悪役令嬢になりたいのにヒロイン扱いってどういうことですの!?

永江寧々

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一歩前進

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「いらっしゃい、馬鹿王子」

 リアーヌの言葉を借りて歓迎すると眉を寄せる顔は見慣れているはずなのにどこかおかしくて笑ってしまう。怒ったような顔で暫くリリーを見ていたがフンっと鼻を鳴らしてベッドに腰かける。

「また抜け出してきたの?」
「休憩だ」
「こんな時間に?」
「息抜きは必要だ」

 今頃セドリックが怒っているのが目に浮かぶと苦笑するも帰れとは言わない。

 あの日以来、二人は少し距離が近くなった。
 リリーはクロヴィスが嘘をついていた事にまだ怒ってはいるが、クロヴィスなりに考えてやった事だと理解しているため態度には出さずにいる。それが円満に関係を築くコツだとオレリアが言っていたから。
その証拠にあれから二人は言い合いをしていない。

「キスはしない」

 ベッドの傍の椅子に座らずベッドに腰かけた理由がソレかと、顔を近付けてきたクロヴィスの顔前に手を出して拒否した。
 リリーはクロヴィスが覚えていないから赤裸々に語ったのに記憶を失っていなかったため、ただの告白になってしまったのを思い出して一日中悶え苦しんだ。
 好きだと言われた事に対して返事をしていないと思って行動したのだが、記憶を失っていないと知っていたらもっと冷静に返事をしたのにと羽根が舞うほど枕をベッドに叩きつけたのだ。

「……何故だ? 想い合っているだろう」
「キスしに来たの?」
「ああ」
「ああ⁉」
「ダメか?」
「ダメじゃないって言うと思う?」
「そう願う」
「ダメ」

 良くも悪くも素直であるクロヴィスに対するリリーの態度は想いが通じ合った後でも変わらない。
 今は部屋で二人きり。フレデリックもいなければアネットもいない。キスをしたところで誰かに見られるわけでも冷やかされるわけでもないが、リリーはそれを受け入れようとしなかった。

「まあいい。結婚すれば嫌でもするようになる」
「どんな理屈よ」
「俺も暇じゃない。これを渡しに来た」

 薄い箱を差し出されると中身が何なのか大体の想像はついた。リアーヌと同じ薄い箱。そしてクロヴィスの性格上きっと———

「ハンカチ」

 箱を開けると中には白いハンカチが入っていた。白の生地の隅に赤いバラが刺繍してあるシンプルなハンカチ。

「俺が選んだ」
「高そう」
「無粋だぞ」
「ふふっ」

 時折感じた昔と変わらない態度も結局は隠しきれていなかっただけだった。
 都合の良い解釈で忘れていた相手の不器用な優しさもリリーが大事にしなかっただけ。
 あの時と同じようにハンカチを渡して人に用意させた物ではない事を主張する変わらない所に笑ってしまう。

「俺はあそこまで言われるほど馬鹿か?」
「リアーヌ様はもともと貴方みたいな人が好きじゃないから」
「嫌われているのか?」
「前まではそうだった。でも今は違う。ちゃんと貴方が私を大切にしてくれてる事に気付いている。口が悪いだけよ」
「お前より鋭そうだ」
「ええそうね。だから貴方がキスしたい事にも気付かずお喋りだけして帰らせる」

 相変わらず一言多い相手にニッコリ笑ってドアを指差せばゴホンッと咳払いをする目の前の男に肩を竦める。

「一度したんだから二度も三度も同じだろう。何が嫌なんだ?」
「その態度」

 笑顔を崩さないまま間髪入れずに答えるリリーの声は軽いが強い。
 記憶を失っていないのなら自分の言った言葉を覚えているはずだと無言の圧力をかけるリリーにクロヴィスは一度横に視線を逸らしてから肩で息を吐き出して真っ直ぐ見つめる。そしてリリーの顎を軽く上げさせた。

「キス、してもいいか?」

 囁くように言われるとリリーも突っぱねる事が出来なくなる。心臓の鼓動が聞こえるほど静かな空間で整った顔に見つめられ動けなくなるヒロインはこんな気持ちだったのかと普通の恋愛小説のヒロインの気持ちがわかった。

———これは確かに抗えない。

 そして久しぶりに真正面からじっくり顔を見つめた。
 少し前ならクロヴィスの何がそんなキャアキャア言う事があるんだと思っていたが、今なら言うレベルだと認めてしまう。
 だが「いいよ」と言うのは乙女な感じがして恥ずかしく、左右に視線を動かしてから目を見て小さく頷いた。
 ゆっくり触れ合う唇にリリーは心臓が破裂しそうだった。

「リリー、クロヴィス来てねぇ…っとっとっと……悪い。タイミング最悪だった」
「い、いいの! 全然いい! 大丈夫!」

ドンッと胸を押して突き飛ばすように離させたリリーは目を押さえて背中を向けるフレデリックに声を裏返しながら返事をした。

「何だ?」
「セドリックがブチギレてる」

 明らかに機嫌が悪くなったクロヴィスに背中を向けたまま最悪の事態になっている事を伝えればリリーはベッドから降りてクロヴィスの背中を押しながらドアに向かう。

「仕事しなさい」
「まだ足りん」
「仕事サボってる人間にご褒美はなし」
「褒美ではない。権利だ」
「合意の上で成り立つものに権利主張は認めません。さっさと行きなさい」
「なら褒美という言い方もおかし———」
「さっさと行きなさい!」

