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二年目 見習い期間 ~調薬工房~
力になりたい
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「リエラ先輩は、随分と無茶を言う……。」
翌日の三時のお茶の時間。
スフェーンさんが席を外している間に、昨日、調薬工房であった事をコンカッセちゃんに相談してみたら、彼女は大きなため息を吐きながらそう言った。
「えええ……?」
「アッシェからも聞いてるけど、エリザちゃんのアレは多分、リエラ先輩にはどうにもできない事。」
「まだ、考えておいた対策について、何も話してないのに?」
即答でのそんな言葉も、何か対策について話した後だったら分かるんだけど、それを聞きもせずに断言されちゃうのはなんだか納得いかない。
思わず眉間にしわを寄せるリエラに、コンカッセちゃんはいつも以上のジト目を向け、ビシッとこちらを指差しながら口を開く。
「対策……。例えば、エリザちゃんの想定外のタイミングで、調薬工房に誰かを訪ねさせる、とか?」
「う。」
その方法も考えた。
考えたんだけど、コンカッセちゃんが馬鹿にしたように鼻を鳴らしているところを見る限り、彼女はその方法には反対らしい。
「――今、少し様子を見てきたんだけど、あの感じだと、その方法じゃ変な失敗癖がついちゃうかもしれないね。」
「ん。私もスフェーン師に同意。」
いつの間にか戻ってきていたスフェーンさんが、扉に背を向けて座っていたリエラの後ろから机の上に置かれていた自分のお茶を手に取り、中身をすすりながらコンカッセちゃんの隣に腰を下ろす。
わざわざ遠回りして彼女の隣に座ったのは、自分がどちらの意見寄りかを示す為のように見える。
――う。
その可能性もあるのか……。
変な失敗癖が付く可能性を示唆されると、確かに突発事項に慣れさせればいいんじゃないかと言うのは、ちょっと短絡的すぎるかも。
でも、そうなるとどうしたらいいのかな?
「リエラちゃんがエリザちゃんを心配なのも理解できる。同じ孤児院の出身だものね。でも、アスタール師が暫くは様子を見ると決めた訳だから、短気を起こして余計な手出しはしない方がいいんじゃないかしら?」
「……はい。」
こんな言い方は、ちょっとズルいと思う。
こんなに優しい口調で諭すように言わちゃったら、なんだか反論しづらいよね?
結局、その場では納得したつもりになって引き下がったものの、やっぱり夜になって部屋に戻った後もエリザの事が気になって、グレッグおじさんに卸す為の高速治療薬づくりも捗らない。
とは言え、スフェーンさんの言う通り、変に手を出して事態が悪化しちゃうのも困ってしまう。
「~~~なんか、いい方法、ないかな……。」
思い浮かぶのは、赤薬草をひっくり返した時のエリザの表情。
あの場ではそこに思い至らなかったんだけど、リエラがこの工房に紹介したからとかそんな事よりも、むしろ、あの時は彼女の心の心配をするべきだったんだ。
まるで、この世の終わりを迎えたかのようなあんな顔を、彼女がしないで済むようにしてあげたい。
エリザは、リエラにとって大事な妹の一人だ。
妹には、あんな悲しい表情なんかじゃなく、もっと幸せな表情でいてほしい。
その為に、リエラは彼女に何をしてあげればいいんだろう?
悩みに悩んでいると、不意にアスラーダさんの顔が思い浮かぶ。
――みんなの(?)頼れるお父さんだし、アスラーダさんならこういう時にも頼りになるかも。
あれで、結構、面倒見がいい人だし、きっと力になってくれるはずだ。
そう思い立ったら、なんだか居ても立っても居られない気持ちになってきた。
いそいそと作業机の上に広げていた道具や素材を片付けて、時計草で時間を確認。
――うん。
夜だけど、まだ八時前。
非常識だって怒られちゃうような時間じゃないね。
幸いな事に、調薬する予定だったお陰でまだ、寝間着に着替える前だったから服装にも問題ないよね。
一応、汚れがついてないかを鏡の前で軽く確認してみる。
あんまりにも汚れてるようだったら着替えておいた方がいいだろうと思って確認はしてみたけど、問題なさそう。
髪の毛も――まぁ、大丈夫かな?
身だしなみチェックも無事終了した事だし、早速、アスラーダさんに相談しに行くことにしよう。
うん。
決して、こんな夜遅くに、不意にアスラーダさんの顔を見に行きたくなったとかそう言う訳じゃないよ。
エリザの事を相談する為。
相談する為なんだってば。
やましい事なんて何にもない。
――なんて、自分になんだか言い訳をしながら、リエラは自分の部屋を後にした。
ああ、もう!
言い訳なんてしなくていいのに。
エリザの事で相談に乗ってもらいたいのも、本当の事なんだから。
翌日の三時のお茶の時間。
スフェーンさんが席を外している間に、昨日、調薬工房であった事をコンカッセちゃんに相談してみたら、彼女は大きなため息を吐きながらそう言った。
「えええ……?」
「アッシェからも聞いてるけど、エリザちゃんのアレは多分、リエラ先輩にはどうにもできない事。」
「まだ、考えておいた対策について、何も話してないのに?」
即答でのそんな言葉も、何か対策について話した後だったら分かるんだけど、それを聞きもせずに断言されちゃうのはなんだか納得いかない。
思わず眉間にしわを寄せるリエラに、コンカッセちゃんはいつも以上のジト目を向け、ビシッとこちらを指差しながら口を開く。
「対策……。例えば、エリザちゃんの想定外のタイミングで、調薬工房に誰かを訪ねさせる、とか?」
「う。」
その方法も考えた。
考えたんだけど、コンカッセちゃんが馬鹿にしたように鼻を鳴らしているところを見る限り、彼女はその方法には反対らしい。
「――今、少し様子を見てきたんだけど、あの感じだと、その方法じゃ変な失敗癖がついちゃうかもしれないね。」
「ん。私もスフェーン師に同意。」
いつの間にか戻ってきていたスフェーンさんが、扉に背を向けて座っていたリエラの後ろから机の上に置かれていた自分のお茶を手に取り、中身をすすりながらコンカッセちゃんの隣に腰を下ろす。
わざわざ遠回りして彼女の隣に座ったのは、自分がどちらの意見寄りかを示す為のように見える。
――う。
その可能性もあるのか……。
変な失敗癖が付く可能性を示唆されると、確かに突発事項に慣れさせればいいんじゃないかと言うのは、ちょっと短絡的すぎるかも。
でも、そうなるとどうしたらいいのかな?
「リエラちゃんがエリザちゃんを心配なのも理解できる。同じ孤児院の出身だものね。でも、アスタール師が暫くは様子を見ると決めた訳だから、短気を起こして余計な手出しはしない方がいいんじゃないかしら?」
「……はい。」
こんな言い方は、ちょっとズルいと思う。
こんなに優しい口調で諭すように言わちゃったら、なんだか反論しづらいよね?
結局、その場では納得したつもりになって引き下がったものの、やっぱり夜になって部屋に戻った後もエリザの事が気になって、グレッグおじさんに卸す為の高速治療薬づくりも捗らない。
とは言え、スフェーンさんの言う通り、変に手を出して事態が悪化しちゃうのも困ってしまう。
「~~~なんか、いい方法、ないかな……。」
思い浮かぶのは、赤薬草をひっくり返した時のエリザの表情。
あの場ではそこに思い至らなかったんだけど、リエラがこの工房に紹介したからとかそんな事よりも、むしろ、あの時は彼女の心の心配をするべきだったんだ。
まるで、この世の終わりを迎えたかのようなあんな顔を、彼女がしないで済むようにしてあげたい。
エリザは、リエラにとって大事な妹の一人だ。
妹には、あんな悲しい表情なんかじゃなく、もっと幸せな表情でいてほしい。
その為に、リエラは彼女に何をしてあげればいいんだろう?
悩みに悩んでいると、不意にアスラーダさんの顔が思い浮かぶ。
――みんなの(?)頼れるお父さんだし、アスラーダさんならこういう時にも頼りになるかも。
あれで、結構、面倒見がいい人だし、きっと力になってくれるはずだ。
そう思い立ったら、なんだか居ても立っても居られない気持ちになってきた。
いそいそと作業机の上に広げていた道具や素材を片付けて、時計草で時間を確認。
――うん。
夜だけど、まだ八時前。
非常識だって怒られちゃうような時間じゃないね。
幸いな事に、調薬する予定だったお陰でまだ、寝間着に着替える前だったから服装にも問題ないよね。
一応、汚れがついてないかを鏡の前で軽く確認してみる。
あんまりにも汚れてるようだったら着替えておいた方がいいだろうと思って確認はしてみたけど、問題なさそう。
髪の毛も――まぁ、大丈夫かな?
身だしなみチェックも無事終了した事だし、早速、アスラーダさんに相談しに行くことにしよう。
うん。
決して、こんな夜遅くに、不意にアスラーダさんの顔を見に行きたくなったとかそう言う訳じゃないよ。
エリザの事を相談する為。
相談する為なんだってば。
やましい事なんて何にもない。
――なんて、自分になんだか言い訳をしながら、リエラは自分の部屋を後にした。
ああ、もう!
言い訳なんてしなくていいのに。
エリザの事で相談に乗ってもらいたいのも、本当の事なんだから。
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