婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新しい日々 71

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馬車の内装かぁ……内装も大事だけど座り心地よ!サス的な物を何とか作りたい!馬車はまず、そこからかな?後は車輪問題よ。木や金属だとダイレクトに振動来ちゃう!魔物の皮とか張ったらどうなのかしら?もし、使えれば少しは違うと思うのよね……速度は馬任せだけど、そう……魔石で馬車本体を軽量化出来れば馬への負担も軽くなるんじゃないかしら?
……馬車は変化の時を待ってる?あー……でも開拓が先だわ。
あの辺り一帯を開拓して人も住めるようにして農地をどっちゃり作って……出来れば元王都民に来て貰って、私の知ってる農法とか教えて人生仕切り直して貰って……
段々畑は田んぼは決まってるけど、石垣作って石垣イチゴにトライしようかな?石垣イチゴ美味しかったもの。
て、言うか前世の果物作るんだから!白桃も柿もブドウもミカンもイチジクも梨も思いつく限り作る!特に白桃!増やして増やして今植わってる黄桃よりも増やしたい!黄桃が嫌いって訳じゃない!ただ白桃の方が好きってだけ!

「……様……」

ハッ?

「今、話し掛けられてたかしら?」

……いつの間にか果実水を見つめたまま考えに没頭してた……

「はい、いきなり黙ってしまわれたので何かしてしまったのかと……違ったんですね」

アニスの心配そうな顔に首を振ってアニスに心配しないでとアピールする。

「違うの。ただ馬車の事とか他の事とか考えてて……」

うん、嘘は言って無いわよ。本当の事だもの。

「そうなんですね!良かったです、こんな事滅多に無かったから心配しました」

そうだったかしら?意外と自分の事って覚えてないのよね。

「そう?でも、今取りかかってる事も馬車の事も楽しみだわ。今、開拓している場所に王都からの人達が住んでくれればと思ってるの」

「良いですね!」

アニスが笑顔になりました!やっぱりアニスには笑顔でいて貰いたいです。

「王都の便利な暮らしとは違うけど、新しい人生を始めるならそれも良いと思うのよね」

うーん……と考え出したアニスにクスリと笑みが零れてしまう。

「私……王都の暮らしってそんなに便利だと思えなくて……」

意外な事言い出しました。

「あら?でも商店もすぐ近くに色々あったし、便利だと思っていたのだけど」

「そうなんですけど……こっちに帰って来て思ったのは、やっぱり仕事が沢山あって皆助け合って生活してるじゃないですか。なんか、王都ってあんまり仕事無くて大変だなぁって思ってたので……まぁ、私は他の使用人達に聞いた限りなんで良く分かってないんですけど」

他の使用人達から聞いた。メイドにしても庭師にしても結構キツそうな仕事でも応募してくる人数が多かったと聞いた事がある。貴族家だからかと思っていたけど、単純に仕事が少なかったからなの?
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