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39話
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大爆発が起こると同時に母さんとステラと呼ばれた女性の周りは全てが吹き飛んで砂埃が舞う──
「母さん!?」
皆が見守る中、僕は声を出していた。
まだ金属音が鳴り響いている。まだ終わっていない──
「ごめん──魔力切れ……」
このタイミングでエレノアさんが魔力切れを起こす。
精霊さん達はいつの間にか消えていた。
彼女と精霊さんのお陰でほとんどの人が生き残っている。感謝しかない。
ここからが正念場だろう。
さっきのドラゴンは師匠が反射させていたのを避けて一度離れた。
今はいないけど、もうすぐしたらやってくるはずだ。
母さんにしかあのステラという人は対処が出来ない。
なら、僕達がやる事は魔物の殲滅だろう。
今のうちに体制を整えないと──
「エレノアさん──本当ありがとう。これ約束の魔力です──」
エレノアさんの手をとって『魔素還元』した魔力を譲渡してく──
「んあ……あぁ……ううん……」
「ちょ、エレノアさん?! むぅぅー──」
見た目がエロいからむずむずするなぁ~と思っていたら──抱きつかれたんですけど!?
おっぱいに埋もれて呼吸が出来ないっ!?
そうか──おっぱいに埋もれると呼吸が出来なくなるのか……これは新発見だな!
「もっと……」
何が!? もしかして魔力がまだ足りない!?
僕は両おっぱいを掴んで顔を離す──
「……わかりました……──いきますっ!」
ならば、一気に魔力を回復させましょう!
時間も無いしね?
大先生出番ですッ!
おっぱいを鷲掴みにしてる両手から魔力を放出するとエレノアさんはブルブルと小刻みに震えてきた──
おっぱいがめっちゃ震えてるよ!? 振動で凄い波打ってる!?
大事な事だから言っておくけど、鷲掴みは不可抗力だからね! 埋もれるからっ!
「──ふぁ!? ああぁぁぁぁっん──ふぉぉぉっ──はぁ……はぁ……」
よし、満足そうな表情をしている。
おっぱい初めて触ったッ!
めっちゃ柔らかいッ!
知ってるか? 大きなおっぱいは手が埋もれるんだぜ?
なんという至福ッ!
なんという包容力かッ!
おっぱいに安心させる作用があると言っていた師匠の言葉が今わかったよッ!
「これで大分回復したと思います──すいませんが、魔物の相手をしてくれませんか?」
「……ま、かせて……」
エレノアさんは上目遣いでトロンとした表情をしながらゆらゆらと魔物に向かって行く。
大丈夫なんだろうか?
そんな事を思っていると、エレノアさんの口元が三日月状になった瞬間──
大爆発が起こり、魔物の断末魔が聞こえてきた。
「…………」
空いた口が塞がらない。それは僕だけじゃなく──兵士や冒険者の人達もだ。
何をどうやったらあんな大爆発が起こるんだ!?
とりあえず、あれならしばらく大丈夫そうだな……。
「シャーリーさん!」
無双状態のエレノアさんを一瞥し、シャーリーさんに声をかける。
「何ですか?」
今まで光景を見て、少し期待を込めた表情をしていた。
さて、次はシャーリーさんだ。これだけの大規模な『結界』を張っていたら魔力も枯渇寸前だろう。
「魔力の回復を行いますけど──良いですか?」
「んん? ロイド君は『魔力譲渡』が出来るんですか?」
「そうです──ただ……」
気持ち良くなっちゃうらしいんですっ! とは口が裂けても言えないから言い淀む。
「構いません──今は少しでも魔力が多く必要です。さぁこちらにッ!」
話が早いなっ!? というか、凄いやる気満々なんだけど!?
普通今の見てたら断らない?!
絶対普通じゃないってわかるよね!?
「……いや、なんか僕の『魔力譲渡』ってフィア曰く、他と違うみたいなんですけど?」
「──構いません! むしろ早くして下さいっ!」
……何この期待の眼差し……。
僕の顔が引き攣っているのがわかる。
シャーリーさんはフィアのお母さんだ。本当にやってもいいのか?
「胸を掴む必要があるなら遠慮なく! ロイド君は人より魔力量が多いのでしょう? 早くしなければ手遅れになってしまいます!」
ちょっと待てぃ! そんな服から溢れそうな、エレノアさんと変わらない大きさでこぼれ落ちそうなおっぱいを突き出さないで!
