婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新しい日々 76

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「それはさて置き、血を吸うと言っていたがどれ位吸うんだ?」

お父様が話しを戻しました。

「大型が死ぬ一歩前まで吸ってましたよ。今日、開拓予定地に視察に行ったら大型が現れて……難無く討伐出来たのには驚きました」

ああ……うん。それは私も驚いた。

「そうなのか。それは凄いな」

「だが、もうあれ程は吸わない!おかげでずっと外で小さくなるまでほったらかしだ!」

黙れスラ道。巨大化したら入れられないのはお約束だわ!

「仕方ないでしょう。小さくなれないなら、なるまでお外なのは」

「ううう…………」

何か唸ってるんだか泣いてるけどスルーです。

「ふむ、外は寒いしな。ではどこか目立たない場所に専用の小屋でも建てて、そこで小さくなるまで過ごすようにしたらどうだろう?それならば幾らでも大きくなっても構わんぞ。まあ、小屋より大きいと困るがな」

お父様よ……また碌でもない事言い出しましたね。小屋って倉庫みたいなの作ったりしないでしょうね?作りそうだけど。

「その小屋にエリーゼ達も一緒に過ごせるようにすればエリーゼも安心だろう?」

いらん事を!スラ道がスライムボディをブルブル震わせてるじゃん!

「ありがとう!主の父上よ!これで安心して血を吸えるというもの!」

どこが安心なのか?どこまで吸う気なのかと……

「で、攻撃は血を吸うだけかね?」

渋格好よく決めてます!お父様、エリーゼは今胸がキュンキュンしてます!

「いや。水の弾やそのまま殴ったりも出来るし、体を自在に変形出来るから剣を振るう事も出来る。場合によっては飲み込んだり頭を包んで息の根を止める事も出来る」

エグいな、おい。所謂水責めは基本攻撃に入ってるのか。更に変形出来る事で普通の攻撃も可能なのか……

「勿論、ボクは優秀なので水の壁を作って攻撃を受け止める事も出来るし水流で相手の動きを阻害する事も出来る」

攻守バランスとれてますよ的な発言だけど、明らかに攻撃寄りだねスラ道。弱々でぷよぷよでマスコット的な所が見受けられないのがツライね。でもそれがスラ道の良い所なのかな?……だがな……ピカ太郎と一緒で黙ってれば可愛いのにポジションだよ!

「うん、ある程度は分かったわ。お父様、目立たない場所に小屋と仰ってましたけど、本当に小屋ですの?目立たない場所って私の専属護衛騎士団の側ではなくて?正直に仰って下さい」

目力込めてお父様に直撃です!
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