妾さんでもなければ情婦でもないわ。不思議なんだけど、側近にはそういった感情が湧かないわ。」

「そうなのか……」

本当に不思議なんだけど、許せる存在なのよね。ベースが片腕的な立ち位置だからかな?
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