女装少年は占いがお好き
一年生の神崎如月は、いじめられっ子で自己肯定感が低く、目立つことのない脇役のように過ごす人生に悩んでいた。占い師がいるらしいと聞きつけた如月は、藁にもすがる思いで相談に赴く。
占い研究部。そこは秘密裏に生徒の悩みを解決するという。占い師はもちろん女子生徒――ではなく、〝女装した〟男子生徒で!? それは相談者の過半数を占める女子生徒を安心させるためのものだった。
如月は、占い師・藤野サツキの女装をたやすく見抜く。君には鋭い観察眼がある――サツキによって才能を見初められる如月。「きみならできる!」と承認された如月は、占い研究部への入部を決意するのであった。
しかし、女装をしながら極秘裏に活動する占い研究部の活動に不審の目を向ける者もいた。サッカー部エース・神崎弥生は、如月の従兄弟だ。如月に過保護な彼は、怪しい占い研究部部を辞めさせようとする。しかし、生き生きと占いをする如月の姿を見せつけられ、断念する。
そんなある日、本物の占い師が転校してきた。夏木みのる――彼はサツキの過去を勝手に占い、告げる。「あの人、昔いじめをしていたよ」と――。
過去のトラウマから如月は、サツキに不信感を抱いてしまう。如月は占い研究部と距離を置くことになるのであった……。
後日、如月はサツキが関わった事件の真相を知る。サツキが直接いじめをしていたわけではない――彼はいじめのきっかけを占いによって生み出してしまった。その罪の意識に悩んでいたのだ。
それを知った上でもなお、占い研究部に戻ることに迷う如月は、一計を講じる。
自分に占いの才能はあるのか、ここにいてもいいのか――それを再度、占ってもらうことにしたのだ。サツキの答えは――君自身が試してみろ、というもの。如月は、サツキの代わりに女装して、見事に相談者の悩みを解決する――こうして如月は、誰かに必要とされる存在になった。自他共に認められる存在に。
――僕もなれたのかな、物語の主人公に。
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