迫力が半端ないです!
しかし──早くしないといけないのも事実だッ!
「…………」
僕はどうしたものかと思考する。
何で『魔力譲渡』は接着面が多くないと効果が少ないんだよ!
黙っていたせいか、痺れを切らしたシャーリーさんが追い討ちをかけてきた。
「胸を掴む必要があるのでしょう?! さぁどうぞっ!」
なんでやねん! さっきのは埋もれないようにする為なの!
そんな両手から柔らかそうなおっぱいを持ち上げて差し出さないで!
そりゃー僕だって健全な男なんだ! もちろん掴みたいさっ!
というか揉みたいよ! 柔らかくて気持ち良かったもん!
待てよ……実はおっぱいを掴まないと魔力を回復出来ない事にしたらいけるんじゃ?
目の前には桃源郷──
僕は手を伸ばす──
「──いきます」
「──ロイド君? そこは胸ではありませんよ?」
「ハグで十分です」
僕は手をお腹辺りに伸ばして後ろに回り込み──ハグする。
「え?」
何故そんな残念そうなんだ!?
僕におっぱいを堂々と皆の前で鷲掴みにする事は出来ない! さっきのは不可抗力だ!
いくらでもヘタレと呼んでくれ!
師匠が解決策で言っていたハプニングを利用するっていうのはさっきのエレノアさんの時のような事なんだろう。そうでもなかったら堂々とおっぱいなんか触れないよ!
しかし、ハグなら大丈夫だと思ったけど──
シャーリーさんもフィアと同じく凄く良い匂いなんだけど!?
遺伝なの!? 聖女って良い匂いの人しかなれないの!?
な・に・よ・りッ!
背の高さ的に脇腹から鳩尾にかけてハグしているんだけど──
大きなお胸様が腕から手にかけて飲み込むように覆いかぶさっているッ!
この世界にブラジャーという概念は無いッ!
つ・ま・りッ!
生おっぱいだッ!
そんな事を想像するだけで僕は股間が痛い。
さっさと終わらそう……。
「いきます──『魔力譲渡』─── 」
「──んっ、あぁぁん──」
艶っぽい声が響き渡る──
ヤバい……シャーリーさんの声は普段と違ってギャップが凄いから心に来る。
近くに人はいないんだけど──師匠が大盾で人のいる方向から見えないようにしてくれている。
師匠から優しさを感じる……。
しかし……耐えるのが辛い……シャーリーさんも魔力量が多いな……エレノアさんは底無しのような気がするけど……。
こういう時は違う事を考えるんだ!
乗り切れッ!
そう──
これは試練だッ!
神様が童貞に与えた試練なんだ……。
本当酷い神様もいたもんだな!
とりあえず羊でも数えよう……。
羊が1匹──
「あん……」
羊が2匹──
「んんっ、良い……」
羊が3匹──
「んあ……も、もう……少し……」
羊が──って何がもう少しなのさ!?
──良しッ! 完全回復だッ!
「終わりましたッ!」
僕は体から離れる。
「まだよッ!」
えぇ、何が!? 魔力回復したはずだよ!?
「お母様っ! 次は私ですから早くどいて下さい! 今は早くこの状況をなんとかしないといけないんです!」
フィアがシャーリーさんに強めの口調で諌めると、しぶしぶ引き下がってくれた。
でも、その後のシャーリーさんは『光線(極太)』で魔物を薙ぎ払い、光魔法を空から放ちまくった。
また僕の顔は引き攣る。
空からの攻撃ってヤバいな……。
とりあえずお礼を言おう。僕は結果的に助かったからね!
「フィア──」
ありがとう──そう言おうとしたら。
「次は私の番ですよ?」
はにかむ笑顔でそう先に言われてしまった。
何でフィアが近くで待機してたのかわかった。順番待ちしてたんだね……。
僕はまだ耐えなければならないらしい……これ一応──
戦闘中なんだけど?
