その日、僕は復讐を誓った

 2030年、人間社会は完全なる自動車主義社会へと変貌を遂げた。
 政府は、『完全なる車社会』への意向を固めた。
 徒歩、自転車、飛行機、フェリー、自動車以外の交通機関の撤廃とそれに付随する線路等の撤去、車道の舗装が各地でそれも性急に進められた。
 工事を請け負った数多の企業は儲けに儲け、潤いを得た。
 反対に、撤廃対象となってしまった交通機関の従業員達は、好条件で自動車関係の職への転職を余儀なくされた。
 元の職が好きという訳で仕事をしてなかった者達は、これ幸いと古巣を離れていった。
 だが、元の職が好きだった誇りだった者達にとっては絶望的状況だった。
 それを切欠として失職者となる者達が東京を中心とした都心部に溢れた。
 有名な広場、公園などは失職したホームレスで溢れかえり辺りは異臭を放っていた。
 最早、日本という国からはバス、電車といった産物は関連性のあるモノまで捨てられた。
 東風園修一(こちぞのしゅういち)も政府が決めた方針によって家庭崩壊してしまった犠牲者だ。
 これは、一人の青年が復讐の炎を滾らせ、報復を誓った復讐劇。
 
 ---読む者に聞きます。
この青年は善ですか? それとも悪ですか?
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