婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新しい日々 3

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ベッドから抜け出してガウンを羽織って居間へと行く。
早朝過ぎて他のメイドや侍女はいない。
ソファに座ると同時に紅茶が出される、おめざはちょっとお腹に溜まる系が良いのでお萩にします!
お皿を二つ出して『田舎お萩』と表記されてるやつを一個ずつお皿に出します。
……小洒落た食べやすい大きさのお萩ではなく、ゴロッとした大きなお萩が出て来ました。

「わぁ!大っきいですね!」

「食べ応えありそうね……」

まさかのイメージ違いです。
でも美味しそうだし、お腹空いてるから食べます。
お箸を出して……

「頂きます」

手掴みとか無理なんで、箸で食べやすい大きさに切って食べていきます!
ホッコリ甘くて美味しいです。

「これ食べ終わったらいつも通りに動くから」

モグモグしながらのトークです。

「ではお部屋を整えておきますね、それと湯浴みの準備もしておきますね」

「よろしく」

結構な大きさだったのにペロリでした。
残ってる紅茶を一気に飲み干し立ち上がる。
そのまま寝室へと戻り、いつも通りの動きやすい格好へと衣服を着付けて窓から出て行く。
既に邸は通常運転です。
早朝から動いてる……というか常に動いてるのは邸の護衛を任されてる兵士や騎士達。そして厩番です。
一番人気の無い早朝に馬達は厩から出され好きなだけ走ったり、草を食んだりするのだ。
勿論、厩に戻れば飼い葉も水もたっぷり出されるのだが朝露を含んだ草も馬達は気に入っていた。
そんな時間帯にエリーゼは走り回り、チョロギーを呼んで跳び乗る。
思い切り走らせる事は出来ない。
シルヴァニア産の馬は馬体も大きく体重もある。そんな大きな馬を思い切り走らせればそこら中穴だらけになってしまう。
馬達も分かってるから軽く走る位で全力疾走はしない。
馬に乗るだけでも全力の筋肉を使う為、良い運動になる。
一汗かいた所であちこち走り回って最後に私専用の護衛騎士の兵舎へと向かう。

「……行くか……」

何故かしら?力が入るわ……
いつも通りかと思ったけど、叩いてる内に興が乗ってしまった……メッチャ叩きまくった……反省はしない。
肉体の疲れもキテるし、メンタルもキタ。
走り逃げるように自室へ向かい、サッサと湯浴みに突入した。
いつも通りな筈なのにいつも通りじゃない今日。
一人でシャワーを頭から被る。
目にして無いから?
自問自答しても答えは出ない。
…………面倒臭いわ!朝ご飯の後、サロンで紹介して貰おうじゃないの!うじうじするのは趣味じゃないのよ!
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