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悪役令嬢に価値をつける
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「おい、そこの女。俺は第二王子のメイジュルだ。貴様が兄上が贔屓にしているという女だな」
グレイ様の所に行く途中、いきなり廊下で声をかけられ、立ち止まって振り返ると、そこにはわたくしと同い年ぐらいの男の子が居た。
すぐさま護衛やメイドがわたくしを守るようにしてくれた。
でもまあ、一応第二王子という事で、無視して立ち去るわけにもいかず、わたくしは淑女の礼をする。
正式に名乗りを上げられてないけど、一応名前は名乗られたしな。名前と身分だけだけど。
自己紹介の時はフルネームを言え!
「お初にお目にかかります。メイジュル第二王子様。デュランバル辺境侯爵家が長女、ツェツゥーリア=デュランバルと申します」
わたくしの挨拶に、メイジュル様は「ふん」と鼻を鳴らす。
「所詮は辺境の女が、兄上に取り入るなど、田舎女は身の程を知らないらしいな」
思いっきり見下してくる態度に、これが乙女ゲームの攻略対象の幼少期とか、ないわーと内心ドン引く。
「身の程をわきまえて、兄上に王宮に来ることを遠慮したいと奏上しろ。そして、妃を大切にしろとな」
ふむ。妃の誰かを贔屓して欲しい貴族に、なんか言われたのかな?
王宮にあるわたくしの噂を聞いていたら、妃はグレイ様がロリコンなんじゃないかと不安になるかもしれないしねぇ。
わたくしが居なくなれば、自分に目が向くとか思うかもしれないからな。
とはいえ、一部の貴族の話で動くとか、第二王子とはいえ、王族としての自覚がなさすぎじゃない?
この時点でグレイ様と比較されていて歪んでる? でもなぁ、クロエの話だと出会いは最悪だったっぽいし、この時点で王子教育を放棄してるのかな。
「身の程をわきまえていますので、陛下にそのような奏上をすることは出来ません。全ては陛下のお心のままにするだけです」
「ちっ、使えない女だな」
メイジュル様はそう吐き捨てるように言うと、ギロリとわたくしを睨んでくる。
「貴様のような田舎者と同学年など、俺の人生の汚点になるな」
お前、それはいろんな貴族に喧嘩売ってるぞ。
言うだけ言って離れていったメイジュル様に、わたくしはそっと息を吐き出す。
アレがいずれ怠惰で女遊びの激しい攻略対象になるのか。
あんなクソガキと婚約するなんて、本気でクロエが可哀想。
しかも、パソコン版だと離宮の地下で密かにスライムを飼っているんだよね。
乙女ゲームだから面白かったけど、やっぱ現実だとやばいわ。
そんな事を思いつつ、グレイ様の所に向かい、いつものガゼボのある所に到着すると、グレイ様はなんだかいつもと微妙に違う笑みを浮かべているような?
「ツェツィ、おいで」
「グレイ様。わたくしももうすぐ王立学院に通うのよ。そろそろ膝の上に乗せるのはやめた方がいいわ」
「それは無理だな。ツェツィが大人の女性になってもやめたくない」
「流石にそれはどうかと思うわ」
話しながらも、流れるようにわたくしの体はグレイ様の膝の上。
グレイ様はお土産で持って来たカステラを一口サイズに手でちぎり、せっせとわたくしの口に持ってくる。
うむ、我ながら少ない材料でうまく出来ている。
しかし、国王に餌付けされる幼女って、どうなの?
「グレイ様、自分で食べられるわ」
「私がやりたいんだ」
「もうっ」
頬を膨らませながら、食べさせてくるのを強く拒否出来ないわたくしも、甘いわね。
「ここに来る前、メイジュルと会ったそうだな」
「情報の伝達が早いわね。会ったというか、難癖をつけられたというか」
「あいつの母親。王太后殿の姪が、私の後宮の妃の一人なんだ」
「ああ、なるほど」
王太后、自分の立場を確固たるものにするのに必死で、最終的には自分の体で迫るぐらいだから、姪を後宮に入れるとかはしそう。
「母親に構ってもらうために、あいつもなりふり構わないようだ」
「クロエとの婚約も?」
「あれは、王太后殿の実家が権力を欲したが故の、政略結婚だな」
自分の家から王太后を輩出しただけで足りないのか。
王太后が権力に固執するのって、家のせいなんじゃないの?
