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連載
終幕
しおりを挟むエステル・クレージュはとても可愛らしい娘だった。
幼い頃から可愛いと大人達から可愛がられ特別な目で見られていた。だから両親はいつもエステルに特別な愛情を注ぎ続けた。
貧しい裏町に生まれながらもその愛らしさから苦労はしなかった。食うに困れば誰かが食べ物を持ってきてくれたし、着るに困れば誰かがキレイな服を持ってきてくれた。
「エステルは可愛いね」
「エステルは天使のようだ」
「エステルは特別なんだ」
エステル、エステルエステル、エステルエステルエステル———エステルが外を歩けば誰もがその名を呼んだ。
だからエステルは思っていた。
「私は特別なの」
幼い頃から両親に言われていた。
「アタシらはこれでいいが、アンタは違う。エステル、アンタはこんな場所にいていい子じゃないんだよ。アンタはもっと上に行くべきだ。お偉い貴族の男を掴まえて王女様になる。それがアンタの使命さ」
エステルの両親の希望はエステルだった。
自分達は食わずともエステルには食べさせた。
自分達がどんなボロを着ていようとエステルにはキレイな物を着させた。
何を犠牲にしてもエステルを裏町から出させ、貧しい民たちには縁のないあの煌びやかな灯りの中へ送る。
そのためなら両親は昼夜問わず働く事を惜しまず、稼いだ金は全てエステルのために使った。
エステルが十五歳になった年、両親は一枚の紙きれを握りしめて泣いていた。土下座するように床で背を丸め、子供のように泣きじゃくっていた。
「ああ……ああ……」
嗚咽しか出てこない母親と泣いた顔を隠さず立ち上がりエステルを強く抱きしめた父親。
「よくやった」
静かに、だが強く、父親はエステルを褒めた。たった一言、それだけだが、エステルはそれが涙が出るほど嬉しい褒め言葉だった。
エステルが救済枠の合格者として貴族の学校に入学出来ると決まった日だった。
「離してよ!」
あれだけ媚びていた相手でも本性がバレてしまえば取り繕う必要もないのか思いきり手を振り払って睨み付けた。
「マリー・シュピッツが全て白状している」
「フレデリックの尋問はさすがだよね。女の子はいつも秒殺」
「黙ってろ」
小声で本人を褒めるセドリックにフレデリックも小声を注意した。
「エステル様」
「アンタが私を様付けで呼ぶ度にムカついてた。貧民だって馬鹿にしてた私に同情してそう呼んでたわけ? さぞ気分が良かったでしょうね! 見下してたくせに!」
「そんなつもりで呼んでたわけじゃ……」
リアーヌにも『何故様を付けるのか』と聞かれた事があった。相手は貴族ではないのだから必要ないと言う者は多かったが、それでも同じ学園の生徒なのだから同じように呼んだ方がいいだろうと思っての事だった。貧民と呼ぶ以外にエステルを傷つけていた事があったとは想像もしていなかった。
「エステル様」
「その呼び方やめて! 公爵令嬢のアンタに様付けされるとムカつくって言ってんのよ!」
怒鳴り散らすエステルに一度キュッと唇を締めると深呼吸をしてもう一度口を開いた。
「どうして私なのですか?」
エステルに意地悪をしたのは確かに自分から。悪役令嬢になりたいからとむやみに傷つけたのは確かだが、命を狙われるほどの事はしていないと困惑していた。
「アンタみたいなタイプが一番嫌いだからよ」
眉を寄せるリリーにエステルはハッと鼻を鳴らして軽く顎を上げて仁王立ちをするように腕を組んだ。
「アンタみたいに何でも持ってるくせに自分は恵まれてる人間だって自覚してない奴が一番嫌いなの。生まれながらにして王子の婚約者で、公爵の娘。美貌も持ってて人気まであった。そんな奴が悪役令嬢になりたいなんて馬鹿げた夢を持って横柄な振舞いをし始めた。まるでおままごとのようにね」
