婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

元日! 59

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「奥様、お待たせ致しました。盛り合わせ、こちらにお置き致します」

「エリーゼ様、天ぷらの盛り合わせをお持ち致しました」

お母様の所に天ぷらうどんと天ぷらの盛り合わせが出され、別のメイドが私の前に天ぷらの盛り合わせを置いて行った。
黙々とお母様とうどんを食べる。
サクサクの天ぷらはかき揚げやゴボウ、イカに穴子とバラエティに富んでいて美味しかった。
天つゆと塩、両方用意されてるのも良かった。
お腹いっぱい食べた筈なのに食後にサッパリした甘味が食べたくなるのはどうしてなのかしら?
確かあった筈……

「ゆずのシャーベットを少し持ってきて頂戴」

「私はミルクアイスとゆずのシャーベットを」

「畏まりました」

さすがスイーツの女王様は一味足して来るわ!
こうして私とお母様はデザートまで完食し紅茶を出して貰った。

「食べたわ……」

そう呟いたお母様がいつもの笑顔になりました。

「ええ、やっと落ち着いた感じです」

外から聞こえる賑やかな声は、まだ領民達がいる証拠。
ならきっと大広間も賑やかなんだろうと思う。

「エリーゼ、明日から邸の中で側近候補者の力量を見る事になります。今回はレイが主導する事になったのだとか……」

さすがお母様は私と違って細々した事を聞いたのね。

「ではキャスバルお兄様は大変ですわね」

「仕方ない事だわ。この先、子供が生まれて成人する前には同じように側近候補者を選ばせなければならないのだし。最後はきちんと側近に判定させなければ実力不足の者が送り込まれかねないのだから」

「実力不足……そんな者が?」

お母様、ちょっとだけ顰めっ面になりました。

「過去にね……あったらしいわ。お金を掴まされて……愚かな事よね。でも側近が見れば分かってしまうらしくて、その者はすぐさま郷里に帰されたそうよ」

ホッとする。
実力不足な者が側近になるなんて命を危険に晒すようなものだもの。

「だからかも知れないのだけど、とても厳しくなったんですって」

「そうなんですね。でも厳しい位の方が後々安心出来ると思いますわ」

「ええ、そうね。側近の力が足りないと不安になってしまうわよね」

そう言ってどこか遠くを見るように顔を上げたお母様は悲しそうな寂しそうなお顔になった。
誰か……いや、そうか……聞かないでおこう。
言ってはいけない、聞いてもいけない。
私はただ祈っておくしかない、ルークが良い側近に恵まれますように……と。
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