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翌朝。
『定食屋 悪役令嬢』の開店二日目。
私は、庭に転がっている死屍累々(熟睡する騎士たち)を見下ろして、仁王立ちしていた。
「起きなさい! 朝ですよ!」
カンカンカン!
フライパンとお玉を打ち鳴らす。
その音は、騎士たちにとって「起床ラッパ」というより「地獄の釜の蓋が開く音」に聞こえたらしい。
「ヒィッ! 敵襲!?」
「い、いや、店主殿だ……殺される……!」
騎士たちが飛び起き、直立不動の姿勢をとる。
「おはようございます、皆様。昨夜はよく眠れましたか?」
私は極上の笑顔(のつもり)で挨拶した。
しかし、寝起きの低血圧で目がいつも以上に座っており、しかも逆光を浴びていたため、彼らには「影を背負った魔王」に見えたようだ。
「ハッ! 快適でありました! 野宿には慣れております!」
アラン副団長が、顔面蒼白で敬礼する。
「それはよかった。では、朝食にしましょうか」
「あ、ありがとうございます! 昨日の肉が忘れられず……」
「その前に」
私はスッと右手を上げた。
騎士たちがビクッと身をすくめる。
「働かざる者食うべからず。我が家の家訓です」
「は……?」
「昨日の食事代、まだ頂いてませんよね? それに、今日も食べるおつもりなら、労働で返していただきます」
私は指をパチンと鳴らした。
「業務命令です。総員、開店準備に取り掛かりなさい!」
「イ、イエスマム!!」
騎士たちの悲鳴に近い返事が、森に響き渡った。
◇
こうして、王国の精鋭であるはずの騎士団が、辺境の定食屋の従業員に早変わりした。
彼らのスペックは無駄に高かった。
「薪割り班、作業完了! 一刀両断にしてやりました!」
「水汲み班、完了! 筋トレついでに井戸を掘り広げておきました!」
「狩猟班、帰還! オーク三匹、仕留めました! 今日のランチはオーク肉のソテーであります!」
仕事が早い。
そして何より、力が有り余っている。
「素晴らしいわ。これなら人件費ゼロで回せそうね」
私は厨房でオーク肉の下処理をしながら、満足げに頷いた。
「ミール、あいつらをあまり甘やかすなよ」
ジークが、私の隣で大量のキャベツを千切りにしながら言った。
彼もまた、騎士団長の威厳をかなぐり捨て、完全に「厨房のオヤジ」と化している。
「甘やかしてませんよ。むしろ酷使してます」
「いや、あいつら……楽しそうだぞ」
ジークが顎で庭を指す。
見ると、騎士たちが「うおおお! もっと木を運べ! 腹を減らして最高の昼飯を食うんだ!」と叫びながら、満面の笑みで重労働に励んでいた。
「……単純な子たちで助かります」
「餌付けが完了しているな」
そんな時だった。
「た、頼もーッ!!」
入り口の方から、野太い声がした。
騎士たちが動きを止める。
「客か?」
「いや、あの装備は……冒険者だな」
現れたのは、四人組の男たちだった。
革鎧に剣や杖を持った、いかにも「駆け出し冒険者」といった風情のパーティーだ。
彼らは、店の入り口(元・廃屋の玄関)で固まっていた。
「おい、ここだよな? 森の中から美味そうな匂いがするって噂の場所……」
「で、でも見ろよあの看板。『悪役令嬢』だぞ? 罠じゃねぇか?」
「それに、あの店員(騎士)たち……目が血走っててヤベェぞ」
冒険者たちが怯んでいる。
無理もない。
ボロボロの鎧を着た大男たちが、斧や鉈を持ってニタニタ笑っているのだ。山賊のアジトにしか見えない。
「いらっしゃいませ!」
私は厨房から声を張り上げた。
「お客様、第一号ですよ! 逃がしてなるものですか!」
「言い方が怖いぞ、ミール」
ジークにツッコまれたが、私は包丁を持ったまま玄関へと向かった。
「お待ちしておりました。どうぞ中へ」
私は冒険者たちの前に立った。
逆光。
包丁。
そして、いつもの「よく見えないので凝視する目つき」。
冒険者たちの顔が引きつる。
「ひっ……! で、出た! ラスボスだ!」
「『悪役令嬢』って、物理的に悪役ヅラじゃねぇか!」
「おい、帰ろうぜ! ここはヤバイ!」
冒険者たちが踵を返そうとする。
(えっ? 帰るの? なんで?)