「私そんな軽い気持ちで始めたわけじゃ……」
リリーの言葉にエステルはヒールで思いきり地面を蹴った。
「じゃあ何でアンタは今も全部持ったままなのよ!」
「全部って……?」
「何もかもよ! 王子も幼馴染も友達も地位も何もかも! アンタは何も失ってないじゃない!」
悪役令嬢を遊びで始めたつもりはなかった。なりたいから、婚約破棄をされた自由な今なら出来ると思ったから。だが、結局は悪役令嬢らしい事など何一つ出来ないままふわふわとした状態でさ迷っていただけだった。憧れのシチュエーションを再現したいファン心理と同じ。
大事な物を失うかもしれないと思った途端に悪役令嬢への夢が揺らいで貫けなくなった。
ここに来るまで必死だったエステルにとってリリーの悪役令嬢ごっこは【ままごと】にしか見えなかった。
だから憎かった。
「私がどれだけ努力したかわかる? 外で遊ぶ事も出来ずに勉強ばっかり。全部ここに入るためにしてきた努力だった。教育係は憧れの王子様。でもその王子様には婚約者がいた。高貴な者には婚約者がいる。それはわかってた。だから奪うつもりだった。私にはこの顔と声があったから。あとは気に入られる性格になればいいだけだった。そしてそれは難しい事じゃなかった」
クロヴィスがエステルに靡いた時の話だとすぐにわかった。
「そこにいるクロヴィス・ギー・モンフォールは婚約者であるリリー・アルマリア・ブリエンヌを愛してなかった。笑顔一つ見せない女は可愛くないと笑顔でいた私を可愛がってくれた。婚約破棄の提案をした私を不審がる事なく従ってくれたわ」
エステルの提案だと知らなかったリリーは思わずクロヴィスを振り返るもクロヴィスは表情一つ変えずエステルを見つめていた。口元がキュッと結ばれているのを見ればあえてこっちを向かないのだとリリーにはわかった。
「後で水掛け論にならないよう広場での宣言を薦めたのも私。そしたらどう? 大勢の人間が集まる広場の真ん中であの男はアンタに婚約破棄を言い渡した! あっはっはっはっは! あれは傑作だったわ! ホント、最高の瞬間だった!」
声を上げて笑うエステルだが、続く「でも……」の言葉にその次の瞬間の光景が鮮明に甦る。
「アンタはショックを受けて泣くどころか笑顔でそれを受け入れた! 強がりじゃなく、本心から喜んでた!」
震える声、憎悪を感じる眼差し、小動物のように思えていた愛らしいエステルではなくなっていた。
「それを受け入れればいいのにこの男はアンタを追いかけ始めた。私の存在なんて無視してね!」
リリーにも不思議だったが、エステルにとってはもっと不思議だっただろう。
「何でアンタが手に入れるわけ⁉ 何で何の努力もしてないアンタが手に入れられて努力してきた私が手に入れられないのよ! そんなのおかしいじゃない!」
悲鳴に近い訴えにリリーは唇を噛みしめた。グッと拳を握ってどうしようか迷いながらも口を開いた。
「私はあなたより努力してきた」
挑発するような発言だが、その発言を誰も止めようとはしなかった。
「アンタが私より努力してきた⁉ ふざけんじゃないわよ! 暑さや寒さに喘ぐことも、食べる物に困った事もないくせに何が努力よ!」
「生まれた環境下で耐える事は努力じゃない」
「なっ!」
リリーの言葉にエステルの目が見開かれる。
「あなたはこの学園に入るために血の滲むような努力をしてきたかもしれない。勉強、マナー、言葉遣い。裏町に行ったこともない私には想像もつかない努力だったでしょうね」
「当たり前じゃない!」
「あなたの言う通り、私は暑さに倒れ、寒さに凍えた事もない。今日明日の食事の心配をした事だってない。心配をする人がいる事だって子供の頃は知らなかった。恵まれているのは間違いないでしょう」
生まれた環境が普通で、自分より下の人間は爵位で判断していた子供時代。成長していくにつれ知っていった想像を絶する生活をしている者がいる事。それでもまだ、自分には関係ないと思っていた。この瞬間、エステルが話すまでは……。
「でも、だからといって私が何の努力もせずに生きてきたような言い方をされる覚えはありません」
「アンタの努力なんて刺繍とダンスぐらいでしょ。そんなの努力に入らない。ただの勉強じゃない。笑わせないでよ!」
笑ったかと思えば怒りだす感情の起伏にリリーの心臓は異様な音を立てて動いている。
「刺繍やダンスはあなたの言う通り勉強にすぎない。政治に関わる事が出来ない女がすべき事はそれぐらいだから。でも実際はそれだけしていればいいわけじゃない。王子の婚約者である以上はそれに相応しい振舞い、言動、知識、笑顔や仕草まで叩き込まれる。好きな服も、髪飾りさえ自由に選べない。私はブリエンヌ公爵の娘リリー・アルマリア・ブリエンヌではなく、クロヴィス・ギー・モンフォールの婚約者リリー・アルマリア・ブリエンヌとして見られ続けてきた。いつだってその肩書きに相応しいレディである事を要求され、応えなければならなかった」
「そんなの婚約者なら当たり前じゃない!」
「ええ、そうね。当たり前の事よ。だって私は王位継承権を持つ男の妻となる女だから」
何度も自分に言い聞かせた〝当たり前〟それがいつも苦しかった。
(自分には荷が重すぎる。王女なんてなれるはずがない)そう泣いた日もあった。
「もう出来ない、もう嫌だと泣いても父は許してくれなかった。一つのミスも許されない、完璧に出来るまで休む事も許されなかった。私は一度だって父親から私だけの功績で『よくやった』と褒められた事なんてない。褒められるのはいつも王子のためにすべき事をした時と王子に何かしてもらった時だけ。幼馴染として口を利けば怒られるし、その延長線上に起きた無礼には手を上げられた。そして愛想まで尽かされた……」
不幸自慢をするつもりはなかったが、親に愛され期待され、それに応えるために努力をしてきたエステルこそリリーには恵まれた環境で育ったように思えた。
貧しさこそあれど、親の愛情を受けて育った事はリリーには羨ましいという感情しか出てこなかった。
「でも耐えてこれたのはあなたと同じで、私にも支えがあったから。私が辛いと思っている以上の事を彼は幼い頃から押し付けられてきた。王になるため。その言葉だけで全てを背負わされ、でも文句一つ言わずに従い続けた。その姿を見てきたから私もやるって決めて努力し続けてきた」
「でもアンタは自分から手放した! 縋りつくことも出来たのに!」
鋭い指摘にリリーは俯く。追いかけ、愛を向けてくれたクロヴィスに正面からぶつかる事が出来ず逃げ続けてきた。
愛を手放し、情けないほど縋りつきたくなっていたのは自分。
「……あなたの言う通り、私は縋りつかず、婚約破棄を心から喜んでた。でも、そのおかげで彼と向き合う事が出来た。あの時はまだ、彼を、クロヴィスを知ろうとしてなかったから……」
「でも手放してわかったって? 悲劇のヒロインぶってんじゃないわよ!」
ヒロインになんてなりたくなかった。守られてばかりのか弱い女になど。
悪役令嬢になりたかった。芯のある強い女性に。
でもそれはもう過去のこと。
「私は彼を愛してる」
リリーの言葉に広間にいた令嬢たちが黄色い悲鳴を上げる。
「ふ、ふっふざけんじゃないわよ! 今更正妻の座に戻ろうってわけ⁉ そんなこと許されるわけないでしょ! くだらない夢のために王子を傷つける女が王子の妻に相応しいわけないじゃない!」
