81 / 152
第4章 ギルド拡充
第74話 一夜明けて
しおりを挟む「新居最高」
入居してから一夜明けて。
桜さんと夜の戦闘をする事なく、各自の寝室で睡眠を取る事になった。
朝に起床してから階下に降りると、ポテが猫用ベッドで爆睡していた。
桜の部屋に行ってると思ってたけど、一人で寝てたみたいだな。
「お前本当に野良だったのか? 警戒心の欠片もないじゃん」
寝心地が良いのは分かる。
中々のお値段がしましたからね。
でも野生が一才感じられない。
良く東京のコンクリートジャングルで生き残れたな。
「朝はコーヒー。セレブみたいだ」
馬鹿でかいキッチンに向かいコーヒーを作る。
機械の動かし方に四苦八苦しながらも、なんとか完成させた。
「いや、コーヒーぐらいは誰でも飲むか」
椅子に座りコーヒーを飲みながらぼーっとしてると、ポテが起きてきた。
どうやらご飯をご所望の様子。
「待て待て。まだ見ながらじゃないと分からないんだ」
足をペシペシと叩きながらせかしてくるのを宥める。慣れてないもんで、しっかりと内容書を読まないと量とかが分かってないんだ。
デブ猫にはしたくないからな。
「はい、どうぞ」
「にゃご」
ご苦労とでも言うように、軽く頷いてからキャットフードに夢中になったポテさん。
あなた賢いのね。
「あー外出たくねー」
明日から学校巡りをする予定なんだよね。
せっかく新居が出来た事だし、引きこもりたい気持ちがMAXなんだけど。
「あれ~? だんちょ~早いね~?」
「いや、もう10時」
下着姿のだらしない桜が起きてきた。
チラッと時計を見たら10時を回っている。
「あたしにもコーヒー入れて~」
「はいはい」
ご飯をがっついているポテをにやけ面で眺めながら、コーヒーをお願いされたので入れてあげる。
味の保証はしませんよ? 初めてなので。
俺は美味しかったけど。
「学校巡りする時はポテをどうしようか」
「明日は東京でしょ~?」
「そうだけど、遠い所に行くってなると泊まりになるだろ? 連れて行くのはなんか違うくない?」
ペットホテルに預けるとか?
俺が転移でご飯の時間だけ戻って来てもいいけど。家で一匹ってのは寂しくないのかね?
ペットホテルでも一緒か?
「連れて行っても大丈夫だと思うけどな~」
「いや、学校にお邪魔するのに猫同伴はやばいでしょ」
そんなガチの感じのやつじゃないけど、見栄え的にどうなのよ。
猫が苦手な生徒も居るかもしれないし。
「転移で戻ってくるか。少し留守番が長くなっちゃうけど」
「にゃご」
気にするなとばかりにポンと足を叩かれた。
やっぱり君は賢いね。
「よし。明日は外に出ないといけないんだ。今日は家でダラダラするぞ!」
「3級の狭間攻略はどうするの~? 落札したんでしょ~?」
そうだった。忘れてたな。
東京に都合良く湧くからさ。勢いで落札しちゃったんだよ。
落札した時はやる気満々だったのに、今は凄い面倒だ。別に急いでる訳じゃないし、もう少し後でも良くないかな?
「ネットでは落札者が見れるからね~。あたし達が落札したって事で早速野次馬が出来てるみたいだよ~」
「ガッデム」
通行人や一般の方に迷惑になるでしょうが。
早めに攻略して混雑を解消しないと。
なんで俺がこんな事にまで気を使わないといけないんだよ。
「これも一種の有名税ってやつだよね~。出待ちみたいなもんでしょ~」
「くそ迷惑」
俺のファンはマナーが悪いとか言われたらどうするんだよ。
そういう事したりするから、ドルオタとかは嫌われるんだぞ。
「SNSで何か発信しとくべきか」
「あたしが適当にやっとくね~」
今度からは落札したらすぐに攻略日も告知しよう。それでまだマシになるだろう。
「ちっ。引きこもりたかったけど仕方ないな。昼飯ついでに攻略しに行くか」
「ついでにお買い物にも行こうよ~」
「服とか? そういうのは丸一日かかるんじゃないの? 中途半端な時間に行っても大丈夫かね?」
「今日で全部買わないといけない訳じゃないし~? いくつかお店を回るだけでも良いんじゃないかな~?」
そういうもんなのか。
なら、お買い物も追加で。
狭間にお金を稼ぎに行くのに、帰りに浪費してくる訳だ。貯金出来るのでしょうか。
「あ、カメラ持って行こ。桜がメインで攻略するんだよね?」
「魔物次第かな~? アンデッドとかなら相性悪いし~」
今日の俺はカメラマンか。
一気に気が楽になってきました。
「撮影持ちの能力者が欲しいなぁ。面接では居なかったし」
「あたし着替えてくるね~」
メイクルームに向かった桜についていくポテ。
一人ぼっちになっちゃいました。
「桜はそんなにお化粧に時間はかからないけど、この微妙な空き時間をどうするか」
何をするにも中途半端な時間。
テレビでも見るか。
「あ、どんなゲームあるのかな」
リモコンを探していると、テレビの隣にあるゲーム棚が目に入った。
とりあえず用意してもらったけど、ソフトとかは何があるのか知らないんだよね。
「あ、ソフトはないんだ。自分で揃えろって事かね」
ならばよし。今日のお買い物にゲーム屋さんに寄るのも追加だ。
秋葉原に行ったらなんでも揃うだろ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
765
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる