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兄妹共に同じ運命を辿るようだ
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そして二人が休憩に入って40分程経った後
「完全復活です! ちひろ先輩と結先輩にベ○マの魔法をかけて頂いたので、体力はMAXになりました。後は任せて下さい!」
「中々心強いことを言うな。午前中より注文が多くなっているから期待しているぞ」
今言ったことは嘘ではなく、本当に午前中より多くの注文が入っているのだ。
「えっ? で、でも⋯⋯元々体力がない私にベ○マをかけてもあまり意味がないと言うか⋯⋯ホ○ミで十分だったという説もあるので、そんなに動くことはできないです」
瑠璃は午前中より忙しいことを知ると途端にひよってきた。
「それじゃあ次はユズが休憩で。ユズのポジションはコト姉頼む。そして楓さんは俺とシフォンケーキとパンケーキを、瑠璃はコト姉とカップケーキを作ってくれ」
「わかったよ~」
「ひ~ん」
「わ、わかりました」
こうして瑠璃は泣き言を言いながら、楓さんは顔をひきつらせながらケーキ作りに戻るのであった。
柚葉side
「ふう⋯⋯」
私は上野先輩と神奈先輩に用意して頂いたオレンジジュースと甘口のカレーを食べながら、兄さん達の方へと視線を送る。
慣れた手つきで作業する兄さんとお姉ちゃん、それに必死についていこうとかんばっている瑠璃さんと楓さん。
兄さんもそうだけど、お姉ちゃんはレシピを一目見ただけで、私より上手にケーキを作る。我が姉ながら天才というのはこういう人のことを言うんだと幼い頃から見せつけられていた。
私の目標でもあり⋯⋯のライバルでもあるお姉ちゃん。いつか私もお姉ちゃんのようになれるだろうか? なれなくても少しでもお姉ちゃんに近づきたい。だから私は努力する。いつかお姉ちゃんと⋯⋯兄さんに認められる存在になれるように。
「ユズちゃんお疲れ様」
「上野先輩ありがとうございます」
私は休憩中に、リンゴジュースとカレーを差し入れしてくれた上野先輩にお礼を言う。
「それと申し訳ありません。兄さんをこちらに借りてしまって」
「いいのいいの。それにしてもリウトのシスコンっぷりには本当に参っちゃうね」
「兄さんってそんなにシスコンなんですか?」
私は少し興味津々に上野先輩の言葉に耳を傾ける。
「とうの本人は気づいていないけどね。リウトはユズちゃんのこととても大事にしているよ。さっきだってユズちゃんが泣いているのを見て、今まで見たことないほど殺気立っていたし」
「そうですか⋯⋯」
不謹慎だけど兄さんが私のことを思って怒ってくれたなら少し嬉しい。
「それにしてもすごい人気だね」
「そうですね。午後になったらより一層注文が増えて⋯⋯」
「それはたぶん琴音さんの影響だと思う」
「お姉ちゃんの?」
上野先輩の言葉に思い浮かぶことがあった。
「ケーキを琴音さんが作っていることが、どこからか漏れたみたい。ファンの人達が買っているらしいよ」
「そうですよね。お姉ちゃんは人気者ですから」
やっぱりすごいなあ⋯⋯お姉ちゃんは。
「何言ってるの? 午前中から忙しかったのはユズちゃんがいたからだよ? 人気者のアイドル2人がケーキを作る⋯⋯売れないわけがないよ」
「そ、そんな⋯⋯私なんて⋯⋯」
「ユズちゃんは少し自己評価が低いのね。リウトも言っていたよ」
「に、兄さんが! あ、いえ、何でもないです」
私はつい兄さんの話が出て前のめりになってしまい、その様子を見た上野先輩にクスリと笑われてしまった。
「リウトも愛されてるなあ」
私は上野先輩の言葉に恥ずかしくて、顔が真っ赤になってしまう。
「リウトは毎日お弁当を作ってくれるユズちゃんに感謝しているし、料理を上手くなろうと努力しているユズは凄いやつだって言ってたよ」
「そうですか⋯⋯」
私は上野先輩に素っ気なく答えましたが、兄さんはちゃんと私のことを見てくれているとわかって、内心はもの凄く嬉しかった。
「ニヤケてて顔と言葉が一致していないよ」
「そ、そんなことありません! ようやく兄さんも私のことがわかってきたと感心しただけです」
「そうかなあ? 私にはリウトに褒められて嬉しくてしょうがないように見えたけど」
「そ、そんなことありませんよ。あっ! 私、そろそろ休憩から戻らなくちゃいけないので失礼しますね」
兄さんがよく上野先輩にからかわれると言っていたけど、その気持ちがわかった。
そして私はこれ以上自分の気持ちが丸裸にされないように、逃げるようにこの場を立ち去るのであった。
