王妃の鑑

ごろごろみかん。

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魔女の家(2)

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言われて、私は目をふせた。
私がここに来た理由………。私がここに来たのは、私が過去に戻ったことに彼女が関係しているのか、知りたかったから。
ダクワーズを一口食べて「んー、これ美味しい!相変わらず料理上手いね?」と話すノアを無視して私はアイさんを見る。
彼女も私を見ていた。

「………このことに、あなたは関係ありますか?」

「………ないわ。私は、一切関係してない」

「え、」

それはさすがに意外だった。
アイさんは「けれど、」と繋げた。

「あなたがハッピーエンドを迎える方法なら、知ってるわよ」

「ハッピー…………エンド?」

戸惑いながら聞く私に、アイさんは足を組んだ。すらりとした足が顕になる。
アイさんは指を立てて私に言った。

「気になったことは、とことん突き詰めた方がいいわよ。思ったことは言いなさい。それがきっと、それがあなたの正解に繋がる。私は全てを知ってる訳では無いけどーーー。でも、ある程度ならわかるから」

「……?」

「そうそう。ネアちゃんは元々消極的?あんまり、意見しないタイプだったのかな。もっとガンガンいったほうがいいよ。それが、きみのためだ」

「それは、どういう…………」

「私から言えるのは、ここまで。あとは彼がなんとかしてくれるわ」

「え、俺?!」

突然話を振られたノアが驚いたように言う。私も驚いた。なんでここでノアが出てくるのだろう。というより、彼の用事ってそもそもなんだったのかしら。私がちらりと彼を見ると、彼はめんどくさいものでも見てしまったかのような顔をしていた。だけど私と視線があうと取り繕ったような表情を浮べる。

「あー………あー。うん。そうだね。俺もまあ、気になるし。ネアちゃんのことは好きだし」

「…………幼女は犯罪よ?」

すかさずアイさんの言葉が入る。ノアはそれを聞いて吹き出すように口を押えた。

「あっはは!俺がネアちゃんを?ないないっ!だって俺の七個下だよ?ありえないって」
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