顔も知らない婚約者 海を越えて夫婦になる
「明日、お前の婚約者がここへ嫁いでくる」
生を受けて16年、婚約者がいることは一度も聞かされていなかった。
貴族の子供に婚約者がいるのはおかしな話ではない。衝撃ではあったが、一体どういう相手なのだろうと問いかけたハロルドの耳に届いたのは想像もしたくないほど最悪な言葉。
「美しい和の国の女だ」
和の国を愛してやまない祖父が決めた婚約者。
誰も逆らうことができない祖父の絶対命令に従うしかなく、ハロルドは婚約者ユズリハを迎える。
和女を婚約者にしたことがバレては笑い者になる。
和人に嫌悪するハロルドにとって人生終了のお知らせも同然。
ユズリハに感情も事情も全て正直に告白したハロルドは驚くことなくそれを受け入れ「愛し合えとまでは言われておらぬ」と笑う姿に唖然とする。
地獄の始まりだと婚約者を受け入れようとしない伯爵家次男は想い人と一緒になることを夢見ているが、自由に暮らす和の国随一の豪商の娘はそれさえも応援すると言い……
完結おめでとうございます
ありきたりの言葉ですが、(今作も)とても面白かったです。
最近、ある方に教えて頂いた言葉ですが「想定内、だけど予想外」…これが話の面白さの1つのポイントかと。少なくとも私にとっては。
なんとなく、読む前から最後はうまく行くのだという予想がありました。なので、最初はシッチャカメッチャカだよね~と。私まで軽く拳を握る場面もありましたが想定内です。が、ハロルドが小爆発するたびに起こる小さな予想外。ハロルド本人にとっては訳がわからないレベルの予想外だったのでしょうが。笑
ハロルドもろとも、私もあっという間に、それもごく自然にユズリハファンに堕ちました。滅多に自ら料理などせぬ私が。卵焼きが食べたくなって久しぶりにちまちま巻いたほどに。シキの優秀さを思うとここは難易度高いだし巻き卵だったかも?ですが、きっとリズミカルに腰入れながら向こうからこちらへ。シキがきれいに卵焼き折りたたむように巻いて行く姿を想像しながら。シキとは違って卵焼きしか焼かないのだから、と青ねぎ刻んで巻き込むことにしたせいで、青ねぎ刻むのが実は1番しんどかったかも?というおまけ付き。お味噌汁も作ることにしたものの、出汁の素を常備していないせいで、出汁までとるハメに。卵焼きにワカメのお味噌汁…出来はともかく食べたくなったものを食べたせいでとても美味しかったです。笑
で。料理(…と言えるほどのものではないですが)をしたせいで、ふと、料理している間の頭の中の静まり方に気が付きました。沸騰するまでにこれを…などと、意外と手は忙しいのですが、頭の中はシンと静かな感じ。ネギ刻んでいる間なんか、無心でユズリハの笑顔を思い浮かべていたように思います。ああ。これがシキの愛か、と。シキはもっといろいろ作っていますから、もっと忙しいでしょうが、黙々と手を動かしながら、静かに想う時を毎日毎日、日に3度持っているのだなと。ああ。私もシキが欲しい!
そろそろ?と昨日から一気読み始めて、まさか今日完結するとは思っていませんでしたが、あったかいラストでした。ラストではありますが、スタートでもあると。個人的に新しいチャレンジ始めた私にはぴったりでした。わずか、そっちはうまく行ってて羨まし過ぎですが。
私は、夏まで、ロスだなんだとわがまま言わずにいい子で待とうと思います。ので、作者さまはぜひ、元気でお戻りくださいね。
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