まるで応援していたかのような周囲の反応に焦りを感じたエステルが負けじと声を上げるもクロヴィスが片手を上げた事で歓喜の声は無となった。
「夢を持つ事は万人に許される事だ。確かに王子の婚約者が悪役令嬢とやらになりたいなどと願うのは愚かな事かもしれん。くだらん戯言だと思うだろう。だが、彼女が言うように、それを目指したのは婚約破棄の後だ。責める事は出来ない」
婚約破棄後は自由の身。その身で何をしようと自由だとクロヴィスが言えばエステルは悔しそうに唇を噛みしめて強く握った拳を震わせていた。
「しかし、憧れるが故に無礼な言動をしたのも確かだ。それは公爵家の娘として、貴族として恥ずべき事でもある」
クロヴィスの言葉に何人かが頷いているのが見えた。
「そしてそれは自分の気持ちに迷い、相手の気持ちを試すための身勝手な婚約破棄をした俺も同じだ。恥ずべき愚かな行動だった」
王子からの一方的な婚約破棄に戸惑った生徒は大勢いた。何があったのかと困惑し、それは父親世代にまで蔓延した。
リリーがいなくなるのであれば空いた座は自分の娘を、と慌ただしく仕掛けた者もいた。
その原因を作ったのは全て自分のせいだと認めたクロヴィスに背後で待機していたセドリックとフレデリックは小さな笑みを浮かべながら肩を竦めた。
「婚約破棄をして追いかけ回しても一向に婚約破棄を撤回しなかったのはその気がなかったからでしょ⁉」
リリーがずっと疑問だったクロヴィスの行動はエステルにとってもそうで、だが同時にそれこそが自分が入り込むチャンスだった。王子であれば一方的にでも撤回すれば済む話なのにそれをしないのはリリーという人間に今更になって興味が湧いたからなだけだとエステルは指摘した。
だが———
「もし、君を勘違いさせてしまっていたのだとしたら申し訳ない」
エステルの顔にボッと火が付いたように赤くなった。
クロヴィスの言い方はまるで最初から自分一人が舞い上がった日々を過ごしていたかのように取れる言われ方に屈辱を感じた。
「俺が撤回をしなかったのはリリーの気持ちを待ちたかったからだ。自分勝手だとわかっている。だがこれは俺とリリーだけの問題ではなく家の問題でもあった。それをジュラルド王とオレリア妃が理解してくれているからと理由も言わず追い続け、彼女と彼女の家族を傷つけた。撤回し、再び婚約者になる時はリリーの気持ちがある状態でと思い、撤回せずにいた」
撤回という強硬手段に出れば〝元婚約者〟は〝婚約者〟へと戻るが、それをしなかった理由を初めて明かしたクロヴィスの想いにリリーは胸が締め付けられた。甘い喜びと苦い苦しみの両方に。
「今この瞬間、皆が証人になってほしい」
クロヴィスの言葉にその場にいた生徒達がざわつき始める。
「クロヴィス・ギー・モンフォールはリリー・アルマリア・ブリエンヌに宣言した婚約破棄を撤回する!」
湧き上がる歓声の中、リリーはその宣言が何とも情けなく感じて苦笑いをするもようやく顔を向けるクロヴィスの表情が笑顔である事につられて笑ってしまう。
「惨めね」
大歓声の中、エステルとマリーは待機していた騎士達によって連行されていく。これから受けるであろう裁判と免れない学園追放に二人の人生は決まったようなものでリアーヌは同情の目を向けた。
「公爵令嬢の命を狙った罪は重い」
「奪い合う世界で生きてきた者にはこれが最善の策だったなんて悲しすぎますわ。貧しい娘が王子に一目惚れされて駆け上がっていくプリンセスストーリーなんて実際にはありえないのに。彼女も叶わない夢を見てしまったのですね」
「そうだな」
絶望に染まった顔をした二人が最悪の結末を迎えない事を願うしかないとフレデリックは静かに目を閉じた。
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