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第十一章

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 自分の決意が鈍るといけない。スマートフォンの電源を切り、錠剤を口に含んだ。どれくらいで死ねるのかなんて知らない。あるだけ飲むしかないだろう。十錠を超えたところで苦しくなってくる。もう仕方なくガリガリと噛みながら口に含んでいった。
(死んだら……もう誰にも迷惑をかけなくて済む。親にさえいらないと言われたんだもの。私は……生まれたらいけなかった)
 素敵な人に愛されて。大好きな人に好きと言ってもらえて。他人には不幸に思える人生でも、かなり幸せだったんじゃないか、なんて。
 頭がグラグラしてくる。本当に頭がぐるぐると回っているのか、そういう感覚がするだけなのかはわからない。
 目を瞑って朦朧とする意識の中、思い描いた顔は誰だろう。


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