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perfect game

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最大112キロあった智の体重は、血の出るような努力の末、一年二ヶ月でベスト体重である50キロ台前半に到達した。

「トモちゃん、カンペキですよ。
これで、いよいよビフォーアフターの後半の撮影に入れます。」

「すいません、新井さん。二ヶ月余計にかかっちゃって。」

「いやいや、ホントに奇跡ですよ、これは。

トモちゃんの第一シーズンのあの美しさがまた戻ってきたんですから。
昨年撮影しておいた、100キロオーバーのトモちゃんとのギャップが凄すぎて、ファンもきっと大喜びしますって。」

「ファンなんて残ってますかねえ」  

「いっぱいいますよ。デブ専シリーズも予想外のスマッシュヒットしたんですから。

さあ、撮影に入りましょう。」

智は頷き、着ていたバスローブを脱いだ。

一糸纏わぬ姿となった智の体は、あの時のように腰がくびれ、お腹にもお尻にも無駄な贅肉のない、すっきりとしたものに変貌しており、自慢の美乳も、あの時のままであった。


男優と激しいキスをして体を絡め合う智は、デブ専シリーズではほとんど決まった体位でしかファックシーンを撮れなかったのが嘘のように、次々と男優と体を入れ替えながらの、アクロバティックな撮影を行った。


この作品は、新井の予想通り、ニューハーフ物では記録的な大ヒットとなり、アダルト業界だけではなく、一般のネットニュースにも取り上げられ、智の元には、取材も多数舞い込んだ。

それでも、所詮はニッチな世界の中での話で、食堂の同僚達にバレる事はなく、日常が変わる事はなかった。

勿論、竹井だけはその正体を知っているので、智の出演作が出る度に購入し、夜な夜な見ては悶々とすごす日々を送っていた。

竹井と智の関係は、竹井の内気な性格から、なかなか発展せず、月に一回程度のデートをするに留まっていた。
まだ、手すら握ったこともない。

夜10時から朝の5時まで、週5で勤務するという、智の食堂での勤務形態も変わらず、毎日、規則正しい生活を送りながら、もう一度女磨きに力を入れることに注力した。
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