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針の穴

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桐山が智との激しいセックスを終え、達也のいる部屋に顔を出した。


「失神しちゃった

こっちも若くないし、体がもたないから一旦休憩をね」

桐山はそう言うと、椅子にどっかと腰掛けた。


「桐山さん、こっちの方はどうしますか?
もう目を覚ましてますけど…」

達也はソファに転がした真弥を指差して言った。


「もう少ししたら、トモちゃんと同じクスリを与えましょう。」


「わかりました。」

達也は頷き、椅子に腰かけたが


「あっ、美智香の口座からお金が入りました。」


スマホの画面を見ながら桐山に言った。


「いくらですか?」


「1000万です」



「ここまでは予定通りですね。
残りの金は手続き後ということになる」


「桐山さん、それでは入金確認後に解放するんですか?」


「バカな。

今、解放なんてしたら我々は破滅ですよ。

すぐに警察に捕まってしまいます。
そうならないように、二人にはクスリ漬けになってもらうしかないんですよ。」


「そう上手くいきますか?」


「トモちゃんの方は完全にハメました。
自分で摂取するところも証拠としてここに収めてますよ。
若旦那さんの方もすぐに同じようになりますよ。」

桐山はニヤリと笑い、胸ポケットに入っている携帯を外側から握りしめた。


「そんなに上手くいくとは思えませんが」


「同じようにやるしかないでしょ。

とにかくこのセックスドラッグは強烈なんです。
いくら意思の強い人間でも抗うことは不可能ですよ。」


「わかりました。
ここまできたら、私も覚悟を決めなければなりませんね。

ところで、美智香の方はどうします?」


「今夜、私が指定した場所に来る事になっています。

警察に言ったりはしないと思いますが、念押しして返しますよ。
まあ、解放はするが今日はしない、ただそれだけのことです。」


「こちらが約束を守らないとなると、美智香は警察に行ったりしませんか?」


「あなたの元奥さんは、この若い旦那さんがどうしようもなく好きなようです。

この切り札がこちらにある限り、何も出来ませんよ。
彼女の人生の全てと言っても過言ではないでしょう
この若者は。」


「…」


達也は何も答えなかったが、激しい嫉妬心が湧き上がってきていた。
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