私は焦った。
せっかくの第一号だ。みすみす逃すわけにはいかない。
「ちょっと待ってください!」
私は彼らを呼び止めようと、手を伸ばした。
しかし、距離感が掴めず、一番後ろにいた魔法使いの少年のローブを鷲掴みにしてしまった。
「ぎゃあぁぁ! 捕まったぁぁ!」
「あ、ごめんなさい! 離しませんよ!」(意訳:行ってしまわないでください、のつもり)
「ひぃぃぃ! 食われるぅぅぅ!」
「食いませんよ! 食わせるんです!」
「同じだぁぁぁ!」
大パニックである。
「アラン! お客様をご案内して!」
私は部下(騎士)に指示を出した。
「ハッ! 了解!」
アラン副団長が、猛然とダッシュしてくる。
そして、逃げようとする冒険者たちの前に立ちはだかり、抜身の剣(薪割り用)を地面に突き刺した。
ドスッ!!
「お客様ァァァ!! 席は空いております!! どうぞこちらへェェェ!!」
アランは大音量で叫んだ。
これは彼なりの「最上級の接客(軍隊式)」だったのだが、効果は逆だった。
「脅迫だ! 座らないと殺される!」
「座ります! 座らせていただきます!」
冒険者たちは涙目でテーブル席(切り株)に着席した。
直立不動で震えている。
「……なんか、思ってたのと違うわね」
私は首を傾げた。
「もっとこう、アットホームな雰囲気にしたいんだけど」
「無理だろ、このメンツじゃ」
ジークが呆れ顔で水を運んでいく。
「ほら、水だ。落ち着け」
「あ、ありがとうございます……あ、あれ? あんた、どこかで……?」
冒険者の一人が、ジークの顔を見てハッとした。
「まさか、王国最強の騎士団長、ジークフリート様!?」
「人違いだ。俺はただのウェイターだ」
「いやいや! その銀髪、その傷跡! 間違いねぇ! なんでこんな所に!?」
「借金のかたに売られたんだ」
「えええええ!?」
冒険者たちが私を見る目が、さらに恐怖に染まった。
『王国最強の男を、借金漬けにして奴隷にする女……』
『真の闇のフィクサー……』
ヒソヒソ声が聞こえる。
(……まあいいわ。料理を食べれば誤解も解けるはず)
私は厨房に戻り、フライパンを振るった。
今日のメニューは『オーク肉のスタミナガーリックソテー・山盛り』だ。
ジュウウウウ!
ニンニクと脂の弾ける香りが、恐怖で凍りついた空気を溶かしていく。
「……い、いい匂いだ」
「ヤベェ、腹が鳴る……」
冒険者たちの生存本能(食欲)が刺激される。
「はい、お待ちどうさま!」
ドンッ!
