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王城乗っ取る?(仮)

38.今増えても困るんだが

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顔が埋もれているので、見上げる事が出来ない。此処は、別のところで判断するしかないな。
俺はそう思うと、抱き着いて来た奴の背後に両手を回して尻を掴む。
「何をしているのかしら?」
分かった、ユアナだな!
「うおっ・・・」
その時、突然ユアナから引き剥がされた。
「何をしているのかな?それに、誰?」
「あ、ごめんなさい。私、ユアナと申します。」
こっちでは珍しいタイトスカートで現れたユアナが、マーレに挨拶をする。足と手を揃え、お辞儀する姿は上品な所作に見えた。
「あ、マーレです。」
マーレも戸惑いながら名前を口にした。今まで居ないタイプだから、戸惑ったんじゃないだろうか。
「何でユアナがこんなところに居るんだよ。」
「実は、それを聞いて欲しくて・・・」
言いずらいのだろうか、困った表情をするユアナは目線を下に向けて言った。
「で、誰なのよ?」
そう言えばそうだった。
「ギルド本部の人間だ。」
「は?何で本部の人が?大陸は別よね?」
そこなんだよ。はっ!
「もう薬の依頼か!?」
勘弁してくれよ。
「違うのよ。そもそも遠方への依頼を受付である私が行くなんて有り得ないわ。」
言われてみるとそうか、受付を派遣するのは確かにおかしい。
「少し込み入った話しになるのだけど、いいかしら?」
「俺は構わないが・・・」
と言いながらマーレの方に目を向ける。
「私も別にいいわ。」

「分かった。だがちょっと待て、その前にあのアホ犬を引き摺り出そう。」
「エリサちゃんがどうかしたの?」
「駄々を捏ねて不貞腐れてんだよ。」
「リアがちゃんと説明もせず煽ったのも一因だと思うけど。」
・・・
うっせぇ。
一言余計だっての。
「だったら、私が話してみるわ。」
「そこまで気を遣う必要があるのか?」
「一応女の子なのよ。」
銀貨でも与えればいいんじゃねぇか程度の気分で言ったが、マーレの顔は笑うどころか真剣だった。
「俺もそうだが?」
「中身の話しをしているのよ!」
「痛い痛い・・・」
男の力で頬を抓るな!痛いだろうが・・・

「エリサちゃん。」
部屋の前まで案内すると、ユアナが扉に向かって声を掛ける。
「エリサちゃん、居るんでしょ?」
俺には不貞腐れる理由は分からない。本当に子どもの駄々くらいにしか思えないんだが。まぁ、それで拗れるガキもいるっちゃ居るが。
「その声、ユアナか?」
「そうよ。」
「何でユアナがこんなところに居るんだ?」
「ちょっと話があって。聞いてくれる?」
「今は、そんな気分じゃない。」
おぉ、なんか普通に会話をしているが、エリサの方はご機嫌斜めのままだな。
「エリサちゃんは、今は何の仕事をしているの?」
「薬草の栽培、マーレの手伝い、ギルドの依頼。」
「その中で、重要なのは?」
「・・・マーレの、手伝い・・・」
素直に答えるエリサの声に、ユアナはこっちを見て優しく微笑んだ。それが何を意味しているのか、良く分からないが。
「エリサちゃんは、みんなと居るのが嫌?」
「そんな事無い!あたし、孤独だったから、みんなと居るのが楽しい。」
「それは、みんな一緒なのよ。」
「嘘だ。」
「嫌な人と、一緒に居たいと思う?一緒に何かしたり、何処かに出かけたり、したいと思う?」
「・・・」
何となく、言いたい事が見えて来た気はするが、俺にはここまでの話しをしてやる事は無理だな。

