婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新天地を! 86

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「私がもし……もしもっと様々な魔法が使えたり、エリーゼの様に長剣を扱えたらハインリッヒの手助けがもっと出来たのにって……」

何処か遠い所を見る様にお顔を上げるお母様はどこか儚くて美しかった。
好きな人の手助けをしたい……それは私も一緒で……

「お母様。私はお母様が私の様じゃなくて良かったと思います」

お母様が納得出来ないって顔で私を見ました。だって本当ですよ。

「もしお母様が私みたいに色んな魔法が使えて長剣が扱えたら……お父様、多分胃痛か頭痛で今頃生きてないかも……ですわ」

もしお母様が私とおなじみだったら、お父様今以上に振り回されてズタボロになってるわ。

「何か……何か失礼な事を言われた気がするわよ」

お母様がプクッと頬を膨らましてます。可愛いけど無理ですからね。

「現にルークは大変だと思いますわ。……きっと帰ってきてこことか見たら驚くと思いますわ」

いや、喜ぶかも?新しいスーパー銭湯の方が喜ぶわね!

「はぁ……気持ち良かったわ。ね、エリーゼ。新しい方に行きましょうか?ここはあの泡が出るのが特徴なのよね?」

「そうです!入るなら新しい方が楽しいですよ!」

お母様のお顔がキラキラしてます。
ベンチから立ち上がって脱衣所へと移動します。
アニスがササッと布で体を拭いてくれます。

「フェリシア様っ!」

「どうしたと言うの?エミリ」

エミリがビックリ顔です。

「エリーゼ様……」

アニスも驚いてます。やはり炭酸風呂の威力が……

「フェリシア様のお肌が……」

ええ、お母様の肌がキレイになってますもんね。私の目から見ても入る前と全然違いますから!

「アニス、炭酸風呂のおかげよ。アニスも自分の肌をちゃんとご覧なさい」

「あっ!」

古い角質や毛穴に残った汚れが取れたのでしょう。前世と違って汚れるといっても土埃とか皮脂だと思うのよね……化粧品らしい化粧品なんて無いし……

「何て事……肌触りも違うわ……」

お母様が拭かれた肌をペタペタと触って確認してる。しかも嬉しそう。
侍女トリオもアニスも自分達の肌をメチャ触ってる。
嬉しそうだなー……
とりあえずシュッともっこふんどしを履いて、エンパイアドレスを……

「あ!エリーゼ様、コルセットを着けます!」

チッ……コルセット着けずにドレス着てしまおうと思ったのに。
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