山盛りの肉料理が運ばれる。
「食え。残したら店主(ミール)が悲しむ。……悲しむと、何をするかわからんぞ」
ジークが脅し文句(アドバイス)を添える。
冒険者たちは覚悟を決めて、フォークを突き刺した。
そして。
「…………美味いッ!!」
「なんだこれ!? オーク肉ってこんなに柔らかくなるのか!?」
「味が濃い! 脂が甘い! 最高だ!」
一瞬で恐怖が吹き飛んだ。
彼らは夢中で肉を貪る。
「お代わり! 金ならあるんだ! いくらでも払う!」
「まいどあり!」
私はニヤリと笑った。
(勝ったわ。胃袋さえ掴めば、こっちのものよ)
騎士たちも、客が美味そうに食べるのを見て、なぜか誇らしげに胸を張っている。
「そうだろそうだろ! 俺たちの店主殿の料理は世界一だ!」
「食ったら働けよ! あ、いや、金払えばいいのか」
店内は奇妙な活気に包まれた。
恐怖と食欲が同居する、カオスな空間。
冒険者たちは完食後、膨れた腹をさすりながら言った。
「いやぁ、死ぬかと思ったけど、来てよかった」
「また来ます! 次は仲間も連れてきます!」
「ええ、ぜひ。歓迎しますよ(物理的に)」
私は出口まで見送った。
彼らは何度も振り返り、手を振って去っていった。
「……どうやら、成功みたいだな」
ジークが私の隣に立つ。
「ええ。これで噂が広まれば、もっと繁盛しますよ」
「だが、変な噂にならなきゃいいが……」
ジークの懸念は的中する。
数日後、最寄りの街のギルドでは、こんな噂が持ちきりになっていた。
『北の森に、凶悪な魔女が支配する館がある』
『そこには、洗脳された元騎士団長と狂戦士たちが待ち構えている』
『だが、そこで出される料理は、魂が震えるほど美味い』
『通称、命がけのレストラン』
結果として、怖いもの知らずの冒険者や、味を求めて死地に向かう美食家たちが殺到することになるのだが、それはまた別の話だ。
「さあ、今日は稼ぎましたね! 明日はもっと効率よく働かせますよ!」
「お手柔らかに頼むよ、店主殿」
ジークが苦笑いする。
夕焼けの中、私は売上金(銀貨数枚)を数えながら、確かな手応えを感じていた。
私のスローライフ改め、定食屋経営ライフは順調だ。
……ただ一つ、ジークとの距離感が、妙に近いこと以外は。
(あれ? ジークさん、なんで私の眼鏡を探してくれてるのかしら? というか、顔が近すぎて呼吸音が聞こえるんですけど)
『定食屋 悪役令嬢』の開店二日目。
私は、庭に転がっている死屍累々(熟睡する騎士たち)を見下ろして、仁王立ちしていた。
「起きなさい! 朝ですよ!」
カンカンカン!
フライパンとお玉を打ち鳴らす。
その音は、騎士たちにとって「起床ラッパ」というより「地獄の釜の蓋が開く音」に聞こえたらしい。
「ヒィッ! 敵襲!?」
「い、いや、店主殿だ……殺される……!」
騎士たちが飛び起き、直立不動の姿勢をとる。
「おはようございます、皆様。昨夜はよく眠れましたか?」
私は極上の笑顔(のつもり)で挨拶した。
しかし、寝起きの低血圧で目がいつも以上に座っており、しかも逆光を浴びていたため、彼らには「影を背負った魔王」に見えたようだ。
「ハッ! 快適でありました! 野宿には慣れております!」
アラン副団長が、顔面蒼白で敬礼する。
「それはよかった。では、朝食にしましょうか」
「あ、ありがとうございます! 昨日の肉が忘れられず……」
「その前に」
私はスッと右手を上げた。
騎士たちがビクッと身をすくめる。
「働かざる者食うべからず。我が家の家訓です」
「は……?」
「昨日の食事代、まだ頂いてませんよね? それに、今日も食べるおつもりなら、労働で返していただきます」