「自分が好き勝手にしていたら、離れていってしまうわよ。何処かで自分を我慢する必要もあるの。それは今まで一緒に居たんだから、エリサちゃんもして来たでしょ?」
「・・・」
「やりたい事がある気持ちもみんな知っているし、みんな同じ。でも、今は何をしなきゃいけないか考えて、それを優先している。」
「ご主人は薬、マーレは家を建てている。それは自分がやりたい事じゃないのか?あたしだって、自分がしたい事をしたいぞ・・・」
まぁ、その通りなんだが。俺は俺のやりたい事しかやってない。それは否定できない。そうなると、エリサをエリサとして扱っていなかった事になるのか?
いや、犬は所詮犬だ。
「じゃ、考え方を変えてみようか。」
「・・・」
考え方を変える?
「リアちゃんの薬は、普段の生活を支えるため。マーレさんの仕事は、今後も生活継続するための補助。エリサちゃんがギルドの依頼を受けなきゃならない理由は?」
いや、まったくもってそんな意志は無い!俺は俺のために、俺がウハウハな生活をするためにやっているだけだ。
それより、結局言いくるめているだけじゃねぇのか?
「・・・」
「エリサちゃんが今、優先してやる事は何?」
「マーレの・・・手伝い。ギルドの依頼は、その後でも大丈夫。」
「私にはそれが正解か分からないわ。でも。ちゃんと自分で優先順位をつけて考えられるエリサちゃんは、賢いわよ。」
「そう、か?」
「えぇ、偉いわ。」
「うん・・・」
「ちゃんと何をすればいいか分かっている賢い子よ。ちょっと、我儘を言いたかったのよ。分かってあげて。」
ユアナは俺とマーレに、言い聞かせるように言った。そんな事を言われても、俺にそれを分かってやれるとは思えない。それがマーレの言っているちゃんと説明しろという事なのだろうが。回りくどくて面倒だ。
おそらく、承認欲求だろう。自己肯定が出来る人間であれば、外部からのそれはあまり必要無いんだが、どっちにしろ面倒くせぇな。

「ねぇ、次は、私の話しをエリサちゃんにも聞いて欲しいの。やっぱりダメ?」
「・・・いいぞ。」
多少間を置いてから、ユアナは自分の事を伝えた。
「ご主人、マーレ・・・」
扉が開くと、中からエリサが出てきて俺たちにも気付く。ばつの悪そうな顔をしているが。
「そんな態度はらしくねぇぞ。」
「ごめんねエリサ。」
マーレは謝るが、俺は謝る気はない。謝るような事は言ってねぇし。
「よし、おやつにしようぜ。ついでにユアナの話しを聞こうか。」
「分かったぞ。あたしのは多めな、復帰祝いというやつだぞ!」
ま、それくらいが丁度いいよな。
「私の話しはオマケなの?」
「あぁ。」
と言っても、ユアナはクスッと優しい笑みを浮かべただけだった。大人、なんだろうな。



ダイニングに移動すると、お茶とお菓子の準備をして、煙草に火を点ける。メイニに言われてから常備するようにしたんだ。
「で、何があったんだ?」
「結論から言うと、ギルドを辞めたの。」
「は?」
「え?」
「・・・」
俺とマーレは驚きに間抜けな声が出たが、エリサは黙々とお菓子を食いながら首を傾げただけだった。
「やっぱり嫌になったのか?」
「違うの。ちょっと失敗しちゃって・・・」
失敗するような感じには見えないんだが。手癖が悪いだけで、ユアナはまともな方の人間だと思っている。失敗するようなドジにも見えないし。
「どんな事をしたら、辞める羽目になるんだよ。」
「依頼者を激怒させてしまって・・・」
まったく話しが分からないな。
「どういう事だ?」
「此処だけの話しにしておいて欲しいのだけど、依頼者は名前を明かす事が出来ないし、とある高貴な存在とだけしか。」
・・・
あぁ、それ聞きたくないやつ。
面倒事に巻き込まれるのはご免なんだがなぁ。
「依頼内容の表向きはゴブリン退治だったのだけど、本来の目的は聖像の回収。」
「せいぞう?」
像か?なんか宗教絡みくせぇな。ますます聞きたくなくなってきた。
「そんな高貴な奴が、ゴブリン如きに像を奪われたってのか?」
面子を保つために、ゴブリン退治の依頼ってのは確かに、分からないでもないが、そもそも奪われるってのがおかしい。
「違うわ。像を盗んだのは盗賊。だけど、その盗賊がゴブリンに襲われて奪われたの。」
・・・
アホか。
何という間抜けな盗賊。

