10 / 17
少女時代
王宮からの招致3
しおりを挟む
「では、いい返事を待っておりますぞ。フローラ様」
町のはずれまでお見送りに来てくださった国王と王妃とその側近たち。
「あの~、いい返事を待っているのなら、この人だけはやめて欲しいですけど・・・」
私は目も合わせたくない兵士を指さす。数多くいる兵士の中で、こんなにも失礼な兵士はこいつだけだろう。
「えぇっ!!?そんなぁ~、一緒にこの国へ来た仲じゃないですか~フローラ」
年上とはいえ、こんな奴に呼び捨てされるのも腹立たしい。
プイッ
私はそっぽを向く。
「すいませぬ・・・こやつアボット・・・腕だけはたちますので」
「そんな、国王様まで・・・ひどいや」
この失礼な兵士はアボットというらしい。でも、名前を覚えるのも嫌だから、アボットと言う名前ならば、頭文字を取って、兵士Aと呼ぼう。
「まともな人にチェンジで」
「まだ言うんですか!?泣いちゃいますよ!?」
すぐに泣くという兵士に身を預けるというのも不安でしかない。
国王も困った笑顔で私を宥めようとする。
「ヴィヴィ様は、人嫌いだと伺っております。本来であればわざわざ遠いところからお招きしたのですから、命の危険にさらされぬよう十分な兵士を護衛としてお付けするべきなのですが・・・」
「ううぅ、それを言われると私も弱いです」
師匠のヴィヴィのところに大勢の兵士を呼んだら、私の身が危ない。色々な植物が手に入りやすいということもあるけれど、人混みが嫌いだから山奥に住んでいるのだから。
「でも、この兵士Aだけは嫌です。国王様。2,3人ならヴィヴィも我慢してくれると思うのでチェンジでお願いします」
「えぇ!?兵士Aって何?ちゃんと、アボットって呼んでよ」
アボットが横から私の身体を揺らしてくるが、私は死んだ魚のような目で目を合わせない。
「困りましたな・・・この辺には魔物が住んでおりますので兵士数名では歯が立たないのであります」
「ええ?来た時はそんな魔物なんかにはあっていなかったけれど?」
私はちらっとアボットを見る。
すると、アボットが自信満々な顔で私を見下ろしていた。
後ろに太陽を背負っており、まるで後光がさしているようだ。
「このあたりの森の魔物たちもアボットには手を出さないのです」
こんなに不注意の多いアボットなんて隙だらけだと思うのだけれど、国王が言うのであれば本当なのだろう。
私はいろいろなことを天秤にかけてかんがえるけれど、どうやらこの兵士Aことアボットに送ってもらうしかなさそうだ。
「わかりました・・・」
「よしゃっ!!」
ガッツポーズをするアボット。
なんか悔しいが、彼に頼るしかなさそうだ。
「あっ、でも・・・この兵士Aが失礼なことをしたら、この国には戻ってきませんのでよろしくお願いします」
「まだ言うっ!??」
「はっはっはっ、アボット・・・くれぐれも粗相のないように頼むぞ」
「はっ、このアボット。命に代えてもフローラを無事配達してきますっ!!」
敬礼するアボットは真面目な顔をしている。
けれど、その言い方については、呆れ笑いをするしかなかった。
町のはずれまでお見送りに来てくださった国王と王妃とその側近たち。
「あの~、いい返事を待っているのなら、この人だけはやめて欲しいですけど・・・」
私は目も合わせたくない兵士を指さす。数多くいる兵士の中で、こんなにも失礼な兵士はこいつだけだろう。
「えぇっ!!?そんなぁ~、一緒にこの国へ来た仲じゃないですか~フローラ」
年上とはいえ、こんな奴に呼び捨てされるのも腹立たしい。
プイッ
私はそっぽを向く。
「すいませぬ・・・こやつアボット・・・腕だけはたちますので」
「そんな、国王様まで・・・ひどいや」
この失礼な兵士はアボットというらしい。でも、名前を覚えるのも嫌だから、アボットと言う名前ならば、頭文字を取って、兵士Aと呼ぼう。
