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卑怯者と私2

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「もう、あなたじゃ話にもならないわ。格が違うのよ。この国を狙うなら、ガリシナのトップが自ら来る事ね。」

「ふはは、黙って聞いてればベラベラと。『私の扱い1つ』って、馬鹿なのか。此方の要求はニーナ、お前も含まれてる。お前が言う事が正しいなら、俺と結婚すれば後ろ楯はうちの国にくるわけだな。」

「……?」

「何をキョトンとしてるんだ。」

「言ってる意味がわからないもの。」

クール様は私と特徴の似た女を新聞に出されたから連れて帰ると言ってたわ。最初から私を渡せという条件が含まれてるなら、隠す事はあっても大っぴらにする事はないよね。

「…私、あなたみたいなのと結婚させられるくらいなら死ぬわ。婚約者としての
エドワードは馬鹿だけど、あなたのような
救いようのない馬鹿ではないもの。」

「なんだとっっ!!」

「本当の事でしょう。結局私の言うとおりになるじゃない。私が死ぬ、殺したのは誰か…となる。エドワードが一緒に殺されるのであれば、殺したのはあなたの国の誰か。それを知ったら、大問題になるわ。王太子と未来の王太子妃が殺されるんだもの。」

「この男がお前を殺したという事にすればいい。」

卑怯者がカチャリと私に銃を構えた。
後ろにすぐ階段があるけれど、上ってるうちに撃たれるわね。
私も撃つしかない。

パンッパンッパンッパンッ
「うわぁぁあああ」
「うっあぁぁ」

銃声とともに護衛が倒れた。

「…っっ!?」

よく見れば銃を持ったエドワードが、護衛の両足を撃ち抜いていた。

「さて、お前は俺と一緒に行こうか。」

卑怯者が持っていた銃を取り上げて、背中を足で突き飛ばした。

「ニーナ…」
「え…ぁ、うん。行きましょう…。」

エドワードが起きていたのも驚いたけれど、表情1つ変えずに護衛の足を撃ち抜いたのに驚いて、名前を呼ばれるまでその場を動けなかった。

外に出てみると、アルデーテの兵士が沢山いた。

「あれ?……何で?」

エドワードがキョトンとしている。
もちろん私もそうだと思う。

「…ぁぁああ」

卑怯者は真っ青ね。けれど、これで2国間の争いが始まる可能性もある。この男が人質になるかどうか……。
そんなことよりも!ここまでやりとげた私には、やるべき事があるわ。


パチーンッ
「この卑怯者っ!」
パチーンッ
「っ!?」
「貴方もよ!エドワード!…クリフっ!どこかにいるんでしょっ!!出てきなさいっ!」



「クリフ様、ニーナが呼んでますよ。」
「……いない事にしてくれ。」
「まさか、あれほど強く叩くとは…」
「……」
せめて怪我が治ってからにしてくれ…
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