 もう一度押してベッドから下ろすと上げ足を取ろうとするのを遮って外を指差した。
ああ言えばこう言う。
クロヴィスに何を言っても当たり前のように返ってくる言葉が腹が立つ。

「リリー」
「ん? ……さっさと行きなさいよ!」
「また来る」

 静かな声で呼ばれて顔を上げるとまたキスをされた。驚きに目を見開いたリリーが声を荒げるもクロヴィスは余裕の笑みで片手を揺らしながら去っていく。
 急げと急かされながらも急がないマイペースな男の背中が見えなくなるまで見送るとその場にしゃがみ込んだ。

「真っ赤ですね」
「……ツッコまないからね」

 急に声をかけてきたアネットがいつから居たのか、どこから見ていたのかといつもならツッコむところだが今回はそれもナシ。
 耳まで熱いのが自分でもわかる。
 たかがキス。たかが唇を重ねただけ。それなのにこんなにも心臓が速く動き大きな音を立てる。

「旦那様は大喜びですよ」
「お父様の匂いがする。臭い」
「思春期ですか?」
「ほっといて。あー……クロヴィスがあんな積極的な性格してたって知らなかった」
「彼も男ですからね」
「そうだけど……」

 婚約者であるリリーでさえクロヴィスは恋愛に興味がないと思っていただけにこれほど変わるとは思ってもいなかった。
 洞窟の中での行為は雰囲気に流されて、と自分の中で言い訳をしていたがクロヴィスはそうじゃなかった。ああした事によって互いの想いは通じ合い、そういう行為を贈り合う事に合意したと思っている。

———間違ってはない。そう、間違ってはないんだけど……恥ずかしすぎる!

「アネットはお父様とこういう事して恥ずかしくなったりする?」
「いえ、旦那様は———」
「やっぱりいい! 親のキスとか聞きたくない!」

 匂いが移るぐらいだから自分とは全く違うもっと上のレベルにいるだろうアネットに聞くなどおかしな話だと首を振った。

「一歩前進ですね」
「……そうなのかな……」

 アネットの言葉にリリーはふと考えた。

「婚約してて破棄されて、色々あって想いを伝えあったけど、まだ婚約破棄は撤回してない。これってどんな関係になるの?」
「恋人でしょうね」
「恋人……? いや、いやいやいやいや、恋人じゃないでしょ!」

 生まれた時から〝婚約者〟だった相手が〝恋人〟と呼ぶ相手になるのは変な感じでいまいちピンと来なかった。

「この関係が何であれ、そう長くは続かないと思いますよ。登校されれば何か変わるのでは? 問題をそのままにしておくような方ではないでしょうし、撤回するのであれば二人一緒にいる時と考えるのが妥当ではないでしょうか?」

 そもそも何故クロヴィスは婚約破棄をした事を後悔していながら撤回をしなかったのかリリーにはわからないままだった。
 不安、というには漠然とした感じで、疑問と呼ぶ方がしっくりきていた。

「あの方は昔からお嬢様一筋ですよ」
「私より知ってるような口ぶりね」
「相談を受けていましたからね」
「そうなの?」

 初めて聞く事に驚くと中に入るよう促され、立ち上がって中に入りながらどういうことかとアネットに視線を向けた。

「リリーは何が好きか、リリーはどんな男が好きか、リリーは何にハマっているか……毎年誕生日が近くなると私の所へ来ては質問ばかりされていました」

———いつの間に……。

「好きな男は出来たかって毎年聞かれた」
「不安だったのでしょうね。お二人の関係はあくまでも親が決めた関係に過ぎない。そこに互いを想い合う気持ちはなかったわけですから心寄せる相手が出来てもおかしくない。彼はそう言っていました」
「クロヴィスが不安になるって想像出来ない」
「どんな完璧主義者でも人間です」

 その一言にリリーは頷くことしか出来なかった。
 クロヴィスは完璧な人間で、自分にも他人にも厳しかった。失敗知らずで何をやらせても完璧にこなせる嫌味な男。リリーの中でクロヴィスはそういうイメージだった。実際、リリー以外にもそういうイメージを抱いている者は少なくないだろう。
 だが、その〝完璧〟に辿り着くまでに途方もない努力をしてきた事を知っている。遊ぶ時間を減らし、王になるために必要な事は全て子供の頃に叩き込まれ、一ミリのズレも許さないような人間に育った。
 ジュラルドは優しく柔和に見えるが、実際は間違えた人間には厳しく何でもハッキリと言うタイプだった。
 あの日、エステルにハッキリ言ったのもオレリアではなくジュラルドで、一人息子に期待を寄せるのも当然のこと。
 それがどれほど厳しいものだったか直接目にした事のないリリーには想像もつかないが、笑う事をやめてしまうほどのものだったのだろう。