「リアンも、リーチェも、もちろんクロエも婚約をよく思っていないのよね」
「メイベリアンとルーカスの婚約は、私の後ろ盾をわかりやすくするためのものだし。さっきも言ったように、メイジュルとクロエール嬢の婚約は王太后殿の実家主導の政略結婚だ。マルガリーチェ嬢とラッセルの婚約は、どうやら生まれる前に互いの家に年の釣り合う子供が生まれたら婚約させようと決めていたそうだ」
「つまり、どの婚約もそれなりの理由がないと解消出来ないのね」
「そうなるな」
まあ、乙女ゲームが始まってヒロインが現れたら、自然とそっちに惹かれて、婚約者を蔑ろにするようになるんだけどね。
それでも、乙女ゲームが始まるまでの十年間を無意味に過ごすとか、リアン達の青春が無駄になっちゃう。
思わず眉間にしわを寄せていると、そこにキスをされ、顔が赤くなる。
「だっ、だからっ」
「ツェツィ」
「な、なに?」
いつも通りキスされたことに抗議をしようとすると、顎を持たれてグレイ様と目が合うように上を向かされた。
うっ、十六歳のくせに色気がやばい。
「私といるというのに、私の事以外で思い悩むのは酷いんじゃないか?」
「なに、それ」
「……目が泳いでる。赤くなる姿は可愛いが、私をちゃんと見ろ」
「い、今は無理」
「見てくれないのなら、悪戯をするぞ」
「は?」
意味が分からない、とそらしていた視線を戻そうとしたら、顎にあった手が耳をこしょこしょとくすぐるように動き、回されていた手が背中をツツーっと撫でていく。
悪戯ってくすぐりの刑!?
「ひゃうっ。くすぐったい。うひゃっもうひゃめっ」
「ほら、私を見ないといつまでもこのままだぞ」
「ひひょっくふっひゃはっ」
背中を撫でていた手がわき腹に移動した瞬間、わたくしは降参してグレイ様を見上げる。
至極楽しそうな蕩けるような笑みに、思わずドキっとしてしまう。
くっそう、精神年齢はわたくしの方が上なのに。
「グレイ様は、無駄に顔がいいわ。卑怯よ」
悔し紛れにそう言うと、驚いたように目を開いたけど、また蕩けるように微笑んで「よかった」と呟いた。
そのまま何度も顔じゅうにキスをされて、わたくしはいつも通りに顔が真っ赤になる。
この習慣が終わるまでに、この行為になれるかな?
っていうか、さわさわと体のあちこちを触ってくるのは、セクハラなんじゃないのかな?
くすぐりの刑は終わったんじゃないの?
顔を真っ赤にしたり、くすぐったいのに耐えたりと、中々にハードな状況に追い込まれてしまっている。
「グレイ様、くすぐりの刑はもういやっ」
「ただのくすぐりではないのだが、今日の所はこれで勘弁しておこう」
今日の所は!? またやる気なの!?
目を白黒させていると、最後と言わんばかりに、ペロリと耳の淵を舐められて、背中がゾワリとした。
口をパクパクとさせていると、グレイ様がまたカステラをちぎってわたくしの口に持ってくる。
「ツェツィ、早く食べないと別のもので口を塞ぐぞ」
その言葉に、嫌な予感しかしなかったので、わたくしは無言で差し出されたカステラを口に含んだ。
お菓子に罪はない。うん。
「そ、そういえば、リアンに提案しているハーブティーの事は聞いている?」
「その辺に生えている草をお茶にするという物だったな」
「草は草でもハーブよ。薬草を調べているうちに、この世界にもハーブがある事がわかったの。平民の間では、薬の代わりに使われたりもしているのよ」
「それで、そのハーブという草の特徴を書いて、メイベリアンに伝えたという事か」
「ええ」
「一応、医師に確認を取りながら草を摘んだらしいがな、当然わけのわからないものを口にさせるわけにはいかない」
グレイの言う事ももっともだ。しかし、医師が付いていたという事は、薬草として認められたという事では?
