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第二部1章 黒き鎖の呪痕 奪われつつある光の章

*皇子様はおフロ◯◯◯がお好き?②

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キスは気持ちいい。

正直バルドの上手いんだもん……
まぁ、俺以外にもこれを知ってると思うと複雑だけど。

「ふ……んっ」

唇の合わせ目をぺろっと舌で舐められ、擽ったくてピクリと体が跳ねる。
これは舌を入れたいの合図。
キスでこの瞬間が一番ドキドキする。

「アヤ……口開けろ」
「……………ッッ!」

唇を軽く合わせたままで掠れたバルドの声音に、背中がゾクゾクした。
このエロ声、マジ反則……
そんな気なくても無理矢理その気にさせる威力が半端ない。
おっかなびっくり、ゆるゆると開けてたら、開ききる前に、ちょっと強引に舌を差し入れられた。
スルリと入り込んだ舌が俺のに絡みつく。
クチャッと水音を立てて舐めまわされ、気持ちよさと、湯気と興奮に体が熱くてくらりと眩暈がした。
絡めた舌を舐められ吸われ、軽く歯を立てられて、下半身がピクピク跳ねてしまうのを止められない。

「まだ、口づけだけだぞ?腰、揺れてる。気持ちいいみてぇだな……」

クツクツ喉奥で笑われる。
ほんと、これさえなければいいのに……

「おっ……と?!何だ、自分からやる気になったか?」
「うっさい!やんなら黙ってやれよ……」

一言どころか、二言三言、挙げ句の果てには言わんでもいい事まで言うんだよ、この皇子は。
ムカつくから唇にガフっと食いついてやると、クスクス笑われ益々ムッスリなる。

「ッつ……ア~ヤ。歯、当たって痛ってぇよ。噛むんじゃなくて、どうせならその小っせぇ舌で舐めてくれ」

噛むと言っても甘噛みだ。ただ、それでも柔らかい舌には刺激になるらしく、バルドが眉をひそめるのに若干溜飲が下がる。
イタズラが成功したみたいに満足そうに小さく笑うと、仕返しとばかりに舌をきつく絡め取られ、痛いくらいに舐めて吸われた。

「んんぅッッ!んーーっ、んッ!は、ぷっ!」

溺れたみたいに口から変な空気が漏れた。ハァハァと短く息を吸い、バルドを見上げると、互いの唾液で濡れた唇を、獲物を喰らった獣の如く舐めている。
あ~……マズいかも。多分、変なスイッチ入った?

「ったく……無自覚で人の事煽りやがって…手加減なしにされてぇのか?」
「……する気ないくせに」

俺も大概、一言多い。
言わなきゃいいのに言い返し、バルドが一瞬目を瞠り、不敵に微笑む。
スッと眇められた視線に、凄みと色気が増し、背中を這うゾクゾク感が止まらなくなる。

スイッチ入ったの、バルドだけじゃないな……

俺は俺で入った。しかも、かなり厄介なやつ。
湯室こんな場所でやるの嫌だったはずなのに。
これから自分がどうなるのか、どうされるのか、怖いし焦りもあるのに。
バルドから余裕をなくしていく。それを自分がしてさせているという事実にたまらなく優越感を感じてしまっており始末に負えない。

「手加減一切しなくていいみてぇだし…遠慮なく抱かせてもらおうか?煽ったのはお前だ。嫌もダメも聞かねぇから覚悟しろよ?」

自分からわざわざ猛獣の口に飛び込む真似をし、それでも俺は、耳に吐息と一緒に吹き込まれるその不穏な言葉を、ほんのわずか期待しつつ、自分からバルドの首に腕を回し縋り付いていった。





*こニャンコはこニャンコで、
トチ狂っております(汗)
次は確実☆つきますので、いつもの如く、苦手は方はご注意をm(_ _)m
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