悪役令嬢、闇ギルドの稼ぎ頭になる

砂糖 真湖

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サクと仲直りしてすぐ。私たちはバルトさんとお爺様に会いに行って、闇ギルドに入りたいことを伝えた。

「あー、レイ。もう一回いってくれるか?」

俺もついにボケたか、指を耳に突っ込みながらバルトさんは呟く。

「ボケてないよ、私も闇ギルドに入る!」

「…はぁぁぁぁぁぁ」

おっきいため息をつかれた。

「レイ、闇ギルドは人も殺すし、犯罪も犯す。正義の味方、何て言われているが罪は罪だ。天国なんぞ、行けるわけない位に魂は汚れんぞ。それでもいいのか?」

真剣な顔で言うバルトさん。その横にいるお爺様も複雑な表情で頷く。

「別にレイを仲間外れにするつもりじゃないんじゃぞ?ただ、レイには綺麗なままでいて欲しいんじゃ。今まで大変な思いをしてきたじゃろう?この島ではのびのびと、楽しく暮らして欲しいんじゃ」

ほら、サクも説得するんじゃよ。そう肘で小突かれてたけど、サクはニコニコしたまま何も言わない。

「…だめだよ、こいつ。レイに大好きって言われて浮かれてやがる。」

「そうじゃのぉ、若いって素晴らしいことじゃ」

お爺様のとんちんかんな返事に私は思わず笑ってしまう。

「…レーイー!俺らは真面目にな…」

「分かってる!分かってるけど!それでも、私は助けてくれたこの島の人達と、最後まで一緒にいたい。恩返しとか、そういう綺麗なものじゃないの。ただ、裏切られない絆が欲しい…」

リリーと私の家族が笑いながら出掛けていく姿を思い出す。
執事に、皆は何処に行ったの?って聞くと、劇を見に行かれました。と返事が返って来た。
なんで私は置いていかれたのかしら、そう聞いたら困ったように笑って、きっとお土産がありますよ。と言われた。


お土産は、 買ってきてくれなかった。

とても面白かったわ。とお母様は笑顔で言った。

今度はあなたも一緒に行きましょうね。その一言さえあれば、私は救われたのに。


ドレス、宝石、本。
物なんかでしか確かめられない薄っぺらい家族の絆に、何回も傷つけられて。

今、私はここにいる。

「私自身がしたいと思ったの。お願いします。闇ギルドの一員にしてください」

頭を下げる。
沈黙が重く、体に突き刺さる気がした。

「…はぁ、厳しい訓練がまってるぞ。」

バルトさんの一言に私は思わず頭を上げる。
腕を組んで、厳しい顔をしているけど、その瞳はなんだか優しい気がした。


「…はいっ!」

「ようこそ、闇ギルドへ。歓迎するよ、レイ」
サクが笑って頭を撫でてくれた。


___________________

お気に入りや、コメントありがとうございます!ニマニマしながら眺めております(*゜Q゜*)
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