夫のカバンにあったリモコンを、こっそりペアリングしてみた。翌日、義弟の結婚式で夫が悲鳴を上げた
夫のカバンの奥に、リモコンが二つ入っていた。表面に記号が三つずつ刻んである。画像検索の一行目で、それが何かは分かった。本体はどこにも入っていない。寝室を分けて半年。
取扱説明書に、共有コードを入力すれば端末を三台まで追加できると書いてあった。入力した。
午前 2 時、夫のスマホに〈料金案内センター〉から請求の案内が届く。整った数字の行の下に、書式の違う一行だけが残っていた。〈明日、本当にあそこまでやるの?〉
朝、ゲストルームは空だった。テーブルに祝儀袋が置いてある。メッセージは二件。〈式は俺が行く。家で頭を冷やせ〉
義弟の披露宴で、義母は私の祝儀袋の封を切り、札を数えて顔を上げる。「兄夫婦で 10万?」 夫の席は空いたままだ。
バッグの中で、アプリはまだ開いていない。
全7話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
取扱説明書に、共有コードを入力すれば端末を三台まで追加できると書いてあった。入力した。
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