婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 80

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はい。日を跨ぎ朝です。既に毎朝のルーティンは終了しました。
ザッと湯浴みという名のシャワーを済ませ、現在アニスに強めの圧力によりヘアメイク中です。
今日は作業お休みって事でいつもの様にラフな格好でバタバタする事は出来ません。
家族全員でのお風呂巡りなんでドレス着る事になりました。ドレスです。何かあっても魔法で片を着けるしかないです。いえ、私よりも先にやらかすお父様やお祖父さまがいるので出番が無いと思いますかど。
勿論、着替えのドレスは既にアニスが鞄に詰めてしまってます。体を拭く布もたっぷり詰めました!って可愛く言われました。ドライの魔法あるのにね。

「ねぇ、アニス……そんなに気合い入れて結わなくても良いと思うのだけど?」

「ダメです。領都を馬車で通るんです、窓からお姿が見えるんですから!皆期待してるんですからね!」

期待?何を期待すると言うのか……あー……領主の娘で姫様って言われてるからか。

「そんなにかしら?」

「そんなにです。エリーゼ様の人気って凄いんですから!いつもの凛々しいお姿ばかりじゃなくて、姫様らしいお姿を見せませんと」

……ここまで言われたら従うしかないです。

「どうせ向こうに着いたら全部外しちゃうし、脱いじゃうのにね」

「それが貴族というものです」

貴族って面倒なルール多い……でも、それが貴族と言われてしまえばその通りですね!としか言えない。
ある程度の散財も民達への還元だから領都で買い物とかしないといけない……いや他の街とかもだけど。
ルークは今頃どうしてるだろう?領主隊は特に地方の街や町や集落とかでお金を使ったり、住人が希望するなら素材を売ったりするのも任務の一つだって聞いたわ。
怪我とかしてなければ良いのだけど……ノエルとルチルもついてるし、キースもいる……

「会いたいわ……」

「そうですね」

ポロリと零れた言葉に髪飾りをつけていたアニスも呟いた。
私とルークが婚約者なのは周知なのだけど、アニスとキースもそれに近い状態だと知っている者は少ない。
キース、側近だから婚姻したいって思う侍女(平)やメイドは多いと思うのよね。生活保障がパナイからなぁ……

「今頃目的地に着いてるかしら?」

「とっくに着いてますよ。……きっと」

「そうね」

順調なら着いてるわね。ルークの事だからノエルとルチルを甘やかしてるだろうな……
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