婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 51

エントランスに戻るとアニスがカワイコちゃん達と待ってました。
自室に戻るとアニスがウキウキしながらピカ太郎に鉄仮面被せてました。

「さ！湯浴みしましょう！」

どうやら私が厨房に行ってる間にメイドに湯浴みの準備をするよう使用人を使いに出してたようです。

「ゆ……ゆあみピカ……ご……ご主人のところにいくピカ……」

「うむ！ならばボクが見事主の元へ参ろう！」

イラッ💢脱ぎかけの姿でスラ道をギュッと踏む。

「主！何て事を！」

「黙れ。近付くな」

とりあえず牽制＆保護。恨みはないが近付かないで貰おうか。

「スラちゃん。エリーゼ様に近付くなんて許されませんよ」

背筋が凍るような笑顔でアニスが屈んでスラ道に囁く。うん、滅茶苦茶恐いです。
スラ道もブルブル震えてますが、ピカ太郎も短い前足をバタバタさせてます。

「だっ！だんねんするピカ！これいじょうはあぶないピカ！」

「クッ！何て事だ……スラ道不覚でござる……」

「何言ってるの。なんでピカ太郎はまた私に近付こうとする訳？」

一時はこんな事無かったのに。

「ボクもいっしょにはいりたいだけピカ！」

「雷属性なんで無理です」

「う……うわぁぁぁぁ！すきでかみなりネズミにうまれたわけじゃないピカーっ！」

……いや、知らんがな。

「ピカ太郎。ピカ太郎が雷ネズミじゃなかったらここにいないわよ」

本当なんで。雷ネズミじゃないピカ太郎って何？巨大ハムスターって事？そんなのもっと無理。タマトラの玩具にしかならないわよ。

「おバカだコン！あきらめるコン！」

リコは尻尾フリフリ浴室へと入って行く。スラ道から足を離しさっさと服を脱いで浴室へと入る。
その後はいつも通りの湯浴みです。スラ道も大人しくついて来てますが近寄って来てません。
楽しくも賑やかな入浴タイムをして、フリフリのドレス姿へと変身です。
本日はラベンダー色のフリルとリボンが可愛らしいドレスです。
お飾りはシトリンのネックレスとイヤリングの三点セットです。
いつものお仕着せを着込んだアニスに髪型を整えて貰い終了です。

「フフッ……ピカちゃんのソレ取りましょうね」

やっとピカ太郎も鉄仮面の刑から解放です。それにしても、スラ道の味方なのか敵なのか分からない立ち位置……ピカ太郎ガンバレ……