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第4章 ギルド拡充

第73話 大満足

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 リビング中央にある螺旋階段を登って20階へ。
 そこは、19階とは打って変わって落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

 「ご要望通り、20階は個室をいくつも用意し、寝室として使える様にしてあります。織田さんと八重さんしか居ないということで、二つの部屋しか真実様の家具は搬入していません。一番奥の部屋以外は空っぽの状態になっています」

 芦田さんが説明しながら部屋を開けていく。
 螺旋階段を登ると左右に通路があり、どちらにも沢山の扉がある。

 「ふむぅ。広いな。主に寝室として使うのにスペース取りすぎたか?」

 「個人のプライベートスペースとしても使うんでしょ~? あたしは部屋に服とかいっぱい保管する予定だし~? 良いんじゃないかな~」

 それもそうか。個人の部屋兼寝室だからな。
 これぐらいの広さがあってもいいか。
 一部屋でリビングの半分ぐらいの部屋の広さはあるけど。しかも各部屋にトイレが設置してある。
 全然引きこもれちゃうね。

 「で、ここが」

 「はい。設置に中々苦労しましたよ」

 最奥に設置された部屋。
 この部屋は家に入る時同様、カードキーが必要になる。
 カードを翳して部屋に入ると、目の前には銀行にあるようなどでかい金庫の扉。

 「防犯対策が世界の銀行と同レベルになっております。現在は警報を切っていますが、後でご自身での設定をお願いしますね」

 金庫を開けると中は当然空っぽ。
 ここには俺が異世界から持ってきた素材やら金銀財宝、美術品、魔道具等を保管する場所だ。
 別にアイテムボックス内で寝かせておいても良かったんだけどな。
 中身を整理したい気持ちもあったし、豪邸にはこういうのがあっても良いかなと。

 「まっ、後で個人的な防犯対策もするけど」

 「だんちょ~のアイテムボックスの中が楽しみだよ~」

 桜とコソコソ話しながら金庫を後にする。
 眷属ガチャから出てきた奴は入れるようにするし、使いたいもんがあれば持って行ってもいい。
 一応、盗難対策の為に何を持って行ったかは報告してもらうけど。

 その後、俺と桜は寝室をチェック。
 俺の部屋はキングサイズよりも大きいフカフカのベッドにウォークインクローゼット。
 壁一面だけは鏡張りになっており、ここで身嗜みを整える事が可能になってある。

 桜の部屋はなんか女子っぽい部屋。
 なんて形容していいか分かりません。
 おしゃれだなとおもいました。まる。

 「これで以上ですね」

 「うむ! 大満足じゃ!」

 「んふふ~! 部屋に住むのが楽しみだよ~!」

 「にゃーご」

 ありがとう、『地震に負けない』。
 最高の仕事だぜ。これは依頼料上乗せだな。
 確かにお金は目減りしてきてるけど、良い仕事にはそれなりの対価ってのが必要だと思うんだ。
 俺の予想以上の満足感だし、上乗せもありだろう。

 「現在階下も随時建設中です。それが終わり次第社宅の改築に入りますね」

 「これからもよろしくお願いします」

 「いえいえ。こちらこそ」

 そう。まだ居住地が完成しただけで、階下にも俺と桜がこだわった施設がどんどんと作られていく予定なんだ。
 まだまだ楽しみは終わらないぜ!



 「よし! まず何からやるべきか」

 「ポテちゃん用品出してよ~。色々作ってあげるんだから~」

 そうね。まずはそれからしようか。トイレとかも早めに設置しておかないと粗相してしまうかもしれない。

 俺と桜は芦田さんが帰って行った後に一通り雄叫びを上げてから落ち着く。
 なんか叫ばずにはいられなかったんだ。
 勿論、防音対策はバッチリなので外に声が漏れてる事はないだろう。

 で、何からして遊ぼうかと思ったけど、まずはポテ周りの事から片付けていく事に。
 芦田さんが帰ってから、早速キャリーケースから出してあげると、ちょびっと警戒しつつも歩き回り始めた。
 急に俺達が叫び出したから、飛び跳ねてびっくりしてたのはご愛嬌。やはり猫の跳躍力はすげぇ。

 「憑依ポゼッション:忠義ウリエル

 俺は天使に憑依して軽く浮かぶ。
 飛べるって便利だよね。

 「は~い。どんどん設置して行ってね~」

 俺は桜と一緒にどんどんキャットウォークを設置していく。
 リビングが広い事は分かってたので、いっぱい買っておいて良かったな。

 「にゃにゃ!?」

 「ふははは! すぐ完成させてやるからな! 楽しみにしておけぇい」

 「ポテちゃんはだんちょ~が浮いてる事に驚いてると思うんだけど~」

 そうか。ポテよ。一つ賢くなったな。
 人間は頑張れば飛べるんだぜ。

 それから小一時間。
 リビングの天井付近にはポテの通り道が沢山出来た。これでポテも楽しめるだろう。

 「お次はキャットタワーか。これはどこに設置するかな」
 
 「空いてるスペースにいくつか作っておけば良いんじゃな~い?」

 それもそうか。適当に置いておこう。

 「にゃご! にゃにゃ!」

 ポテはさっきからぴょこぴょこと跳ねている。
 なんだなんだ? お前も飛ぼうとしてるのか?

 「お前にはまだ研鑽が足らぬ。猫が飛ぼうと思ったら相当な努力が必要だぞ」

 「変な事を教えないでよね~」

 なんでや。ポテはうちの子だぞ?
 頑張れば飛べるはずだ!

 「も~」

 桜はくそでかため息を吐きながら、指から糸を出す。それで上手い事ポテを絡め取り、糸を操作して空中をふよふよさせてあげていた。

 「にゃにゃおーん!」

 どうやらポテは大満足な模様。
 ドヤ顔で空中にいる俺の隣にやってきた。

 「じゃ、俺は桜に遊んでもらってる間に他のやつも設置していきますかね」

 俺はアイテムボックスからトイレを複数個出して色んな所に設置したり、その他トンネルとかを適当にリビングに置いていく。

 「ふむ。一応20階にも何個かトイレは設置しておくか」

 通路に何個か置いておけばいいだろう。
 これは消臭の魔道具とかも必要になるな。
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