「まともな人にチェンジで」
「まだ言うんですか!?泣いちゃいますよ!?」
すぐに泣くという兵士に身を預けるというのも不安でしかない。
国王も困った笑顔で私を宥めようとする。
「ヴィヴィ様は、人嫌いだと伺っております。本来であればわざわざ遠いところからお招きしたのですから、命の危険にさらされぬよう十分な兵士を護衛としてお付けするべきなのですが・・・」
「ううぅ、それを言われると私も弱いです」
師匠のヴィヴィのところに大勢の兵士を呼んだら、私の身が危ない。色々な植物が手に入りやすいということもあるけれど、人混みが嫌いだから山奥に住んでいるのだから。
「でも、この兵士Aだけは嫌です。国王様。2,3人ならヴィヴィも我慢してくれると思うのでチェンジでお願いします」
「えぇ!?兵士Aって何?ちゃんと、アボットって呼んでよ」
アボットが横から私の身体を揺らしてくるが、私は死んだ魚のような目で目を合わせない。
「困りましたな・・・この辺には魔物が住んでおりますので兵士数名では歯が立たないのであります」
「ええ?来た時はそんな魔物なんかにはあっていなかったけれど?」
私はちらっとアボットを見る。
すると、アボットが自信満々な顔で私を見下ろしていた。
後ろに太陽を背負っており、まるで後光がさしているようだ。
「このあたりの森の魔物たちもアボットには手を出さないのです」
こんなに不注意の多いアボットなんて隙だらけだと思うのだけれど、国王が言うのであれば本当なのだろう。
私はいろいろなことを天秤にかけてかんがえるけれど、どうやらこの兵士Aことアボットに送ってもらうしかなさそうだ。
「わかりました・・・」
「よしゃっ!!」
ガッツポーズをするアボット。
なんか悔しいが、彼に頼るしかなさそうだ。
「あっ、でも・・・この兵士Aが失礼なことをしたら、この国には戻ってきませんのでよろしくお願いします」
「まだ言うっ!??」
「はっはっはっ、アボット・・・くれぐれも粗相のないように頼むぞ」
「はっ、このアボット。命に代えてもフローラを無事配達してきますっ!!」
敬礼するアボットは真面目な顔をしている。
けれど、その言い方については、呆れ笑いをするしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
婚約破棄宣言をされても、涙より先に笑いがこみあげました。
一ノ瀬和葉
恋愛
「――セシリア・エルディアとの婚約を、ここに破棄する!」
煌めくシャンデリアの下で、王太子リオネル殿下が声を張り上げた。
会場にいた貴族たちは一斉に息を呑み、舞踏の音楽さえ止まる。
……ああ、やっと来たか。
婚約破棄。断罪。悪役令嬢への審判。
ここで私は泣き崩れ、殿下に縋りつき、噂通りの醜態をさらす――
……はずだったのだろう。周囲の期待としては。
だが、残念。
私の胸に込みあげてきたのは、涙ではなく、笑いだった。
(だって……ようやく自由になれるんですもの)
その瞬間の私の顔を、誰も「悪役令嬢」とは呼べなかったはずだ。
なろう、カクヨム様でも投稿しています。
なろう日間20位 25000PV感謝です。
※ご都合注意。後日談の方を一部修正しました。
【完結】婚約破棄中に思い出した三人~恐らく私のお父様が最強~
かのん
恋愛
どこにでもある婚約破棄。
だが、その中心にいる王子、その婚約者、そして男爵令嬢の三人は婚約破棄の瞬間に雷に打たれたかのように思い出す。
だめだ。
このまま婚約破棄したらこの国が亡びる。
これは、婚約破棄直後に、白昼夢によって未来を見てしまった三人の婚約破棄騒動物語。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる