婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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大晦日 24

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心の中、フンフン♪と鼻歌交じりになる。
見つけたのは干した剣先イカだけじゃない。火鉢もあったのです!極小と小とあったのだけど、卓上サイズと表記されてました!

「フンフーン♪」

極小火鉢をテーブルに出す。火種は炭だろうけど、炭は無いので魔石に炎の魔法を刻んで代用すれば良いと思うのよね!
魔石を取り出し、炎の魔法を刻んで極小火鉢のセンターに置く。
ボワ……ンとほんのり朱色に光る魔石は温かく……いや、近いと熱い……
極小火鉢用の金網を取り出し乗っける。
こういった便利な物で覚えが無い物は大抵チビナビちゃん達が作って収納に入れて置いてくれてる。
食べ物や服飾系もそう。おかげで収納リストが凄い事になってるんだけど、そろそろ分類別に分けないと大変そうなんだよね。

コトリと自分の前にお皿を出して、干した剣先イカをドサッと出す。
ついでにグラスを一つ手に取り、辛口吟醸をトクトクと注ぐ。
赤くなった金網にニンマリと笑って剣先イカを乗せる。
炙られた剣先イカから涎が垂れそうな匂いが漂って来る。
クイッとコップ酒を一口飲んでから炙り剣先を手に持って齧る。

「うんまーーっっ!」

香ばしい香り!鼻腔を抜けるイカ独特の匂いにやられる!

ゴクッ!

ん?今の喉の音って……

「ズルイぞ!俺も剣先食べたい!」

ルークかぁ!

「仕方ないなぁ……」

齧り取った当たり目を口の端からポロリと見せながらの要求です。
もう一枚剣先イカを炙りひっくり返して良い感じになったのをルークに投げるように手渡す。
だって熱いんだもん!

「アチッ!アチチ……」

熱くても剣先イカの魅力には勝てないらしく、そのまま口元にもっていくとガブッと噛んで身を割く。

「アチッ!美味っ!」

そんな事言っても剣先イカ齧りながら日本酒煽ったら美味しいに決まってるじゃん!

「おい!……おい!その小さいのも儂にくれ!その匂い、堪らんぞ!」

お祖父さまご熱烈要求です!
卓上極小火鉢で炙って渡す。
お祖父さま、熱い筈なのにワイルドに齧り取ってムシャムシャしながら日本酒をグイグイ煽る。
ルークと違って、ワイルドだからかやたらと似合う。
プッハー!と息わ大きく吐く。

「うむ!この剣先?だったか、良く酒に合うな!気に入ったぞ!もっと出してくれ!後、その小さいのもな!」

……どうやらかなり気に入った様子。卓上極小火鉢を出し魔石を同じように出して魔法を刻んで火鉢のセンターに置く。
金網を乗せてぐいとお祖父さまの方へ押し出す。
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