婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新しい日々 74

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「う……うれしいピカ……」

私の腕の中でガクリと力無く横たわるピカ太郎……ん?…………何か、息?息が胸に……

「悪い病は治らないようね……」

「ピガァ!」

いきなりやって来たアニスのアイアンクローがピカ太郎の頭に決まりました。ピカ太郎、メッチャ私の胸にスハスハしてました。それを瞬時に見抜き、攻撃するアニスもアニスです(笑)

「ピカ太郎、今度からはアニスにぶら下げて貰ってから治そうか?」

「ゆる……して……ほしっ……ピカ……」

息も絶え絶えとはこの事か。雉も鳴かずば打たれまいとはこの事……ピカ太郎もエロくなければ打たれまいに……

「ルチルみたいに可愛ければ、抱っこも進んでやるのに……でも、ダメね。もう、ピカ太郎の事そんな目で見れない」

それこそ雷に打たれたかのような顔をしたけど、今更ピカ太郎が可愛くなっても無理です。

「エリーゼ様、夕食の支度が調ったと」

ジェニファーが静かに近付いて晩ご飯が食べれる事を教えてくれました。
のんびりし過ぎてて、すっかり忘れてましたが晩ご飯まだです。

「ピカ太郎、そろそろシャンとして。皆、晩ご飯に行きましょうか」

立ち上がってリコを抱きかかえて歩き出す。アニスもピカ太郎を放して私の横につきます。
ゾロゾロとカワイコちゃん達を連れて食堂に行き、皆で楽しい晩ご飯タイムです。
トールお兄様もすぐにやって来たかと思ったら、キャスバルお兄様も来ました。
そうこうしてる内にお父様もお母様もやって来て賑やかな晩ご飯になりました。

「ふむ……色々聞きたいものだ。サロンでゆっくり話そうか」

お父様の一声で皆でサロンに移動しました。今日はお祖父さまとお祖母さまはゆっくり食事らしく、すれ違いもしませんでした。
まあ……本来の貴族だと夜は遅いんで私達が早過ぎるのかも知れません。
だって、ほら……夜会とか日を跨いで当たり前なんですもの。
家族全員とカワイコちゃん達でサロンに移動……何かチラチラお父様がタマトラ見てますが、ここは華麗にスルーです。執事長のみ一緒に来てますが、側近達や侍女達は後から来るでしょう。
……きっとスラ道の事は聞かれちゃうな……晩ご飯の間中、視線がスラ道に飛んでたもんな……私だって聞くわ。なんで大きくなってるの?ってね。いつものサイズと違い過ぎる!やっと私と同じ位の高さにはなったけども!
そうそう、スラ道は晩ご飯抜きです。
沢山(血を)吸ったから、満腹ですって。
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