婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

大晦日 40

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「ん?ジョルジオって……軽くお名前を呼んでたけど……」

何も考えずポロリです。

「あら、言って無かったかしら?ジョルジオ皇太子は同い年で幼馴染みで私の家来よ」

待てぇい!さり気なくサラッと家来とか言いましたね!

「家来……」

あ、ルークがそこに食い付きました!食い付くよね!私だって食い付くわよ!何よ、家来って!仮にも次期帝国皇帝ですよ!

「ホホホ……家来は家来ですわよ」

否定しなかった!しかも悪い笑顔で言いましたよ!

「お母様……お母様は帝国ではどういったお立場だったのでしょう?」

怖いけど聞いておくべきな気がする。

「私?私はシルヴァニア公爵家令嬢でしたわよ。同い年の方々は皆、私に逆らったりする様な方はいなかったわね」

女帝や!お母様、帝国同級生把握してたんや!コッワ!見た目、小っちゃくて可愛らしいのに完全な支配者やったんや!

「さすが……」

ん?何処から?

「さすが俺のフェリシアだ!」

お母様の一番の信者がここにいた!お父様、渋格好いい声でリコを撫で繰り回しながら言うセリフじゃえりません!

「なる程!良かったな、ハインリッヒ。何処に行っても心配無いな!」

お祖父さままで何言うてますのん?!

「あら、我が家がうっかり王国から独立しても困らないわねぇ」

お祖母さま?何、不謹慎な事言うてますのん?!

「それは素晴らしい考えですね。我が家に帝国皇帝の流れをくむルークが婿入りしてシルヴァニア家の流れをくむ母上とエリーゼがいますしね!」

ギャアァァァ!キャスバルお兄様まで何言うてますのん?!

「兄貴の言う通りですね、いじとなったら王国から独立しましょう」

トールお兄様まで!不謹慎よ!

「あら、独立なんて……でも、そうね……ルークが我が家に婿入りしたら簡単そうね」

黒い!黒い笑顔があちこちに!

「そうだな、元々は別の国だったんだ。あんまり煩いならそれも一考だろう。ハインリッヒ、その気があったらいつでも王国は切り捨てる事も考えておけ」

お祖父さまの重い言葉にサロンがシーンとしちゃいました。
冗談とかじゃないのね……年末、サラッと重いネタ話しまくってるわ……

「失礼だが、第二王子妃は俺の姉上で……」

「キャロライン様の事なら心配なさらなくて結構よ。キャロライン様にはシルヴァニア家から侍女が一人出向いておりますから」

「そうですか」

あからさまにホッとするルークにシルヴァニア家ってそんなに凄いのか?と考え込んでしまう。
シルヴァニア家って正直、ただ頭が良いってだけじゃないのか?
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