私は指をパチンと鳴らした。
「業務命令です。総員、開店準備に取り掛かりなさい!」
「イ、イエスマム!!」
騎士たちの悲鳴に近い返事が、森に響き渡った。
◇
こうして、王国の精鋭であるはずの騎士団が、辺境の定食屋の従業員に早変わりした。
彼らのスペックは無駄に高かった。
「薪割り班、作業完了! 一刀両断にしてやりました!」
「水汲み班、完了! 筋トレついでに井戸を掘り広げておきました!」
「狩猟班、帰還! オーク三匹、仕留めました! 今日のランチはオーク肉のソテーであります!」
仕事が早い。
そして何より、力が有り余っている。
「素晴らしいわ。これなら人件費ゼロで回せそうね」
私は厨房でオーク肉の下処理をしながら、満足げに頷いた。
「ミール、あいつらをあまり甘やかすなよ」
ジークが、私の隣で大量のキャベツを千切りにしながら言った。
彼もまた、騎士団長の威厳をかなぐり捨て、完全に「厨房のオヤジ」と化している。
「甘やかしてませんよ。むしろ酷使してます」
「いや、あいつら……楽しそうだぞ」
ジークが顎で庭を指す。
見ると、騎士たちが「うおおお! もっと木を運べ! 腹を減らして最高の昼飯を食うんだ!」と叫びながら、満面の笑みで重労働に励んでいた。
「……単純な子たちで助かります」
「餌付けが完了しているな」
そんな時だった。
「た、頼もーッ!!」
入り口の方から、野太い声がした。
騎士たちが動きを止める。
「客か?」
「いや、あの装備は……冒険者だな」
現れたのは、四人組の男たちだった。
革鎧に剣や杖を持った、いかにも「駆け出し冒険者」といった風情のパーティーだ。
彼らは、店の入り口(元・廃屋の玄関)で固まっていた。
「おい、ここだよな? 森の中から美味そうな匂いがするって噂の場所……」
「で、でも見ろよあの看板。『悪役令嬢』だぞ? 罠じゃねぇか?」
「それに、あの店員(騎士)たち……目が血走っててヤベェぞ」
冒険者たちが怯んでいる。
無理もない。
ボロボロの鎧を着た大男たちが、斧や鉈を持ってニタニタ笑っているのだ。山賊のアジトにしか見えない。
「いらっしゃいませ!」
私は厨房から声を張り上げた。
「お客様、第一号ですよ! 逃がしてなるものですか!」
「言い方が怖いぞ、ミール」
ジークにツッコまれたが、私は包丁を持ったまま玄関へと向かった。
「お待ちしておりました。どうぞ中へ」
私は冒険者たちの前に立った。
逆光。
包丁。
そして、いつもの「よく見えないので凝視する目つき」。
冒険者たちの顔が引きつる。
「ひっ……! で、出た! ラスボスだ!」
「『悪役令嬢』って、物理的に悪役ヅラじゃねぇか!」
「おい、帰ろうぜ! ここはヤバイ!」
冒険者たちが踵を返そうとする。
(えっ? 帰るの? なんで?)
私は焦った。
せっかくの第一号だ。みすみす逃すわけにはいかない。
「ちょっと待ってください!」
私は彼らを呼び止めようと、手を伸ばした。
しかし、距離感が掴めず、一番後ろにいた魔法使いの少年のローブを鷲掴みにしてしまった。
「ぎゃあぁぁ! 捕まったぁぁ!」
「あ、ごめんなさい! 離しませんよ!」(意訳:行ってしまわないでください、のつもり)
「ひぃぃぃ! 食われるぅぅぅ!」
「食いませんよ! 食わせるんです!」
「同じだぁぁぁ!」
大パニックである。
「アラン! お客様をご案内して!」
私は部下(騎士)に指示を出した。
「ハッ! 了解!」
アラン副団長が、猛然とダッシュしてくる。
そして、逃げようとする冒険者たちの前に立ちはだかり、抜身の剣(薪割り用)を地面に突き刺した。
ドスッ!!