「そうね」

 それでも彼が人間をやめたわけではなく、人一倍、二倍と責任感が強いからこそ変わってしまっただけのこと。
 キスをして赤くなるのも、想いが通じ合った相手にキスをしに来るのもおかしな事ではない。

「フレデリックが可哀相ですね」
「ちょっと」
「年上は好きでしょうか?」
「アバズレお断り」
「それは残念です」

 笑顔で受け入れたアネットに最初からその気などない事ぐらいリリーにはわかっている。リリーをからかうための発言というたちの悪さに眉を寄せて腕を組み仁王立ちになったリリー。

「お父様のどこがいいの?」
「男らしいですよ」
「どこが?」
「立場に関係なく人に媚びられる所でしょうか」
「情けないの間違いじゃない?」

 リリーには到底理解出来ない父親の〝男らしさ〟と〝媚び〟の関連性。
 媚び公爵と呼ばれている父親のどこに男らしさが存在するのか耳を疑った。

「公爵が伯爵に媚びを売るのはおかしいですか?」
「おかしいとは言わないけど、お父様は公爵でありながら誰にでも媚びるじゃない。公爵なんだからもっとドンッとしてればいいのにそうしない。私にはお父様の行動が理解出来ないの」

 公爵である父親に媚びを売る貴族は当然いる。余裕を持って対応すればいいのに父親はいつだって相手が誰であってもゴマすりのように下手に出ていた。リリーにとって幼い頃からずっと疑問で不満だった父親の行動。

「どこで誰と繋がるか、どこで誰と敵になるかわからないのが貴族の世界です。笑顔で接しながらも裏では舌を出している。それが当たり前なのです。中には公爵という爵位を持っている事が気に入らないという理不尽な恨みもあるでしょう。旦那様はそんな世界で生き残る術を知っているのです」
「公爵でありながら媚びる事が生き残る術なの?」
「伯爵が公爵と繋がりがないと? 男爵が王族と繋がりがないと言いきれますか?」
「それは……」
「繋がりというのはその場にいなければ目に見えないもので、その人が持つ糸がどこと繋がっているかは探らなければわかりません。公爵だからとふんぞり返っていては味方どころか敵ばかり出来てしまいます。お嬢様にはまだ旦那様のやり方を理解する事は出来ないかもしれませんが、旦那様は旦那様なりに努力されているんですよ」

 どう理解していいのかがわからなかった。リリーが〝公爵令嬢〟と呼ばれるのは当然父親が持っている爵位のおかげ。裕福な暮らしも人に首を垂れる必要のない環境も全て父親のおかげだ。だが、その反面、ずっと〝媚び公爵の娘〟と呼ばれてきたのも確かで、自分がそう言われるということは父親の耳にはもっと多くの嘲笑が届いているはず。それなのに父親はそれを撤回させようともせず受け入れ続けてきた。
 笑い者になりながらも媚びる選択を続ける父親をどう理解しろと言うのか……リリーは首を振った。

「この家を、家族を守りたいという気持ちで動かれている事だけはどうかご理解ください」
「浮気も理解した方がいい?」
「まあ、息抜きは大事ですから」
「そうよね。息抜きは大事よね。踊り子とダンスを楽しむのも大事だわ。濃厚なダンスをね」

 該当者であるアネットへの嫌味を口にするリリーはやはり理解しようとは思えなかった。家族を守っているという事実があれば若いメイドに入れ込んでもいいのかと不満に思う。
 リリーが父親と話すのは婚約の事についてだけ。あとは顔を合わせる事もなくなった。だから父親が何を考えているのかわからないし、理解も出来ない。
 アネットを捨てて新しいメイドを可愛がっているかと思えば今はまたアネットに戻っている。それがまんざらでもないアネットも理解出来なかった。

「近々旦那様からお話がある事と思います」
「よくやった! でかしたぞリリー! お前ならやると思っていた! さすがはブリエンヌ家の、いや、さすがは私の娘だ!」
「よく似てらっしゃいます」
「やめてよ」

 真似はしたが似てても嬉しくないと肩を竦めて溜息を吐いたリリーはアネットが言うように一歩前進と思うには思っているが、まだ何も決まっていないし解決もしていない。
 複雑だった。

「リリー!」
「ノックぐらいしてください!」

 難しい顔をするリリーが驚きに声を上げるも父親は上機嫌に笑って近付き娘を抱きしめた。

「よくやった! でかしたぞリリー! お前ならやると思っていた! さすがはブリエンヌ家の、いや、さすがは私の娘だ!」

 一語一句違える事なく予想出来てしまった事と抱きしめられる嫌悪感に表情は緩まず、父親の背中越しに目が合ったアネットに舌を出して今の感情を伝えた。

「ジュラルド王からも手紙が来たんだ! 婚約の話を再開させたいとな! 一時はどうなる事かと思ったが、やはりお前達は結ばれる運命にあるんだ!」

 アネットからは父親の、父親からはアネットの匂いがする事に眉を寄せるも珍しく一人上機嫌な父親に余計な事は言うまいと黙る事を決めたリリーは小一時間は父親のハグから解放されなかった。


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