顔も知らない婚約者 海を越えて夫婦になる

永江寧々

文字の大きさ
4 / 69

物分かりの良い女

しおりを挟む
「僕は昨日までお前が婚約者だってことも知らなかった」
「おお、そうであったか。驚いたであろう」
「それはもう死ぬほどな。朝、学校に行く前に呼び出されて『明日お前の婚約者が嫁いでくる』と言われたんだ。写真もなければ情報もない。和の国の女であることしか教えてもらえないまま今日を迎えたんだ」
「そうか」

 こんなことをユズリハに言ったところで困らせるだけだと分かっていても言わなければ不満になり続ける。祖父には言えない苛立ちを嫁いできたばかりのユズリハにぶつけることで解消しようとしている。
 ユズリハがどう聞かされていたかは知らないが、困惑しているのは自分のほうで、この関係を望んでいるわけではないと伝わってくれとユズリハを見つめていると数回頷いた。

「お前様はわらわが生まれてからの十五年間、ジジ様より何も聞かされておらず何も知らなんだと?」
「そうだ。だから僕はお前が妻と言われても受け入れられない。好きになることはないだろうしな」
「そうか。じゃが、お前様はジジ様に逆らえぬのであろう?」
「……そうだよ。お前の前じゃどうか知らないけど、ウォルター・ヘインズは誰もが恐れる暴君だ」

 こんな暴言を祖父に聞かれれば仕置き部屋に入れられるのは間違いないが、祖父はユズリハの父親と盛り上がっている最中であるため此処には来ない。
 言いたかった言葉を言えたことで少しスッキリしたハロルドはユズリハに申し訳ないという気持ちがないわけではないものの、昨日初めて聞かされた婚約者と結婚するつもりはないため夫婦ごっこをされる前に言っておきたかった。
 これはハロルドにとっても一種の賭け。自分の気持ちを伝えることでユズリハが父親に泣きつけば全て終わり。受け入れなかった孫を祖父は罰するだろうし、ウォルターとダイゴロウの関係にもヒビが入るかもしれない。
 それでもハロルドがユズリハに告げたのはユズリハが妙に物分かりの良い人間だとわかったから。
 もし、こんなことで泣き出すような性格なら馬車から降りたときに堂々と嘘をつくことはしない。物事を円滑に回すためには多少の嘘が必要であることをユズリハは知っている。
 そう感じたから告げた。ハロルド自身、これが卑怯であることは自覚しているが、期待されたくなかった。
 どうする?とユズリハがどういう行動に出るか緊張しながら見ているとユズリハは限界まで口を大きく開けて大笑いし始めた。
 屋敷中に響き渡るほどの笑い声にポカンとしているのはハロルドだけ。笑い話ではないはずだと何度も目を瞬かせ、触れはしないが軽く手を伸ばした。

「わ、笑い事じゃないだろ? 僕の言ったこと、理解できてないのか?」
「できておるよ。お前様はわらわと婚約破棄はせぬが、妻として見ることはないと言うておるのじゃろう?」
「そ、そうだ……」

 結婚はしなければならない。祖父に逆らえば未来が潰える。だから形だけの夫婦は取るが、妻として受け入れることはないし夫として動くつもりもないと告げたことをユズリハはちゃんと理解している。その上で大笑いしているとわかると余計に不可解だった。
 馬鹿げたことを言っていると笑っているのだろうか。子供だと思ったのだろうか。どちらにせよ笑われるようなことではないと眉を寄せるとそれに気付いたユズリハが声こそ抑えるが肩が揺れるのまでは止められず、俯いて笑い続ける。

「笑いすぎだぞ」
「あー笑った笑った。お前様があまりにもハッキリ言うものでな、意外すぎて笑ったのじゃ。お前様の言い分を笑ったわけではないぞ」
「意外?」

 今日、初めて会った人間に『意外』と言われるほど話していないのにと怪訝な顔をするハロルドにユズリハが微笑む。

「お前様のことはジジ様がよく話してくれた。賢く、努力家で、負けず嫌い。そこに柔軟性が加われば申し分ないが、真面目すぎる。それはお前様の長所でもあり欠点でもある。祖父の顔色を窺って行動を決める性格をしておるとな」
「別に窺って行動を決めてるわけじゃない……。睨まれたくないだけだ」
「そうらしいな。そう聞いておったので、お前様がジジ様を暴君だ、受け入れられないとわらわに告げたことが意外だったのじゃ。上辺だけでも取り繕うのではないかと思うておったからな」