ハーブを浸透させれば、ハーブティーも夢じゃないと思うのよね。
でも、そのためにはハーブの効能を広めなくちゃいけないのかな。
わたくし、前世ではローズヒップティーやミントティーを自家製して愛飲していたのよね。
紅茶もそれなりに種類があるけど、やっぱりたまにはハーブティーが飲みたくなる。
「ねえ、リアンの離宮の中庭に、薔薇園があるわよね?」
「そうだな。ツェツィ達が棘で傷つかないようにと、皆がハラハラしていた」
「その薔薇って秋になったら実をつけない?」
「いや、枯れかけた薔薇は切ってしまうだろうから、実を結ぶことはないだろう」
「……よし」
リアンには、ローズヒップの栽培を手伝ってもらおう。
お茶に加工するのはわたくしの方ですることにして、実の収穫をお願いすれば、皆にそれぞれ役目が出来て利益が出るわ。
「ねえ、リアンは領地を持ったりはしないの?」
「いや、持参金の一部で王家所有の領地を一部渡すことになっている。国内の貴族に嫁ぐ場合のみだけどな」
「その領地、事前に渡すことは出来る?」
「不可能ではないが、何をするつもりだ?」
「まずはリアンの離宮の薔薇園で実験して。成功したら、領地で大きな薔薇園を作るのよ」
そのほかにも、領地でハーブ園を作って、色々なハーブを育てるのもいいかもしれない。
薬草を育てる王女、イメージアップにもなるわ。
「ツェツィは薔薇が好きなのか?」
「薔薇も好きだけど、実も好きよ」
「子供だからか、色気より食い気だな」
む、なんだか失礼なことを言われた気がする。
グレイ様の所に行く途中、いきなり廊下で声をかけられ、立ち止まって振り返ると、そこにはわたくしと同い年ぐらいの男の子が居た。
すぐさま護衛やメイドがわたくしを守るようにしてくれた。
でもまあ、一応第二王子という事で、無視して立ち去るわけにもいかず、わたくしは淑女の礼をする。
正式に名乗りを上げられてないけど、一応名前は名乗られたしな。名前と身分だけだけど。
自己紹介の時はフルネームを言え!
「お初にお目にかかります。メイジュル第二王子様。デュランバル辺境侯爵家が長女、ツェツゥーリア=デュランバルと申します」
わたくしの挨拶に、メイジュル様は「ふん」と鼻を鳴らす。
「所詮は辺境の女が、兄上に取り入るなど、田舎女は身の程を知らないらしいな」
思いっきり見下してくる態度に、これが乙女ゲームの攻略対象の幼少期とか、ないわーと内心ドン引く。
「身の程をわきまえて、兄上に王宮に来ることを遠慮したいと奏上しろ。そして、妃を大切にしろとな」
ふむ。妃の誰かを贔屓して欲しい貴族に、なんか言われたのかな?
王宮にあるわたくしの噂を聞いていたら、妃はグレイ様がロリコンなんじゃないかと不安になるかもしれないしねぇ。
わたくしが居なくなれば、自分に目が向くとか思うかもしれないからな。
とはいえ、一部の貴族の話で動くとか、第二王子とはいえ、王族としての自覚がなさすぎじゃない?