「ちょうどリアちゃん達が帰った後にね、場所が特定出来たからギルドの討伐隊を向かわせたのよ。」
そんな時期の話しか。
「ところが、討伐隊が戻ってきて報告したのは、既にゴブリンは退治され、像も無かった。」
・・・
待て待てマテ。
これ以上は絶対聞きたくない内容な気がしてきた。俺が帰った直後のゴブリン退治だと?そう思ってエリサの方を見るが、お菓子に夢中で聞いている風ではない。
聞いていたとしてもあれは、完全に忘れてるな。
「そ、そうなのか。」
「どうしたの?浮かない顔をして。」
浮かねぇよ、浮くわけねぇだろうが!
とは口が裂けても言えない。嫌な予感しかしないからだ。
「ただ、聖像が回収できないと依頼の達成にはならないし、ギルドの威信にも関わってくるから、捜索するしかなかったの。」
「それで、見つかったのか?」
「えぇ、街道沿いの草むらに落ちていたわ。」
「そりゃ、良かったな。」
となると、あれが聖像の可能性大だな。
「良く無いわ。聖像は紅陽石という凄く珍しい石で出来ていて、物凄く高価なの。」
あぁ、棄てなきゃ良かったな。あれだろ、売っても莫大な金が手に入っていたかもしれないって事だよな。若しくは、持ち主からの多大な報酬。
「へぇ。よほど神々しいんだろうな。」
「それは、分からないけど。ただその聖像、壊れていたのよ。」
・・・
誰だよ馬車から投げ捨てたのは!
そう思ってエリサの方を見るが、やはり理解していないようだった。マーレに至っては聞いているだけで何の事か分かっていない。
「どんな像で、何処が壊れていたんだ?」
「とある宗教の聖獣なんだけど・・・羽が両方ともぽっきりと・・・」
そこまで言うとユアナは周囲を警戒する。余程言い難い事なのか?しかし羽・・・やっぱあれだよな。
「私には・・・ブタに羽を付けただけにしか見えないわ。」
やっぱあれだぁぁ!
ゴミかと思ったら金のブタじゃねぇか!
「それ、この前あたしが捨てぶーーーーーっ!」
「わりぃ、足が滑った。」
何を言おうとしてんだこのクソ犬!
さっきまで聞いている素振りすらなかったくせに、一番反応しなくていいとこだけ反応すんじゃねぇ!

「何で蹴るのよ!」
「足が滑ったって言っただろうが!」
マーレは事情を知らないからそんな事を言えるんだ。呆れた顔をされようと、それを言わせるわけにはいかないんだよ。
「酷いぞご主人!」
うっせぇクソ犬。
(銀貨3枚やるから、二度とあの像の事は口にするな。じゃないと、俺らの命が危ない。)
(わ、分かったぞ・・・)
倒れたエリサを起き上がらせる振りをして、小声で言っておく。流石のエリサも察したのか、恐怖を若干浮かべた顔をすると小声で応じた。
「続けて良い?」
「あ、あぁ。すまんな。それで依頼主が大激怒なのか。」
「そう。もちろん、ギルドの所為じゃないわ。だけど、依頼を受けて完遂出来なかった以上、ギルドの落ち度として責められる。」
まぁ、壊したのはギルドじゃねぇしな。むしろ壊れれても見つけたんだからいいじゃねぇか。
「正論なんか通じない。何かしらの誠意を見せる必要があったの。」
あぁ、どこの世界も、社会ってのは似たようなもんだな。
「って事は、解雇?」
「ううん。マスター達は残れるように出来ると言ってくれたのだけど、もともと悩んでいた事もあって、いい機会だから自分から辞めるって伝えたわ。」
「そうだったのか。」
そうだったのか?
それをわざわざ言いに来たってのか?おかしくないか、まさか聖像の件は俺たちの仕業と疑って来たとかじゃないのか?

「なぁユアナ。」
「何かしら?」
「それを言うためだけに来たのか?」
考えていても答えは出ない、だったら聞くしかないよな。
「違うわ。来た経緯を伝えただけよ、本題はここから。」
なるほど、だが本題って。
「リアちゃん、私を雇って。」
「はぁっ!?」
「えぇっ?」
「・・・」
何を言い出してんだこの女。お前のスペックならどこでも働けるだろうが、何故一介の薬屋なんかを選んだ。
「家は向こうだろうが。」
「うん。両親も好きにしていいって言ってたし。たまには帰るけど。」
自由にさせすぎだっての。
「こんな薬屋なんかより、もっと近場で良い職場はあるだろうが。」
「そうなんだけど、私ってほら、お嬢様でしょう?」
自分で言いやがった。普通言わねぇだろ。しかもここを選んだ理由がまったく見えない。
「家を見て分かったと思うけど、それなりの上流階級なのよね。その所為で、リアちゃんたちみたいな友達、全然居なくて・・・」
その辺の事情にはまったく興味はねぇが。
「この前、遊びに来てくれたでしょう?ギルドでもそうだっけど、楽しかったの。」
あ、っそう・・・
その選択は、誤りとしか思えないが。
「食事の時も、夜の雑談も、新鮮だった。両親も、リアちゃんのところなら遠いけれど安心だと言っていたわ。」
多分、お前の両親はアホだ。盲目的にな。
「駄目?」

