婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 29

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「エリーゼ様?本当にどうなさったのですか?」

私に引き摺られる様に歩くアニスは?マークを浮かべてるのが分かる。

「今日捕れた川魚の魚卵を味付けしたの。私は気に入ってるのよ、是非ともアニスにも食べさせたくって!」

その瞬間アニスが私の横に並び同じペースになる。

「嬉しいです!まだ誰も来てませんね」

「そりゃ初めて見る物だもの」

ジムが一つのテーブルに陣取ってホカホカご飯とイクラが沢山入った大きな鍋を中央にドン!と置いてます!ワサビもおろされ、小口ネギなんかも置いてあります。

「お!お嬢が一番乗りですぜ!」

「そうなの?フフッでも嬉しい。ご飯はいつもの丼の量で、イクラはお玉一杯掬って!ご飯の白いのが分からない位が良いの!」

もーう!嬉しくて堪らない!テーブルの端の方に置いてある木の丼にいつもの量のご飯が盛られ、艶々と橙色に輝くイクラ(本当は名前も知らない魚の卵だけど)がザーッとかけられる。焚き火の灯りで余計に艶々感増して美味しそうです!

「さ、お嬢……」

ジムから丼を受け取り、沢山の箸が入った箸入れから箸を取りワサビを乗っける。
ヤーバーイー!滅茶苦茶美味しそう!

「私もエリーゼ様と同じ様にして下さい」

アニスったら、良く分かってるわね。そうよ、私がルール……って訳じゃないけど同じ様にするのがベターよ♪その後好みでイクラの量を減らしたりすれば良いと思うの。
……でも好みに合うかしら?ちょっと気になってきたわ……

「エリーゼ様、あちらに戻って食べますか?」

「えっ?ええ、そうね」

二人してイクラ丼を持ってトールお兄様やキャスバルお兄様のいる場所へと戻る。
相も変わらずビカビカと光るピカスラコンビを見ながらいざイクラ丼に!

「エリーゼ、それは何だ?」

食べようと思ったらキャスバルお兄様が……

「イクラ丼です。ジムが担当してます。気になるならどうぞ行って下されば」

「あんっ!この塩っぱさ!口の中でプチプチ弾ける感じ最高~♡」

アニスがフライングで食べてました。口の中がヨダレでジョバジョバになりそうです!

「トール様、ちょっと行ってきます」

フレイが消えました。我慢ならないので食べます!箸で一口分取ってハグッと口の中に入れる。
ご飯の甘み、イクラの塩っぱさ……このバランス!次はちょっとワサビ乗っけてっと……

「ん~♡コレよコレ!美味し~い♡」

フルフルと目を閉じてイクラ丼の美味しさに震えて、目を開けたらキャスバルお兄様もトールお兄様も消えてました。
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