この時点でグレイ様と比較されていて歪んでる? でもなぁ、クロエの話だと出会いは最悪だったっぽいし、この時点で王子教育を放棄してるのかな。
「身の程をわきまえていますので、陛下にそのような奏上をすることは出来ません。全ては陛下のお心のままにするだけです」
「ちっ、使えない女だな」
メイジュル様はそう吐き捨てるように言うと、ギロリとわたくしを睨んでくる。
「貴様のような田舎者と同学年など、俺の人生の汚点になるな」
お前、それはいろんな貴族に喧嘩売ってるぞ。
言うだけ言って離れていったメイジュル様に、わたくしはそっと息を吐き出す。
アレがいずれ怠惰で女遊びの激しい攻略対象になるのか。
あんなクソガキと婚約するなんて、本気でクロエが可哀想。
しかも、パソコン版だと離宮の地下で密かにスライムを飼っているんだよね。
乙女ゲームだから面白かったけど、やっぱ現実だとやばいわ。
そんな事を思いつつ、グレイ様の所に向かい、いつものガゼボのある所に到着すると、グレイ様はなんだかいつもと微妙に違う笑みを浮かべているような?
「ツェツィ、おいで」
「グレイ様。わたくしももうすぐ王立学院に通うのよ。そろそろ膝の上に乗せるのはやめた方がいいわ」
「それは無理だな。ツェツィが大人の女性になってもやめたくない」
「流石にそれはどうかと思うわ」
話しながらも、流れるようにわたくしの体はグレイ様の膝の上。
グレイ様はお土産で持って来たカステラを一口サイズに手でちぎり、せっせとわたくしの口に持ってくる。
うむ、我ながら少ない材料でうまく出来ている。
しかし、国王に餌付けされる幼女って、どうなの?
「グレイ様、自分で食べられるわ」
「私がやりたいんだ」
「もうっ」
頬を膨らませながら、食べさせてくるのを強く拒否出来ないわたくしも、甘いわね。
「ここに来る前、メイジュルと会ったそうだな」
「情報の伝達が早いわね。会ったというか、難癖をつけられたというか」
「あいつの母親。王太后殿の姪が、私の後宮の妃の一人なんだ」
「ああ、なるほど」
王太后、自分の立場を確固たるものにするのに必死で、最終的には自分の体で迫るぐらいだから、姪を後宮に入れるとかはしそう。
「母親に構ってもらうために、あいつもなりふり構わないようだ」
「クロエとの婚約も?」
「あれは、王太后殿の実家が権力を欲したが故の、政略結婚だな」
自分の家から王太后を輩出しただけで足りないのか。
王太后が権力に固執するのって、家のせいなんじゃないの?
「リアンも、リーチェも、もちろんクロエも婚約をよく思っていないのよね」
「メイベリアンとルーカスの婚約は、私の後ろ盾をわかりやすくするためのものだし。さっきも言ったように、メイジュルとクロエール嬢の婚約は王太后殿の実家主導の政略結婚だ。マルガリーチェ嬢とラッセルの婚約は、どうやら生まれる前に互いの家に年の釣り合う子供が生まれたら婚約させようと決めていたそうだ」
「つまり、どの婚約もそれなりの理由がないと解消出来ないのね」
「そうなるな」
まあ、乙女ゲームが始まってヒロインが現れたら、自然とそっちに惹かれて、婚約者を蔑ろにするようになるんだけどね。
それでも、乙女ゲームが始まるまでの十年間を無意味に過ごすとか、リアン達の青春が無駄になっちゃう。
思わず眉間にしわを寄せていると、そこにキスをされ、顔が赤くなる。
「だっ、だからっ」
「ツェツィ」
「な、なに?」
いつも通りキスされたことに抗議をしようとすると、顎を持たれてグレイ様と目が合うように上を向かされた。
うっ、十六歳のくせに色気がやばい。
「私といるというのに、私の事以外で思い悩むのは酷いんじゃないか?」
「なに、それ」
「……目が泳いでる。赤くなる姿は可愛いが、私をちゃんと見ろ」
「い、今は無理」
「見てくれないのなら、悪戯をするぞ」
「は?」
意味が分からない、とそらしていた視線を戻そうとしたら、顎にあった手が耳をこしょこしょとくすぐるように動き、回されていた手が背中をツツーっと撫でていく。
悪戯ってくすぐりの刑!?
