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流転
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試合を終えた丸和のメンバー達は、学校所有のバスに乗り、学校に戻ってきた。
「はいっ集合」
監督の園山はでっぷりとしたお腹を突き出しながら歩いて、皆の前に立つと、表情を変える事なく淡々と話し始めた。
「みんな、今日はご苦労様。
本当によく頑張ってくれた。
さあ、次は強豪の西江田との試合だ。
今日のようにはいかないだろうが、当たって砕けろの精神でチャレンジしよう!」
「はいっ!」
メンバーは全員頭を下げた。
大会期間中は学校で合宿を張り、皆で共同生活を送っている。
しかし、優里だけはユニフォーム姿のまま、大きなバッグを肩から提げて
「それでは、失礼します。」
と、言うと、頭を下げて帰ってしまった。
「相変わらずだなあ、水谷のマイペースは。」
三年生でキャプテンの狩野が言うと、大輔は去っていく優里の後ろ姿を見ながら
「体調がずっと良くないらしくて、ここで合宿生活するのはちょっとしんどいみたいです。」
と、言った。
「まあ、監督も認めてる事だし、アイツがいなきゃ今日だって勝ててたかわかんねえし、いいんじゃないの。
試合でしっかり投げてくれるなら。」
「そうですね。」
そのときである。
園山監督の携帯が鳴ったのは。
「はい、もしもし…」
園山はしばらく相手の話を聞いていたが、突然
「えっ?どういうことですか!」
と、少し取り乱したような声を上げ、電話しながら部室を出て行った。
「何なんですかね。」
「さあ、俺らは二回戦の事だけ考えてればいいさ。」
狩野は達観したような表情を浮かべた。
「はいっ集合」
監督の園山はでっぷりとしたお腹を突き出しながら歩いて、皆の前に立つと、表情を変える事なく淡々と話し始めた。
「みんな、今日はご苦労様。
本当によく頑張ってくれた。
さあ、次は強豪の西江田との試合だ。
今日のようにはいかないだろうが、当たって砕けろの精神でチャレンジしよう!」
「はいっ!」
メンバーは全員頭を下げた。
大会期間中は学校で合宿を張り、皆で共同生活を送っている。
しかし、優里だけはユニフォーム姿のまま、大きなバッグを肩から提げて
「それでは、失礼します。」
と、言うと、頭を下げて帰ってしまった。
「相変わらずだなあ、水谷のマイペースは。」
三年生でキャプテンの狩野が言うと、大輔は去っていく優里の後ろ姿を見ながら
「体調がずっと良くないらしくて、ここで合宿生活するのはちょっとしんどいみたいです。」
と、言った。
「まあ、監督も認めてる事だし、アイツがいなきゃ今日だって勝ててたかわかんねえし、いいんじゃないの。
試合でしっかり投げてくれるなら。」
「そうですね。」
そのときである。
園山監督の携帯が鳴ったのは。
「はい、もしもし…」
園山はしばらく相手の話を聞いていたが、突然
「えっ?どういうことですか!」
と、少し取り乱したような声を上げ、電話しながら部室を出て行った。
「何なんですかね。」
「さあ、俺らは二回戦の事だけ考えてればいいさ。」
狩野は達観したような表情を浮かべた。
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