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165 三河のレメシス城に到着
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貸し切りの宿で一泊し、城へ出発する前に三河の美しい街並みをよく見てもらう。
社会科見学ツアーと言っても、俺の目的は三河の凄さをエルフ達の目に焼きつけることであり、それによる土魔法の質の上昇を期待しているからだ。
エルフだけじゃなく自分にも参考になると思い、風景写真を撮りまくる。
この写真は、尾張を育てるのに間違いなく役に立ってくれるハズだ。
そして城へ向かう為に全員をバスに乗せた。
************************************************************
『三河の首都レメシスが見えて来ましたよ!到着まであと少しです』
街の中に入ると、エルフ達から歓声が聞こえて来た。
「「おおおおお~~~~!」」
「これが三河の首都なのね!なんて美しいのかしら!!」
「はぁ~・・・、悲しいけど尾張とは雲泥の差ですね」
「小烏丸さんが三河を見せたかった気持ちが、とても良くわかりました!」
「この街並みを参考にして、尾張を造り変えたいということよね?」
その通り。
この完成された街の姿を自分の目で見なければ、俺が希望する理想の姿がまるで想像つかないだろうから。
この三河観光ツアーを終えて、ようやく本当の国造りを始めることが出来るんだ。
ちなみに首都レメシスの道路は無茶苦茶混雑していて、清光さんの城まで行くのがすごく大変だった。
・・・・・
『レメシス城に到着しました。皆さんバスから降りて下さい』
皆が下車している間に、門番に清光さんを呼びに行ってもらった。
「おおおおーーー!すげえバスじゃねえか!!」
「清光さんお久しぶりです。どうですか?この大型バス」
「こんなのよく作ったな・・・。中を見せてもらっていいか?」
「もちろんです」
ボタンを押して入口のドアを開けた。
「中もすげーじゃねえか!!座席いくつあるんだよこれ!?」
「80席ですね。それと運転席の横に、バスガイドの席も畳んでありますよ」
「ここまで完璧なバスを作ってるとは、マジで驚いたな!」
清光さんが最後尾まで歩いて戻って来た。
「ん?」
そして、もう一度バスの中を見渡して固まった。
「おい、これっ!よく見たら全てガラスじゃねえか!!日本にいた時の記憶通りすぎて、完全に見過ごす所だったわ!」
「ハハハッ!日本では当たり前の光景が、この世界では異質なんですよね~」
「しかしこんなに大量のガラス・・・、ガチャじゃないな?」
「わかりましたか?完全に俺の手作りです」
「やはりそうか!ガラスまで作り上げたとは天晴だ!」
「ただですね、一つだけ知識の不足で作れなかったモノがあるのですよ」
「ほう?」
運転席を指差す。
「スピードメーターです」
「ああ!確かに俺も最初作るのに苦労したわ。調整がシビアでな」
「清光さんが完璧なのを作り上げていたのを思い出しまして、バスに一つ作って欲しいと思ったのですが、制作を頼んでも良いですか?」
「ふむ。まあそれくらいなら構わんぞ。例の如く取引きにしたいとは思うが、ガラスの製法を教えろなんて無茶なことは言わんので、三河にもガラスを売ってくれ」
やはり清光さんも早速ガラスに目を付けたか。
スピードメーターを使って、即座にガラス売買の方向に話を持っていったのは流石だな。
「トロンゾンでレベッカさんにも同じことを言われましたよ。ただガラスは本当に出来たばかりで、尾張にもまったく出回ってません。なので売るのは量産体制が整ってからということになりますが、それで良いですか?」
「それで構わん。しかしレベッカに先を越されたか!出来る女になったもんだ」
「俺もその眼力に驚きましたよ。ガラスを見た瞬間に交渉を持ち掛けられましたから。バスじゃなくてガラスを欲しがるとは思いませんでした」
「街を一つ任せたのは正解だったようだな」
そんな会話をしながらバスを降りた。
「しかし、赤い流星とはいえ、バスまで真っ赤じゃ消防車みたいだな」
「いや、したくて赤にしたわけじゃないですよ。赤の塗料しか持ってないのです」
「ああ、そういうことか。塗料なら売ってやってもいいぞ」
「本当ですか!?」
「その代わり、掃除機を作ってもらってもいいか?」
「掃除機ですか!そういえばまだ作ってなかったですね。なるほど、吸い込む機能か・・・、扇風機方式で行けそうな気はしますね」
清光さんがマジックバッグから、箱をいっぱい取り出した。
「これ全部塗料だ。箱に付いている色が中に入っている塗料の色な」
「え?こんなに良いんですか?」
「構わん。アリアで普通に売ってるモンだからな」
「なるほど!そっちの世界の方が文明が発達してるのですね。ありがとうございます!掃除機は尾張に帰ったら作ってみます」
「んじゃスピードメーター取り付けるから、エルフ達と適当に遊んでてくれ。1時間もありゃ十分だ」
「お願いします!」
スピードメーターの方は完全に清光さんにお任せして、俺はエルフ達に三河の感想を聞きに行くことにした。
「どうだ?三河を見てどう思った?」
「素晴らしい国です。こんなに美しい国があるなんて想像もしませんでした」
「小烏丸さんが道に拘ってた理由が、とても良くわかりました!」
「建築技術も凄いですよ。こう言っちゃなんだけど、尾張とは格段に差があると思いました」
「もう、今すぐにでも尾張を美しい街に造り直したいよね~」
「ボクも驚くことばかりなのです!もう帰ったらやりたいことだらけです!」
っしゃー!これだよこれ!!エルフ達に三河を見せた甲斐があったってもんだ。
帰ったらすぐにでも道路作りに入ってもらうぜ。フハハハハハ!
社会科見学ツアーと言っても、俺の目的は三河の凄さをエルフ達の目に焼きつけることであり、それによる土魔法の質の上昇を期待しているからだ。
エルフだけじゃなく自分にも参考になると思い、風景写真を撮りまくる。
この写真は、尾張を育てるのに間違いなく役に立ってくれるハズだ。
そして城へ向かう為に全員をバスに乗せた。
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『三河の首都レメシスが見えて来ましたよ!到着まであと少しです』
街の中に入ると、エルフ達から歓声が聞こえて来た。
「「おおおおお~~~~!」」
「これが三河の首都なのね!なんて美しいのかしら!!」
「はぁ~・・・、悲しいけど尾張とは雲泥の差ですね」
「小烏丸さんが三河を見せたかった気持ちが、とても良くわかりました!」
「この街並みを参考にして、尾張を造り変えたいということよね?」
その通り。
この完成された街の姿を自分の目で見なければ、俺が希望する理想の姿がまるで想像つかないだろうから。
この三河観光ツアーを終えて、ようやく本当の国造りを始めることが出来るんだ。
ちなみに首都レメシスの道路は無茶苦茶混雑していて、清光さんの城まで行くのがすごく大変だった。
・・・・・
『レメシス城に到着しました。皆さんバスから降りて下さい』
皆が下車している間に、門番に清光さんを呼びに行ってもらった。
「おおおおーーー!すげえバスじゃねえか!!」
「清光さんお久しぶりです。どうですか?この大型バス」
「こんなのよく作ったな・・・。中を見せてもらっていいか?」
「もちろんです」
ボタンを押して入口のドアを開けた。
「中もすげーじゃねえか!!座席いくつあるんだよこれ!?」
「80席ですね。それと運転席の横に、バスガイドの席も畳んでありますよ」
「ここまで完璧なバスを作ってるとは、マジで驚いたな!」
清光さんが最後尾まで歩いて戻って来た。
「ん?」
そして、もう一度バスの中を見渡して固まった。
「おい、これっ!よく見たら全てガラスじゃねえか!!日本にいた時の記憶通りすぎて、完全に見過ごす所だったわ!」
「ハハハッ!日本では当たり前の光景が、この世界では異質なんですよね~」
「しかしこんなに大量のガラス・・・、ガチャじゃないな?」
「わかりましたか?完全に俺の手作りです」
「やはりそうか!ガラスまで作り上げたとは天晴だ!」
「ただですね、一つだけ知識の不足で作れなかったモノがあるのですよ」
「ほう?」
運転席を指差す。
「スピードメーターです」
「ああ!確かに俺も最初作るのに苦労したわ。調整がシビアでな」
「清光さんが完璧なのを作り上げていたのを思い出しまして、バスに一つ作って欲しいと思ったのですが、制作を頼んでも良いですか?」
「ふむ。まあそれくらいなら構わんぞ。例の如く取引きにしたいとは思うが、ガラスの製法を教えろなんて無茶なことは言わんので、三河にもガラスを売ってくれ」
やはり清光さんも早速ガラスに目を付けたか。
スピードメーターを使って、即座にガラス売買の方向に話を持っていったのは流石だな。
「トロンゾンでレベッカさんにも同じことを言われましたよ。ただガラスは本当に出来たばかりで、尾張にもまったく出回ってません。なので売るのは量産体制が整ってからということになりますが、それで良いですか?」
「それで構わん。しかしレベッカに先を越されたか!出来る女になったもんだ」
「俺もその眼力に驚きましたよ。ガラスを見た瞬間に交渉を持ち掛けられましたから。バスじゃなくてガラスを欲しがるとは思いませんでした」
「街を一つ任せたのは正解だったようだな」
そんな会話をしながらバスを降りた。
「しかし、赤い流星とはいえ、バスまで真っ赤じゃ消防車みたいだな」
「いや、したくて赤にしたわけじゃないですよ。赤の塗料しか持ってないのです」
「ああ、そういうことか。塗料なら売ってやってもいいぞ」
「本当ですか!?」
「その代わり、掃除機を作ってもらってもいいか?」
「掃除機ですか!そういえばまだ作ってなかったですね。なるほど、吸い込む機能か・・・、扇風機方式で行けそうな気はしますね」
清光さんがマジックバッグから、箱をいっぱい取り出した。
「これ全部塗料だ。箱に付いている色が中に入っている塗料の色な」
「え?こんなに良いんですか?」
「構わん。アリアで普通に売ってるモンだからな」
「なるほど!そっちの世界の方が文明が発達してるのですね。ありがとうございます!掃除機は尾張に帰ったら作ってみます」
「んじゃスピードメーター取り付けるから、エルフ達と適当に遊んでてくれ。1時間もありゃ十分だ」
「お願いします!」
スピードメーターの方は完全に清光さんにお任せして、俺はエルフ達に三河の感想を聞きに行くことにした。
「どうだ?三河を見てどう思った?」
「素晴らしい国です。こんなに美しい国があるなんて想像もしませんでした」
「小烏丸さんが道に拘ってた理由が、とても良くわかりました!」
「建築技術も凄いですよ。こう言っちゃなんだけど、尾張とは格段に差があると思いました」
「もう、今すぐにでも尾張を美しい街に造り直したいよね~」
「ボクも驚くことばかりなのです!もう帰ったらやりたいことだらけです!」
っしゃー!これだよこれ!!エルフ達に三河を見せた甲斐があったってもんだ。
帰ったらすぐにでも道路作りに入ってもらうぜ。フハハハハハ!
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