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40 南井 義希は発情する (※R18描写あり)

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それから暫く、日々は穏やかに過ぎた。

程なくして、店から指輪が完成したとの連絡が入り、金曜の会社帰りに2人で一緒に百貨店に引取りに行って、帰りには食事をして帰った。

南井はこの数日、体調に異変を感じていて、月曜から申請していた5日間の有給休暇が無駄にならずに済みそうだと内心ホッとしている。
その傍らで和志は、長くお預けをされた犬のようにソワソワと落ち着きを失くしつつある。



そして、南井に待望のヒートが訪れた。


通常なら3、4日で終了するヒートだが、今回南井が丸一週間以上の期間をみたのは、久々過ぎて前後にズレ込む可能性と、若い和志のαの体力で南井自身の体力と気力が相当削られる事になり、回復に日数を要するだろうという単純な予測からだ。

金曜夜からまったり過ごし、土曜には朝から微熱が出て、いくばくかの倦怠感。それに比例するように、兆しは強くなった。

和志は心配そうに世話を焼いてくれていたが、南井から漂い始めた発情臭に、今にも理性を失いそうな顔をしていて、南井は思わず吹き出してしまった。

昼食を取った後、急激に症状が出てくると、歩くのも覚束なくなってきた南井は和志にベッドに連れて行って欲しいと強請った。
和志は南井を抱き上げて寝室へ運び、ベッドに寝かせ、カーテンを閉めた。
ベッドサイドに水分補給用のペットボトルを数本置いて、フェイスタオルを数枚置いて、布団をよけたシーツの上に蹲っている南井の顔を覗き込んだ。

「…義希さん、大丈夫?つらい?水、要る?」

その声に気怠げに和志を見上げてきた南井の、熱に浮かされて濡れた瞳と薄く開かれた唇。


「…かず…、来て…。」

南井が喋ると、そこから芳香が放たれる。

それは和志にとって、待ちに待った合図だった。

南井の湿った甘えるような声に、数ヶ月耐えていた和志の理性は、ぐらりと容易に落下した。

僅かに真珠のような歯と滑った舌を覗かせた唇を奪った。
唾液は甘く、舌が痺れるようだった。
初めて唇を重ねた時よりもずっと鮮烈な、胸の高鳴り。
それでも最初は遠慮がちだった和志の舌は、数分後には南井の全てを貪り吸う勢いで口内を隅々迄舐め尽くした。上がってくる傍から舌伝いに唾液を絡め取られ、吸われた。
それが、素直に嬉しいと、もっと奪われたいと思うくらいには、南井もこのくちづけに溺れていた。

和志が南井を甘いと感じるように、南井にとっても和志は甘い果実のようなものだ。

糸を引きながら濡れた唇が離れると、2人の息は上がっていた。そして呼吸が整うのも待たず、和志は南井の首筋から鎖骨にかけてに忙しなく吸い付いた。
芸術的な迄に綺麗に浮き出た鎖骨に軽く歯を立てると、南井は 『あ…っ』と小さく声を上げた。

淡い色の突起を、唇を窄めて吸いながらチロチロと舌先で舐めた。南井はそれにも身を捩らせる。

(可愛い…。)

南井が初めての相手である自分にはよくわからないが、南井だって初めてみたいに感じているように思えて、興奮する。

南井の肌はキメ細かく白く、うっすら緑色の血管が透けて見える。

和志は消え失せてしまいそうな理性を、なんとか保ちながら、大切に南井を抱く為に自分を抑えるのに必死だった。
なのに当の南井が、腕を伸ばして和志の頭を抱きしめてきたり、愛撫している途中の和志の指を捕まえて口に含んでみせたりして挑発してくるので、とうとうその努力も無駄になる。

「もっと強く欲しがってよ…。」

そんな事を言いながら、指をしゃぶられる。
南井の唾液に濡れた中指の先に甘噛みするように歯を立てられたら、和志のペニスはもう従順な忠犬ではいられなくなった。

南井をひっくり返し、その両足を自分の肩に掛けさせて、後ろの穴にしゃぶりついた。
まさか童貞の和志がいきなりそこに口をつけるとは思っていなかった南井は、僅かに抵抗したけれど、和志の舌は既に中に侵入してしまっている。

「あ、あ、あ、ダメ…あっ、」

「美味しい…。」

そんな訳ないだろう、と頭の何処かでは思うのに、濡れた粘膜の快感がそれを直ぐに霧散させてしまう。
確かにヒート中のセックスでは、相手の排泄物さえ美味く感じるだろうと納得してしまう自分がいる。

後ろを和志の舌と唇で嬲られて、ペニスや小ぶりな陰嚢を手で擦られ、やわやわと揉まれ、南井の性感は高まっていくばかりだった。

和志は初めて味わう南井の体に夢中だった。
何処に触れても漏れる声は鼓膜を甘く溶かすようだ。

普段の落ち着いた涼やかな南井の声が、少し高くなって媚態を含む。

「かず、やだ、あ…!」

ペニスを擦っていた手止めて、きゅっと握り込んでみると、そのペニスはちょうどよく包み込めるような、手に馴染むサイズだった。
それがΩ男性の平均なのだろうか。

初めてだというのに男性器を触るのに全く抵抗がない。寧ろ、とろとろになる迄可愛がりたいと思うのは、南井がΩだからなのか、ただ、愛する人だからなのか。

手での愛撫では飽き足らずに、唇で慰めてみた。
以前南井がしてくれた時の事を思い出して、口に含んで唾液を絡めた。

「あ、あぁぁ…あぁ…っ!」


舌を使って裏筋を舐め上げると、南井は一際甘い声で悶え鳴いた。






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