―――――――――――――――
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「完全復活です! ちひろ先輩と結先輩にベ○マの魔法をかけて頂いたので、体力はMAXになりました。後は任せて下さい!」
「中々心強いことを言うな。午前中より注文が多くなっているから期待しているぞ」
今言ったことは嘘ではなく、本当に午前中より多くの注文が入っているのだ。
「えっ? で、でも⋯⋯元々体力がない私にベ○マをかけてもあまり意味がないと言うか⋯⋯ホ○ミで十分だったという説もあるので、そんなに動くことはできないです」
瑠璃は午前中より忙しいことを知ると途端にひよってきた。
「それじゃあ次はユズが休憩で。ユズのポジションはコト姉頼む。そして楓さんは俺とシフォンケーキとパンケーキを、瑠璃はコト姉とカップケーキを作ってくれ」
「わかったよ~」
「ひ~ん」
「わ、わかりました」
こうして瑠璃は泣き言を言いながら、楓さんは顔をひきつらせながらケーキ作りに戻るのであった。
柚葉side
「ふう⋯⋯」
私は上野先輩と神奈先輩に用意して頂いたオレンジジュースと甘口のカレーを食べながら、兄さん達の方へと視線を送る。
慣れた手つきで作業する兄さんとお姉ちゃん、それに必死についていこうとかんばっている瑠璃さんと楓さん。
兄さんもそうだけど、お姉ちゃんはレシピを一目見ただけで、私より上手にケーキを作る。我が姉ながら天才というのはこういう人のことを言うんだと幼い頃から見せつけられていた。
私の目標でもあり⋯⋯のライバルでもあるお姉ちゃん。いつか私もお姉ちゃんのようになれるだろうか? なれなくても少しでもお姉ちゃんに近づきたい。だから私は努力する。いつかお姉ちゃんと⋯⋯兄さんに認められる存在になれるように。
「ユズちゃんお疲れ様」
「上野先輩ありがとうございます」
私は休憩中に、リンゴジュースとカレーを差し入れしてくれた上野先輩にお礼を言う。
「それと申し訳ありません。兄さんをこちらに借りてしまって」
「いいのいいの。それにしてもリウトのシスコンっぷりには本当に参っちゃうね」
「兄さんってそんなにシスコンなんですか?」
私は少し興味津々に上野先輩の言葉に耳を傾ける。
「とうの本人は気づいていないけどね。リウトはユズちゃんのこととても大事にしているよ。さっきだってユズちゃんが泣いているのを見て、今まで見たことないほど殺気立っていたし」
「そうですか⋯⋯」
不謹慎だけど兄さんが私のことを思って怒ってくれたなら少し嬉しい。
「それにしてもすごい人気だね」
「そうですね。午後になったらより一層注文が増えて⋯⋯」
「それはたぶん琴音さんの影響だと思う」
「お姉ちゃんの?」
上野先輩の言葉に思い浮かぶことがあった。
「ケーキを琴音さんが作っていることが、どこからか漏れたみたい。ファンの人達が買っているらしいよ」
「そうですよね。お姉ちゃんは人気者ですから」
やっぱりすごいなあ⋯⋯お姉ちゃんは。
「何言ってるの? 午前中から忙しかったのはユズちゃんがいたからだよ? 人気者のアイドル2人がケーキを作る⋯⋯売れないわけがないよ」
「そ、そんな⋯⋯私なんて⋯⋯」
「ユズちゃんは少し自己評価が低いのね。リウトも言っていたよ」
「に、兄さんが! あ、いえ、何でもないです」
私はつい兄さんの話が出て前のめりになってしまい、その様子を見た上野先輩にクスリと笑われてしまった。
「リウトも愛されてるなあ」
私は上野先輩の言葉に恥ずかしくて、顔が真っ赤になってしまう。
「リウトは毎日お弁当を作ってくれるユズちゃんに感謝しているし、料理を上手くなろうと努力しているユズは凄いやつだって言ってたよ」
「そうですか⋯⋯」
私は上野先輩に素っ気なく答えましたが、兄さんはちゃんと私のことを見てくれているとわかって、内心はもの凄く嬉しかった。
「ニヤケてて顔と言葉が一致していないよ」
「そ、そんなことありません! ようやく兄さんも私のことがわかってきたと感心しただけです」
「そうかなあ? 私にはリウトに褒められて嬉しくてしょうがないように見えたけど」
「そ、そんなことありませんよ。あっ! 私、そろそろ休憩から戻らなくちゃいけないので失礼しますね」
兄さんがよく上野先輩にからかわれると言っていたけど、その気持ちがわかった。
そして私はこれ以上自分の気持ちが丸裸にされないように、逃げるようにこの場を立ち去るのであった。
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