「ひゃうっ。くすぐったい。うひゃっもうひゃめっ」
「ほら、私を見ないといつまでもこのままだぞ」
「ひひょっくふっひゃはっ」
背中を撫でていた手がわき腹に移動した瞬間、わたくしは降参してグレイ様を見上げる。
至極楽しそうな蕩けるような笑みに、思わずドキっとしてしまう。
くっそう、精神年齢はわたくしの方が上なのに。
「グレイ様は、無駄に顔がいいわ。卑怯よ」
悔し紛れにそう言うと、驚いたように目を開いたけど、また蕩けるように微笑んで「よかった」と呟いた。
そのまま何度も顔じゅうにキスをされて、わたくしはいつも通りに顔が真っ赤になる。
この習慣が終わるまでに、この行為になれるかな?
っていうか、さわさわと体のあちこちを触ってくるのは、セクハラなんじゃないのかな?
くすぐりの刑は終わったんじゃないの?
顔を真っ赤にしたり、くすぐったいのに耐えたりと、中々にハードな状況に追い込まれてしまっている。
「グレイ様、くすぐりの刑はもういやっ」
「ただのくすぐりではないのだが、今日の所はこれで勘弁しておこう」
今日の所は!? またやる気なの!?
目を白黒させていると、最後と言わんばかりに、ペロリと耳の淵を舐められて、背中がゾワリとした。
口をパクパクとさせていると、グレイ様がまたカステラをちぎってわたくしの口に持ってくる。
「ツェツィ、早く食べないと別のもので口を塞ぐぞ」
その言葉に、嫌な予感しかしなかったので、わたくしは無言で差し出されたカステラを口に含んだ。
お菓子に罪はない。うん。
「そ、そういえば、リアンに提案しているハーブティーの事は聞いている?」
「その辺に生えている草をお茶にするという物だったな」
「草は草でもハーブよ。薬草を調べているうちに、この世界にもハーブがある事がわかったの。平民の間では、薬の代わりに使われたりもしているのよ」
「それで、そのハーブという草の特徴を書いて、メイベリアンに伝えたという事か」
「ええ」
「一応、医師に確認を取りながら草を摘んだらしいがな、当然わけのわからないものを口にさせるわけにはいかない」
グレイの言う事ももっともだ。しかし、医師が付いていたという事は、薬草として認められたという事では?
ハーブを浸透させれば、ハーブティーも夢じゃないと思うのよね。
でも、そのためにはハーブの効能を広めなくちゃいけないのかな。
わたくし、前世ではローズヒップティーやミントティーを自家製して愛飲していたのよね。
紅茶もそれなりに種類があるけど、やっぱりたまにはハーブティーが飲みたくなる。
「ねえ、リアンの離宮の中庭に、薔薇園があるわよね?」
「そうだな。ツェツィ達が棘で傷つかないようにと、皆がハラハラしていた」
「その薔薇って秋になったら実をつけない?」
「いや、枯れかけた薔薇は切ってしまうだろうから、実を結ぶことはないだろう」
「……よし」
リアンには、ローズヒップの栽培を手伝ってもらおう。
お茶に加工するのはわたくしの方ですることにして、実の収穫をお願いすれば、皆にそれぞれ役目が出来て利益が出るわ。
「ねえ、リアンは領地を持ったりはしないの?」
「いや、持参金の一部で王家所有の領地を一部渡すことになっている。国内の貴族に嫁ぐ場合のみだけどな」
「その領地、事前に渡すことは出来る?」
「不可能ではないが、何をするつもりだ?」
「まずはリアンの離宮の薔薇園で実験して。成功したら、領地で大きな薔薇園を作るのよ」
そのほかにも、領地でハーブ園を作って、色々なハーブを育てるのもいいかもしれない。
薬草を育てる王女、イメージアップにもなるわ。
「ツェツィは薔薇が好きなのか?」
「薔薇も好きだけど、実も好きよ」
「子供だからか、色気より食い気だな」
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