16 / 16
Side Story
「続きはまた今度」の続きのお話 3
しおりを挟む──アンリ様、伽を求められる時……なんでこんなに色っぽいんだろう……?
僅かに汗がにじむ厚い胸。引き締まった腹筋……。
普段は繊細にクラリスの髪や頬をたどる指にまで、雄の欲が見え隠れする。
そして、何より彼女を高ぶらせるのは、アンリの獲物を狙うような熱を孕む漆黒の瞳だった。
今も彼はそんな瞳でクラリスの淫美な曲線をじっと見つめつつ、紫の小瓶からとろりと薬液を指先に垂らしている。
「クラリス、自分で下着を脱いで?」
いつもより低く彼女の頭の中を冒すような声に、クラリスは恥じらいながらも躊躇うことなく下着を足から抜き去った。
「いい子だ。」
「……アンリ様……。あっ……ん………。」
優しい彼の嗜虐的な笑み。
濡れた指先が迷いなく花芯に触れると、じわりとそこが熱を帯びる。
──なに?これ……?あの、薬のせい?
アンリの指はもどかしいほどに柔く掠めるだけなのに、ジクジクとした熱さが敏感な花芯から奥の奥へと彼女の淫らな疼きを刺激してきた。
「なんて声を出すの?クラリス?」
「あ、あぁ……熱いの……アンリ様……。」
「そうだね……。残りも垂らそうか?」
「っ、やっ、ダメ……。」
「クラリス?ダメはなしだよ?」
甘いキスで拒否を奪われている間に、秘裂を伝っていく薬液。
アンリの唇が離れたクラリスの口からは、ひたすらに愛らしい嬌声がもれ始める。
胸の飾りを口に含み舌先でねぶりながら、彼の指が二つの蜜を纏いぬかるみを探り出した。
「はぁっ、あん……あぁッ!」
「本当に熱いね。ナカ溶けそうだ……。」
二本に増やされた指が別々に胎内を抉り、濃厚な水音を大きく響かせる。
「んぅっ、ん、はっ……ぁ……、いっ………あぁん!」
「ん?イキそう?涙が止まらないね、クラリス……。可愛いな。」
「ア、ンリ……さ……あっ……!」
ガクガクと身体が震える絶頂に、クラリスは必死に彼にしがみついた。
淫猥な音と共に指が抜かれる。
だが彼女の奥は熱が広がり疼くばかりで……。
アンリが服を脱ぎ捨てる。
彼はクラリスをうつ伏せにさせると、白く艶美な双丘にキスして僅かにそこを持ち上げた。
蜜口を探るように当てられた剛直が、クチュクチュとぬかるんだ蜜壺の浅い場所で彼女を焦らす。
華奢な背中に散らされる、数多の緋い花びら。
とうとうクラリスは震える声で哀願した。
「お願い、アンリ様……もう焦らさないで……。お胎が切ないの……。」
「そうなの?じゃあ、私はどうしたらいい?」
「………いじわるぅ……。」
「ん?」
「奥……奥まで、来て……。」
その刹那──。
深く深く穿たれた楔。アンリは彼女の脇の下から腕を通し、身体を隙間なく重ねてクラリスの動きを奪う。
「クラリスのナカが幸せすぎて、もう止まれなそうだ。」
「んぁっ、そんな激しっ……あぁ……。」
「いっぱい突いてあげるから、何度でもイっていいよ、クラリス?」
「いやぁぁ、待って、ん、んぅっ!」
怖いほどの快感を与えられ、逃れようと身体をよじっても、上からアンリに捕らえられていて少しも動けなかったクラリス。
「逃げようとするなんて、いけない子だな。」
そんな言葉と共に耳に舌を這わされ、声と音で犯される。
「あぁ、愛してる、クラリス。」
「私も……っ、あ、………はぁぁっ!」
「ん、イケたね?」
「あぁん、アンリ、さまっ、止まって!やっ、あっ。」
「もう少し、頑張って、クラリス?」
容赦なく痙攣の止まらない奥を突き上げられたクラリスは、シーツを噛みしめて絶頂を越え、脈打ちながら放たれる熱を受け入れ続けた。
──あぁ、ここまでするつもりは……。歯止めがきかなかった……。
「クラリス、すまない……。平気かい?」
「…………。」
「クラリス?」
「………恥ずかしいの……見ないで……。」
「どうして?可愛かったよ?」
「アンリ様……私、こんなに感じてしまって……はしたなくない?」
彼女の身体を上向かせ抱き起こすと、クラリスは不安げに見つめてくる。
「そんなことないよ。とっても素敵だった。」
「本当に?ちゃんと、満足してくれた?」
「ああ、もちろん。クラリスは?嫌だったかい?」
ふるふると首を横に振る彼女を見てホッと胸を撫で下ろしたアンリは、まだ涙を溜めたままの彼女の目元を親指で拭い、優しく手ぐしを亜麻色の髪に通した。
「……でも、アンリ様のお顔が見えないのは……嫌、でした……。」
「そうか。ごめんね、クラリス。どうしたら許してくれる?」
「……そんな、別に……あっ、でも……もっと、アンリ様にお会いしたいです。デートじゃなくていいから……ほんの少しの時間でもお会いして……私……。」
──素直になろう。アンリ様は、絶対受け止めて下さるから……。
クラリスの唇がアンリの頬にそっと触れる。
「こうやって、キス、したいです。」
「うん。そうか。…………はぁぁ。クラリスはどこまで可愛くなるんだろうな?」
甘く吐息が交わって、二人は鼓動を分かち合う。
「ありがとう、クラリス。私を幸せにしてくれて。」
「アンリ様……。私だって、幸せです。」
「そっか、一緒だ。」
「はい。」
ベッドにぽすんと倒れ込んだ二人。
ただ抱きしめ合い口づけを味わいながら、残り僅かになったこの日の逢瀬の時間を、大切に微笑み合い過ごしたのだった……。
▼▽▼▽▼▽あとがき▼▽▼▽▼
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ただの恋のお話を書いてみたくて、本当に衝動的に書き始めたものでした。
気づけば恋愛カテゴリで初めてHOTランキング入りさせていただいて、沢山のお気に入り登録。
エールもいっぱいいただいて、本当に幸せです。
感謝!
水樹風
応援ありがとうございます!
24
お気に入りに追加
1,380
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
感想ありがとうございます!
母達の回は、書いていても楽しくて……母親はそりゃ上手ですよねぇ(笑)
楽しんでいただけたようで、本当嬉しいですっm(_ _)m
はぁ〜 クラリスも一途だしアンリも一途過ぎて(〃♡ω♡〃)
溺愛系のお話は、読んでる私の方まで何だか幸せな感じがしてくるので大好きです❤️
素敵なお話で一気に読ませていただきました。次回作も楽しみにしています(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”
感想ありがとうございます!
幸せ感じていただけて幸せです♡
次のお話も頑張りますm(_ _)m
イッキ読みしました!✨
一途な2人にきゅんきゅんしっぱなしでした(๑>◡<๑)
感想ありがとうございます!
とにかく甘くて幸せな恋のお話にしたかったので、キュンとしていただけて嬉しいです!