と言われてもなぁ・・・
「いいんじゃない?」
何をさらっと受け入れてんだよ。と思って細めた目をマーレに向ける。
「簡単に言うけどなぁ・・・」
「私は家を空ける事が多くなったし、リアだって多いでしょ。安定して薬屋を開けていないのが現状じゃない。」
確かにそうなんだが。いつかは欲しいと思っていたのも事実だ。ユアナであれば事情も知っているし、任せられるとは思う。
「ただなぁ、まだ色々と軌道に乗ってないってものある。」
「押しかけて来たのだから、贅沢は言わないわ。せめて衣食住だけは欲しいけど。」
「それだ!」
一番の問題はそこだな。
「部屋がねぇ。」
「あ、言われてみれば。」
「あたしは無理だぞ、マーレと一緒だからな。」
だよな。部屋の大きさからいって二人が限度だ。
「リアちゃんの部屋でいいじゃない。」
「却下だ。」
お前がいいじゃないとか言うなよ、押しかけのくせに。
「何でぇ!?」
「まるで肯定されると思っていたような反応だな・・・」
「えぇ。うちでは部屋に止めてあげたから・・・」
それはあくまで一時的なものだからだろう。生活となると話しは別だ。
「アニタはどうだろう?」
「多分無理だ。奴は自分の居城を守るタイプだからな。」
「そうなの?」
「あぁ。」
多分、そんな感じだった気がする。

「いいじゃない。新居ではそれぞれ部屋を用意するんだから、それまでの間我慢すれば。」
他人事だと思って。
「最悪、俺がここで寝ればいいか。俺の家なのに・・・」
「そこまでしなくていいわ。私が此処で寝るから。」
「リア~、女の子を困らせちゃダメじゃない。」
・・・
うぜぇ。
「分かったよ。」
「良かった。」
「まぁ、もう一緒に寝た仲だしな、しょうがね・・・」
「リア、一緒に寝たって何?」
いや、マーレが気にするところじゃないだろ、何故そんな怖い顔で見る。
「恥ずかしいから人前で言わないで。」
それよりも問題はこいつだ。恥じらいから顔を逸らすのは可愛げがあっていい範囲だが、眉間の前で寸止めされいてる短剣の切っ先は笑えねぇ。またも髪の毛が数本舞い落ちたじゃねぇか。
「これだぞ?部屋が一緒だってだけの話しだが?」
「・・・リアって、変な人に付き纏われる?」
「知らん。」
「あ、分かった。類友!」
「俺が変みたいじゃねぇか!だったらマーレも同類だ!」
「私は普通よ!」
「そう思っている奴が、自覚がないだけで一番変なんだよ。」
「リアに言われたくないわ!」
あ、これ不毛なやつだな。
「あはは・・・来て、良かった・・・」

突然笑い出したユアナに、俺とマーレは不毛な言い合いを止めてユアナの方を見る。楽しいというよりは、嬉しそうな顔で目にうっすらと涙を浮かべていた。
「不安は色々あったの。でも、嬉しい。」
だからそういうのは得意じゃねぇんだよ。
「賑やかになりそうね。」
五月蠅いだけだろ。
「で、アニタの許可は良かったの?」
・・・
忘れてた。
「もうすぐ帰って来るから、その時に話せばいいだろ。この状況だ、今更ダメとは言わないと思うけどな。」
「そうね。」



それから帰ってきたアニタに事情を説明した。一緒に住む分には全然問題ないが、食費が・・・とは言っていた。
そこは俺が補填する事で話しはまとまり、改めてユアナを迎え入れる事になった。



「また人が増えましたわね。」
翌日、店を開けてユアナに説明しようとすると、メイニが訪れて来た。
「いや、増やそうと思って増えたんじゃないんだけどな。」
「まぁいいですわ。それより、話したい事・・・というよりは相談がありますの。」
そう言ったメイニの表情は至って真面目だったため、おそらく仕事の事だろうと察する。
「俺だけの方がいい感じか?」
雰囲気から、そうじゃないかと思って確認した。
「えぇ。」
メイニの相談じゃ、聞かないわけにはいかない。
「悪いユアナ、適当でいいから少し店番を頼む。」
「分かったわ。」
快く頷いてくれたユアナを店に残し、俺とメイニはダイニングの方に移動する。二人きりだと思いたいが、メイニの表情はそんな冗談をあしらってくれる雰囲気ではなさそうだった。
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