「お客様ァァァ!! 席は空いております!! どうぞこちらへェェェ!!」
アランは大音量で叫んだ。
これは彼なりの「最上級の接客(軍隊式)」だったのだが、効果は逆だった。
「脅迫だ! 座らないと殺される!」
「座ります! 座らせていただきます!」
冒険者たちは涙目でテーブル席(切り株)に着席した。
直立不動で震えている。
「……なんか、思ってたのと違うわね」
私は首を傾げた。
「もっとこう、アットホームな雰囲気にしたいんだけど」
「無理だろ、このメンツじゃ」
ジークが呆れ顔で水を運んでいく。
「ほら、水だ。落ち着け」
「あ、ありがとうございます……あ、あれ? あんた、どこかで……?」
冒険者の一人が、ジークの顔を見てハッとした。
「まさか、王国最強の騎士団長、ジークフリート様!?」
「人違いだ。俺はただのウェイターだ」
「いやいや! その銀髪、その傷跡! 間違いねぇ! なんでこんな所に!?」
「借金のかたに売られたんだ」
「えええええ!?」
冒険者たちが私を見る目が、さらに恐怖に染まった。
『王国最強の男を、借金漬けにして奴隷にする女……』
『真の闇のフィクサー……』
ヒソヒソ声が聞こえる。
(……まあいいわ。料理を食べれば誤解も解けるはず)
私は厨房に戻り、フライパンを振るった。
今日のメニューは『オーク肉のスタミナガーリックソテー・山盛り』だ。
ジュウウウウ!
ニンニクと脂の弾ける香りが、恐怖で凍りついた空気を溶かしていく。
「……い、いい匂いだ」
「ヤベェ、腹が鳴る……」
冒険者たちの生存本能(食欲)が刺激される。
「はい、お待ちどうさま!」
ドンッ!
山盛りの肉料理が運ばれる。
「食え。残したら店主(ミール)が悲しむ。……悲しむと、何をするかわからんぞ」
ジークが脅し文句(アドバイス)を添える。
冒険者たちは覚悟を決めて、フォークを突き刺した。
そして。
「…………美味いッ!!」
「なんだこれ!? オーク肉ってこんなに柔らかくなるのか!?」
「味が濃い! 脂が甘い! 最高だ!」
一瞬で恐怖が吹き飛んだ。
彼らは夢中で肉を貪る。
「お代わり! 金ならあるんだ! いくらでも払う!」
「まいどあり!」
私はニヤリと笑った。
(勝ったわ。胃袋さえ掴めば、こっちのものよ)
騎士たちも、客が美味そうに食べるのを見て、なぜか誇らしげに胸を張っている。
「そうだろそうだろ! 俺たちの店主殿の料理は世界一だ!」
「食ったら働けよ! あ、いや、金払えばいいのか」
店内は奇妙な活気に包まれた。
恐怖と食欲が同居する、カオスな空間。
冒険者たちは完食後、膨れた腹をさすりながら言った。
「いやぁ、死ぬかと思ったけど、来てよかった」
「また来ます! 次は仲間も連れてきます!」
「ええ、ぜひ。歓迎しますよ(物理的に)」
私は出口まで見送った。
彼らは何度も振り返り、手を振って去っていった。
「……どうやら、成功みたいだな」
ジークが私の隣に立つ。
「ええ。これで噂が広まれば、もっと繁盛しますよ」
「だが、変な噂にならなきゃいいが……」
ジークの懸念は的中する。
数日後、最寄りの街のギルドでは、こんな噂が持ちきりになっていた。
『北の森に、凶悪な魔女が支配する館がある』
『そこには、洗脳された元騎士団長と狂戦士たちが待ち構えている』
『だが、そこで出される料理は、魂が震えるほど美味い』
『通称、命がけのレストラン』
結果として、怖いもの知らずの冒険者や、味を求めて死地に向かう美食家たちが殺到することになるのだが、それはまた別の話だ。
「さあ、今日は稼ぎましたね! 明日はもっと効率よく働かせますよ!」
「お手柔らかに頼むよ、店主殿」
ジークが苦笑いする。
夕焼けの中、私は売上金(銀貨数枚)を数えながら、確かな手応えを感じていた。
私のスローライフ改め、定食屋経営ライフは順調だ。
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