◆
もう少しで……もう少しで逝けたのに……。
実は最後の一つですが、最高級の魔力回復薬を持っていました。
エレノアさんの様子を見るに間違いなく彼の『魔力譲渡』はマッサージの延長線にあるもの。そしてその予想は的中しました。中途半端に終わってしまいましたが……。
戦いが終わったら必ずしてもらいましょう。
しかし、私の魔力を完全回復させるとは……凄い才能です。これでも魔力量は自信があったんですがね……。それに不思議な事に疲労まで一緒に回復するとは……ロイド君の力は底が知れないですね。
さて『結界』は問題なさそうです。
とりあえず今は中途半端に終わった怒りをぶつけましょう──
「──【光線】──」
極太の光線で薙ぎ払いますが、木々も消滅しているので被害が尋常じゃないですね……。
あれでいきましょう──
「──【光星雨】──」
空から『光魔法』で光の矢を絶え間なく撃ち続けます。
これなら地面に穴が空く程度でしょう。
これで少しでも数を減らして──
「ふぁぁぁぁ……あん、あぁぁ、ロ、ロイくぅぅぅっん」
聞こえて来たのは娘であるフィアの声。
何事かと思って振り向くとフィアはロイド君に抱きついて体を擦り付けていました。
我が娘ながらやるわね……。
「シャーリー様……私もロイド君に回復してもらった方が良いでしょうか?」
ユラがそんな事を聞いてきました。
本来なら受けて戦線を維持するのが正解でしょう。
私とフィアの反応を見るに尻込みしているのかもしれません。
しかし──
「ユラ──貴女は夫がいる身。受けてはなりません。代わりにこれを──」
「──!? こ、これは!? まさか──」
「そうです。大賢者様がお作りになられた秘薬です」
「こ、こんな物受け取れません!」
「いいえ、ロイド君の魔力にも限りはあるはずです。今は生き残る為に手段は選んでられません。これを飲んで魔物を殲滅しましょう」
ロイド君を見るに相当疲れている。無理はさせてはいけません。
「はっ!」
それに私は嘘は言っていません。人妻であるユラはあれを体験するべきではないでしょう。
大賢者様の『秘薬』は体力と魔力を回復させてくれますが、ロイド君の『魔力譲渡』も同じ効果がありました。
しかも、ロイド君の方が気持ち良いという付属までついてきます。
この事はユラは知らなくて良い事です。
さて、ライラは大丈夫でしょうか?
まだ大規模な余波が来ているから普通に戦っているとは思うのですが──
「母さん!?」
皆が見守る中、僕は声を出していた。
まだ金属音が鳴り響いている。まだ終わっていない──
「ごめん──魔力切れ……」
このタイミングでエレノアさんが魔力切れを起こす。
精霊さん達はいつの間にか消えていた。
彼女と精霊さんのお陰でほとんどの人が生き残っている。感謝しかない。
ここからが正念場だろう。
さっきのドラゴンは師匠が反射させていたのを避けて一度離れた。
今はいないけど、もうすぐしたらやってくるはずだ。
母さんにしかあのステラという人は対処が出来ない。
なら、僕達がやる事は魔物の殲滅だろう。
今のうちに体制を整えないと──
「エレノアさん──本当ありがとう。これ約束の魔力です──」
エレノアさんの手をとって『魔素還元』した魔力を譲渡してく──
「んあ……あぁ……ううん……」
「ちょ、エレノアさん?! むぅぅー──」
見た目がエロいからむずむずするなぁ~と思っていたら──抱きつかれたんですけど!?
おっぱいに埋もれて呼吸が出来ないっ!?
そうか──おっぱいに埋もれると呼吸が出来なくなるのか……これは新発見だな!
「もっと……」
何が!? もしかして魔力がまだ足りない!?
僕は両おっぱいを掴んで顔を離す──
「……わかりました……──いきますっ!」
ならば、一気に魔力を回復させましょう!
時間も無いしね?
大先生出番ですッ!
おっぱいを鷲掴みにしてる両手から魔力を放出するとエレノアさんはブルブルと小刻みに震えてきた──
おっぱいがめっちゃ震えてるよ!? 振動で凄い波打ってる!?
大事な事だから言っておくけど、鷲掴みは不可抗力だからね! 埋もれるからっ!
「──ふぁ!? ああぁぁぁぁっん──ふぉぉぉっ──はぁ……はぁ……」
よし、満足そうな表情をしている。
おっぱい初めて触ったッ!
めっちゃ柔らかいッ!
知ってるか? 大きなおっぱいは手が埋もれるんだぜ?
なんという至福ッ!