 実際、そうするべきなのだろう。上辺だけでも取り繕って祖父が死ぬまでの長くても十五年か二十年、そうしていれば波乱もなく安定した人生が約束される。
 だが、そうしなかったのはユズリハが和女であることも一つの理由。妻として認めるには抵抗があり、片思いの相手がいるからこそ妻として受け入れたくないのもあった。
 両親も政略結婚で、兄も政略結婚。貴族にとって政略結婚は当然のことで恋愛結婚ができる者は稀。自分もそうしなければならないとわかっていても和女が妻では笑い者になるだけ。
 兄のようにサロンで婚約者を自慢したい。誰からも羨まれる結婚がしたい。自慢できる家庭を築きたい願望があるハロルドにとって祖父が自分の好みで決めた結婚など受け入れられるはずがなかった。

「お前様は、わらわに一目惚れしたか?」
「するわけないだろ」

 和女に一目惚れする男がどこにいるんだと眉を寄せたまま答えるとユズリハはそれに不快感は示さず穏やかな笑みのまま頷く。

「なら、それでよいではないか」
「え?」
「お前様もわらわも家長の決定に従い、結婚するだけのこと。愛し合えとまでは言われておらぬ」
「そ、そうだけど……」
「好いた女でもおるのか?」
「……いたとしてもお前に関係ないだろ」

 あからさますぎる反応だと自分でも思ったが、ハロルドは真面目が故に咄嗟の対応が苦手。いないと言うだけができないのだ。
 ククッとおかしそうに喉奥を鳴らして笑われると馬鹿にされているような気分になり恥ずかしくなる。

「僕は恋愛結婚がしたいんだ」
「そうか。ならば、そやつを形だけ愛人として迎え入れてはどうじゃ?」
「……は?」

 耳を疑う言葉に何を言っているんだと顔に書くハロルドの目に映るのは一口大のお菓子を頬張ってズズズと音を立てて緑の茶をすするユズリハの呑気な姿。

「音を立てるな。下品だぞ」
「熱うてな」
「女だろ。マナーもないのかよ」
「すまぬすまぬ。不快にさせたな」

 マナーも知らない女を妻として迎えなければならないことほど苦痛なことはないと眉間に寄ったシワが深くなる。
 両親の前では普通だった。パーティーで用意されたご馳走に手をつけるわけでもなく、紅茶やシャンパンにも手を伸ばそうとはしなかった。遠慮していたからではなくマナーがないことがバレてしまうからだとわかり、ハロルドの中で嫌悪感が増していく。

「わらわが異国の地に渡る条件として家を建ててもらうこととした。海を渡ったが最後、気軽には帰れぬ故、寂しくないようにとジジ様も実家を再現してくれたのじゃ。わらわはここでシキと暮らすことはジジ様にも伝えておるし、そなたには好きに暮らしてもらいたい」
「……でも祖父はきっと僕がお前と一緒にこの家で暮らすことを当然だと思ってるはずだ」
「奴が聡明な男であることはお前様のほうが知っておるじゃろう。わらわにとってもお前様とは今日が初対面。婚約者は一緒に暮らすべきと言われても困る。故に、わらわの意思を尊重してすぐに同棲などさせぬじゃろう」

 今の祖父は間違いなく孫である自分よりダイゴロウの娘であるユズリハを尊重する。ユズリハが嫌だと言えば無理強いはしないだろう。
 だがそれに安堵するのは危険行為も同然。ユズリハの機嫌一つで全て変わってしまうということ。ここでの会話を暴露される可能性だってあるのだ。

「わらわはお前様の妻となる身じゃが、お前様の妻として振舞うつもりはない。外に出てハロルド・ヘインズの妻という看板をぶら下げて歩くつもりもないしのう」
「当たり前だろ!」

