LAST TORTURE 〜魔界の拷問吏と捕虜勇者〜

3333(トリささみ)

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拷問11日目 〜昼休憩〜

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「……」
「……」
「「……………」」

大浴場。
今日もリーモンはルタを入浴させる。

「……」

湯浴みの最中、ルタは一言も発さない。
無視するというより、放心状態と言った方が正しいだろう。

「返事はしなくていい。そのまま聞いてろ。」

なのでリーモンは一方的に言いたいことを言うことにした。

「今、魔界はかつてないほどの危機に陥ってる。
魔王陛下や魔族たちが切羽詰まってるんだ。」
「……」

ルタはやはり何も言わない。

「何でそんな事態になったのか分かるか?
お前の兄貴だ。
兄貴がお前を探して幹部どもを倒し、魔王陛下を狙っている。
この城に辿り着くのも、そう長くはかからないだろう。」
「……」

ルタの佇まいは静謐だ。
その様子は長らく会えなかった兄の奮闘に驚いているようにも、喜んでいるようにも見えない。

「魔王陛下が敗れるとは夢にも思わんが、もし奴が迎えに来れば、お前はまた元の生活に逆戻りだ。
……本当にそれでいいのか?」
「何を言っている。」
「そのまんまの意味だよ。」

リーモンはルタを少しだけ抱き寄せる。

「そもそもお前がここに居るのは、魔王陛下に挑んで返り討ちに遭ったからだろ?
親父や兄貴を見返したくて、陛下と自分の実力差すら分からなくなるぐらい焦って、その結果がこのザマだ。」
「……」

ルタが唇を噛み締める。

「兄貴が来てしまえば、お前はまたふたりに伝説の勇者の息子であることを求められ、プレッシャーをかけられ続ける日々に戻る。
いや、それどころか魔王の捕虜に堕ちたことを知られれば、更に肩身の狭い思いを強いられるだろう。
だが逃れる方法がひとつだけある。
……分かるな?」
「……………考えさせてくれ。」

長い沈黙の後、ルタはそれだけ呟いた。

「ああ、分かった。
覚悟が決まったのなら言ってくれ。
俺は既に、お前を守る覚悟は出来てる。」
「…ん。」

ルタは僅かに頷いた。

「ただ陛下の手前、拷問は続けさせてもらうぞ。」
「っ……分かっ、てる。」
「本当か?
今朝も言ったが、俺はもう一昨日までの俺じゃねえ。
手加減するつもりは一切無いからな。」
「……か、考える、から……」

リーモンの恐ろしさをよく弁えているようで、ルタはか細い声で呟く。

「心配しなくても、痕や後遺症が残ったり、心が壊れるようなことはしねえよ。」
「……」

そう言って抱きしめると、ルタは少しだけ緊張を和らげたが、まだ微かに震えは残る。

「…まあ話はこのくらいにしておこうか。
風呂、上がるぞ。」

ふたりは大浴場を出て、それぞれのいるべき場所へと戻った。
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