なんという包容力かッ!
おっぱいに安心させる作用があると言っていた師匠の言葉が今わかったよッ!
「これで大分回復したと思います──すいませんが、魔物の相手をしてくれませんか?」
「……ま、かせて……」
エレノアさんは上目遣いでトロンとした表情をしながらゆらゆらと魔物に向かって行く。
大丈夫なんだろうか?
そんな事を思っていると、エレノアさんの口元が三日月状になった瞬間──
大爆発が起こり、魔物の断末魔が聞こえてきた。
「…………」
空いた口が塞がらない。それは僕だけじゃなく──兵士や冒険者の人達もだ。
何をどうやったらあんな大爆発が起こるんだ!?
とりあえず、あれならしばらく大丈夫そうだな……。
「シャーリーさん!」
無双状態のエレノアさんを一瞥し、シャーリーさんに声をかける。
「何ですか?」
今まで光景を見て、少し期待を込めた表情をしていた。
さて、次はシャーリーさんだ。これだけの大規模な『結界』を張っていたら魔力も枯渇寸前だろう。
「魔力の回復を行いますけど──良いですか?」
「んん? ロイド君は『魔力譲渡』が出来るんですか?」
「そうです──ただ……」
気持ち良くなっちゃうらしいんですっ! とは口が裂けても言えないから言い淀む。
「構いません──今は少しでも魔力が多く必要です。さぁこちらにッ!」
話が早いなっ!? というか、凄いやる気満々なんだけど!?
普通今の見てたら断らない?!
絶対普通じゃないってわかるよね!?
「……いや、なんか僕の『魔力譲渡』ってフィア曰く、他と違うみたいなんですけど?」
「──構いません! むしろ早くして下さいっ!」
……何この期待の眼差し……。
僕の顔が引き攣っているのがわかる。
シャーリーさんはフィアのお母さんだ。本当にやってもいいのか?
「胸を掴む必要があるなら遠慮なく! ロイド君は人より魔力量が多いのでしょう? 早くしなければ手遅れになってしまいます!」
ちょっと待てぃ! そんな服から溢れそうな、エレノアさんと変わらない大きさでこぼれ落ちそうなおっぱいを突き出さないで!
迫力が半端ないです!
しかし──早くしないといけないのも事実だッ!
「…………」
僕はどうしたものかと思考する。
何で『魔力譲渡』は接着面が多くないと効果が少ないんだよ!
黙っていたせいか、痺れを切らしたシャーリーさんが追い討ちをかけてきた。
「胸を掴む必要があるのでしょう?! さぁどうぞっ!」
なんでやねん! さっきのは埋もれないようにする為なの!
そんな両手から柔らかそうなおっぱいを持ち上げて差し出さないで!
そりゃー僕だって健全な男なんだ! もちろん掴みたいさっ!
というか揉みたいよ! 柔らかくて気持ち良かったもん!
待てよ……実はおっぱいを掴まないと魔力を回復出来ない事にしたらいけるんじゃ?
目の前には桃源郷──
僕は手を伸ばす──
「──いきます」
「──ロイド君? そこは胸ではありませんよ?」
「ハグで十分です」
僕は手をお腹辺りに伸ばして後ろに回り込み──ハグする。
「え?」
何故そんな残念そうなんだ!?
僕におっぱいを堂々と皆の前で鷲掴みにする事は出来ない! さっきのは不可抗力だ!
いくらでもヘタレと呼んでくれ!
師匠が解決策で言っていたハプニングを利用するっていうのはさっきのエレノアさんの時のような事なんだろう。そうでもなかったら堂々とおっぱいなんか触れないよ!
しかし、ハグなら大丈夫だと思ったけど──
シャーリーさんもフィアと同じく凄く良い匂いなんだけど!?
遺伝なの!? 聖女って良い匂いの人しかなれないの!?
な・に・よ・りッ!
背の高さ的に脇腹から鳩尾にかけてハグしているんだけど──
大きなお胸様が腕から手にかけて飲み込むように覆いかぶさっているッ!
この世界にブラジャーという概念は無いッ!
つ・ま・りッ!
生おっぱいだッ!
そんな事を想像するだけで僕は股間が痛い。
さっさと終わらそう……。
「いきます──『魔力譲渡』─── 」
「──んっ、あぁぁん──」
艶っぽい声が響き渡る──
ヤバい……シャーリーさんの声は普段と違ってギャップが凄いから心に来る。
近くに人はいないんだけど──師匠が大盾で人のいる方向から見えないようにしてくれている。
師匠から優しさを感じる……。
しかし……耐えるのが辛い……シャーリーさんも魔力量が多いな……エレノアさんは底無しのような気がするけど……。
こういう時は違う事を考えるんだ!
乗り切れッ!
そう──
これは試練だッ!
神様が童貞に与えた試練なんだ……。
本当酷い神様もいたもんだな!
とりあえず羊でも数えよう……。
羊が1匹──
「あん……」
羊が2匹──
「んんっ、良い……」
羊が3匹──
「んあ……も、もう……少し……」
羊が──って何がもう少しなのさ!?
──良しッ! 完全回復だッ!
「終わりましたッ!」
僕は体から離れる。
「まだよッ!」
えぇ、何が!? 魔力回復したはずだよ!?
「お母様っ! 次は私ですから早くどいて下さい! 今は早くこの状況をなんとかしないといけないんです!」
フィアがシャーリーさんに強めの口調で諌めると、しぶしぶ引き下がってくれた。
でも、その後のシャーリーさんは『光線(極太)』で魔物を薙ぎ払い、光魔法を空から放ちまくった。
また僕の顔は引き攣る。
空からの攻撃ってヤバいな……。
とりあえずお礼を言おう。僕は結果的に助かったからね!
「フィア──」
ありがとう──そう言おうとしたら。
「次は私の番ですよ?」
はにかむ笑顔でそう先に言われてしまった。
何でフィアが近くで待機してたのかわかった。順番待ちしてたんだね……。
僕はまだ耐えなければならないらしい……これ一応──
戦闘中なんだけど?
◆
もう少しで……もう少しで逝けたのに……。
実は最後の一つですが、最高級の魔力回復薬を持っていました。
エレノアさんの様子を見るに間違いなく彼の『魔力譲渡』はマッサージの延長線にあるもの。そしてその予想は的中しました。中途半端に終わってしまいましたが……。
戦いが終わったら必ずしてもらいましょう。
しかし、私の魔力を完全回復させるとは……凄い才能です。これでも魔力量は自信があったんですがね……。それに不思議な事に疲労まで一緒に回復するとは……ロイド君の力は底が知れないですね。
さて『結界』は問題なさそうです。
とりあえず今は中途半端に終わった怒りをぶつけましょう──
「──【光線】──」
極太の光線で薙ぎ払いますが、木々も消滅しているので被害が尋常じゃないですね……。
あれでいきましょう──
「──【光星雨】──」
空から『光魔法』で光の矢を絶え間なく撃ち続けます。
これなら地面に穴が空く程度でしょう。
これで少しでも数を減らして──
「ふぁぁぁぁ……あん、あぁぁ、ロ、ロイくぅぅぅっん」
聞こえて来たのは娘であるフィアの声。
何事かと思って振り向くとフィアはロイド君に抱きついて体を擦り付けていました。
我が娘ながらやるわね……。
「シャーリー様……私もロイド君に回復してもらった方が良いでしょうか?」
ユラがそんな事を聞いてきました。
本来なら受けて戦線を維持するのが正解でしょう。
私とフィアの反応を見るに尻込みしているのかもしれません。
しかし──
「ユラ──貴女は夫がいる身。受けてはなりません。代わりにこれを──」
「──!? こ、これは!? まさか──」
「そうです。大賢者様がお作りになられた秘薬です」
「こ、こんな物受け取れません!」
「いいえ、ロイド君の魔力にも限りはあるはずです。今は生き残る為に手段は選んでられません。これを飲んで魔物を殲滅しましょう」
ロイド君を見るに相当疲れている。無理はさせてはいけません。
「はっ!」
それに私は嘘は言っていません。人妻であるユラはあれを体験するべきではないでしょう。
大賢者様の『秘薬』は体力と魔力を回復させてくれますが、ロイド君の『魔力譲渡』も同じ効果がありました。
しかも、ロイド君の方が気持ち良いという付属までついてきます。
この事はユラは知らなくて良い事です。
さて、ライラは大丈夫でしょうか?
まだ大規模な余波が来ているから普通に戦っているとは思うのですが──
応援ありがとうございます!
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