 冗談だとわかってはいるが、想像してしまいゾッとした。
 今日は家族だけのパーティーで他人は呼んでいないためすぐにバレることはない。港で和人が来たと少し騒ぎになってはいたが、ウォルター・ヘインズの客だと思われただろう。
 兄のクリフォードにも『外で余計なことは言うなよ』と脅していたため言いふらす可能性は低い。だが、酔うと余計なことを口走る癖があるためわからない。
 これからずっとこんな不安な気持ちで生きていかなければならないのかと思うと地獄に落ちた気分になる。
 一つ救われたのは、ユズリハもこの結婚を親の命令として受け入れてやってきただけのこと。洋人と結婚できると浮かれていたわけではないことがわかり、それだけが安心できることだった。

「でも、お前はそれでいいのか?」
「かまわぬよ。ヘインズ家に嫁ぐことで役目は果たした。お前様は好いた相手を形だけ愛人として迎え入れればよい。それが最も平和なことじゃ」

 本当に物分かりの良い女だと思った。若干十五歳にして世の中の真理全てを悟ったような話し方をする娘が洋人であればハロルドも喜んで迎え入れた。
 金色の髪に碧い瞳。そばかすがあってもいい。名家の娘で夫を立てることのできる女。控えめで微笑が似合えば尚良い。
 ユズリハはそれとは程遠い女。

「わらわのことは話し相手ぐらいに思えばいい。暴君からの避難場所にでもしてやろう」
「絶対言うなよ」
「はっはっはっはっはっ! 自分で言うたのにか?」
「いないから言ったんだ! 絶対言うなよ!!」
「わかったわかった」

 女が男をからかうなんてあってはならないのにユズリハは平気でからかう。
 なぜからかわれて恥をかかなければならないんだと顔を赤くするハロルドが大きな足音を立てながら帰っていく。

「これでいーのかい?」

 どこからか聞こえる声に頷く。

「かまわぬよ。わらわには此処が居場所じゃ。立派な屋敷を建ててもらえただけで幸せと捉えねばならぬ。見よ、この美しい景色。西洋で拝めようとはな」

 実家で見ていた景色よりも美しいのではないかと笑うユズリハにシキは何も言わなかった。
 ユズリハが決めたことであれば、とシキはいつもそう言う。ユズリハの決定に付き従うだけ。

「父上の世界がこれでまたグッと広がったのじゃ。悪いことなどあるまいて」
「自己犠牲が美しい時代は終わったと思ってたんだがねぇ」
「そなたも忍びならわかるじゃろう」
「まあね」
「そなたには感謝しておる」
「お供できて光栄です」

 選択肢は二つあった。行くか、行かないか。でもそれはあってないようなもので、ユズリハを一人にしてのんびり暮らすことなどできるはずがない。
 赤ん坊の頃から専属として付き従って守ってきた娘を西洋に放り出すことはシキの中には選択肢として浮かぶこともなかった。
 夫となる婚約者があんな子供では余計だと小さく鼻で笑った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。

円満離婚に持ち込むはずが。~『冷酷皇帝の最愛妃』

みこと。
恋愛
「あなたと子を作るつもりはない」 皇帝シュテファンに嫁いだエリザは、初夜に夫から宣言されて首をかしげる。 (これは"愛することのない"の亜種?) 前世を思い出したばかりの彼女は、ここが小説『冷酷皇帝の最愛妃』の中だと気づき、冷静に状況を分析していた。 エリザの役どころは、公爵家が皇帝に押し付けた花嫁で、彼の恋路の邪魔をするモブ皇妃。小説のシュテファンは、最終的には運命の恋人アンネと結ばれる。 それは確かに、子どもが出来たら困るだろう。 速やかな"円満離婚"を前提にシュテファンと契約を結んだエリザだったが、とあるキッカケで彼の子を身ごもることになってしまい──? シュテファンとの契約違反におののき、思わず逃走したエリザに「やっと見つけた」と追いすがる夫。 どうやら彼はエリザ一筋だったらしく。あれ? あなたの恋人アンネはどうしたの? ※小説家になろう様でも掲載しています ※表紙イラスト:あさぎかな先生にコラージュアートをいただきました ※毎朝7時に更新していく予定です

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

処理中です...