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休憩時間も油断してはいけない
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リウトside
「次はコト姉が休憩に行っちゃってよ」
ユズが何故か顔を真っ赤にして休憩から戻ってきたので、次はコト姉に休むように俺は問いかける。
「お姉ちゃんはまだそんなに働いていないから大丈夫だよ」
「いや、俺はコト姉の後に休憩するからさ。だから先に行ってくれ」
「う、うん。わかったよ」
確かにコト姉は調理室に来てから1時間半くらいしか働いていない。だけどここに早く来るため、生徒会の仕事を休まずに終わらしてきたのは間違いないだろう。
コト姉はそういう人だ。だから少し強めに言って先に休憩に入ってもらうことにした。
そして午前中と同じ様に俺と楓さん、ユズと瑠璃のペアでケーキを作っているが、一向に注文の数が減らない。大変だが俺達のケーキを美味しい、食べたいと思ってくれる人がたくさんいるのは嬉しいことだ。
「みんな忙しいけどがんばろう。こういう時こそ丁寧に作ることを心がけてくれ」
「「「はい」」」
午後になってケーキ作りの作業にも慣れてきたこともあり、気を引き締めるためユズ達に声をかける。
俺達に取っては多くの中の一つかもしれないが、お客さんに取ってはその一つが全てになる。
どうせならこのケーキを食べた人には全員満足して帰ってほしい。
そして30分程時間が経つとコト姉が休憩から戻ってきた。
みんなには1時間休んでいいって言っているのに、誰も守ってくれないな。将来ブラック企業に勤めてしまった時が心配になる。
「次はリウトちゃんの番だね」
「ああ、それじゃあ休ませてもらうよ」
俺はみんなにそう言うと、調理室のはじっこにある椅子に腰をおろす。
ふう⋯⋯さすがに疲れた。だけどここで疲れた素振りを見せればみんなに心配をかけてしまうから、平然とした態度でいるしかない。
とにかく今は何か食べて、体力を回復した方がいいな。
しかし椅子から動こうとしたら足に力が入らず、立ち上がることすらできなかった。
しまったな⋯⋯1度座ってしまったことで気が抜けてしまったのか。このままだと食べ物を買いに行くことすら出来ないぞ。
「はっ! よっ!」
俺は立ち上がろうとかけ声を入れるが結果は変わらない。
「リウト何やってるの?」
しかも最悪なことにその姿をちひろに見られてしまうのだった。
「次はコト姉が休憩に行っちゃってよ」
ユズが何故か顔を真っ赤にして休憩から戻ってきたので、次はコト姉に休むように俺は問いかける。
「お姉ちゃんはまだそんなに働いていないから大丈夫だよ」
「いや、俺はコト姉の後に休憩するからさ。だから先に行ってくれ」
「う、うん。わかったよ」
確かにコト姉は調理室に来てから1時間半くらいしか働いていない。だけどここに早く来るため、生徒会の仕事を休まずに終わらしてきたのは間違いないだろう。
コト姉はそういう人だ。だから少し強めに言って先に休憩に入ってもらうことにした。
そして午前中と同じ様に俺と楓さん、ユズと瑠璃のペアでケーキを作っているが、一向に注文の数が減らない。大変だが俺達のケーキを美味しい、食べたいと思ってくれる人がたくさんいるのは嬉しいことだ。
「みんな忙しいけどがんばろう。こういう時こそ丁寧に作ることを心がけてくれ」
「「「はい」」」
午後になってケーキ作りの作業にも慣れてきたこともあり、気を引き締めるためユズ達に声をかける。
俺達に取っては多くの中の一つかもしれないが、お客さんに取ってはその一つが全てになる。
どうせならこのケーキを食べた人には全員満足して帰ってほしい。
そして30分程時間が経つとコト姉が休憩から戻ってきた。
みんなには1時間休んでいいって言っているのに、誰も守ってくれないな。将来ブラック企業に勤めてしまった時が心配になる。
「次はリウトちゃんの番だね」
「ああ、それじゃあ休ませてもらうよ」
俺はみんなにそう言うと、調理室のはじっこにある椅子に腰をおろす。
ふう⋯⋯さすがに疲れた。だけどここで疲れた素振りを見せればみんなに心配をかけてしまうから、平然とした態度でいるしかない。
とにかく今は何か食べて、体力を回復した方がいいな。
しかし椅子から動こうとしたら足に力が入らず、立ち上がることすらできなかった。
しまったな⋯⋯1度座ってしまったことで気が抜けてしまったのか。このままだと食べ物を買いに行くことすら出来ないぞ。
「はっ! よっ!」
俺は立ち上がろうとかけ声を入れるが結果は変わらない。
「リウト何やってるの?」
しかも最悪なことにその姿をちひろに見られてしまうのだった。
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