婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新しい日々 36

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「待ってるから……だから怪我しないで帰って来てね」

「任せろ!」

ガタリと立ち上がり私の頭をゆっくり撫でるとつむじの辺りにキスした。

「無茶するなよ」

何?何でそんな事言うの?ちょっと位の無茶は全然OKでしょ!
皆からクスクス笑われてるじゃない!もーう!

「それは……出来るだけ気をつけるわ……」

「ああ」

立ち上がってルークに抱き付く。家族が見てても構わない。
お父様もお母様もお兄様達も止めなかった。認められるって、こういう事なんだ……

「若いって良いわね、ねぇそう思わない?」

「そうだな」

お祖母さまの言葉に照れ臭くなる。常にないお祖父さまの声色に何だかホワリと心が温かくなる。

「エリーゼ」

「ええ、支度……するのよね」

頷いて離れたルークを見送る。信じよう、私の好きな人は決して弱くない。
弱いのはウジウジした私の心。
シャンとしろ私!信じて待つ事が私の強さに繋がると。
扉の向こうに消えたルーク。

「エリーゼ、乗り越えたのね?」

「はい、お母様。私は私らしくここでルークを待つ事こそが大事だと」

「ええ、そうです」

お母様もお父様を待っていたのだ、お母様がしたように私もする。

「じきに支度して降りて来るだろう、エリーゼは見送るんだろう?」

キャスバルお兄様が優しい笑顔で聞いてくる。キャスバルお兄様は変わらないわね、何だか私とルークが婚姻しても変わらなさそうだわ。

「ま、外はいつでも出発出来るように集まってるけどね」

えっ?!もう?早くない?早いよね?慌てて窓際へと歩いて行く。
窓の外から見える場所に大勢の領主隊の隊員達が見える。
少し遠目だけど揃いの胸当てや外套に隊色の緑色が見える。
明るい緑色……若葉色と言うのかしら?黄緑色とは違う色で、あえて言うならルークの瞳の色に近い色。
遠くに沢山の馬車も見える。

「エリーゼ、どうせならコートを着て来なさい。気になるなら外で見てくれば良い」

お父様が仕方ないって顔で言ってる。お父様はまだ少し複雑なのかしら?でも、そうね……気になるのは本当だもの、ドレスコートを着てこようっと。

「では私も失礼致しますわ!」

私はイソイソと食堂から出るとアニスが既に待っていた。

「エリーゼ様、お見送りですか?」

「いいえ……いえ、そうなのだけど外にいる領主隊の方達を見たくってコートを着ようと思って」

「なら私が持って来ます!急いでお持ち致しますね!」

そう言うとスッと足音も立てずに消えました……早いよ……
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