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第6章 シークレット始動
第135話 一夜明けて
しおりを挟む「TVが攻略報道一色なんだわ」
「動きたくな~い」
大阪の1級攻略翌日。
ホテルでTVをつけると、どのチャンネルも攻略報道ばかりをやっていた。
「桜でもこうとなると、他のみんなも似たような感じだろうな」
俺がインタビューから帰って来ると、他のみんなは爆睡していた。
そして朝に起きたものの、ベッドから動かずひたすらダラダラしている。
陽花、神田さんも同じ感じで、あの公英でさえ大人しくしている。
「筋肉にも休息期間が必要だー」
かなり声が小さい。素晴らしい。
毎日これぐらい疲労させたら、かなり扱いやすくなるんじゃなかろうか。問題はその相手をどうやって用意するかなんだけどね。
俺が相手しても良いけど、流石に毎日はごめんだ。ブートキャンプでもここまでならなかったのに。俺の追い込みが足りなかったんだろうか?
それとも、やはり徹夜で神経を張り巡らせながら戦い続けるのがしんどかったんだろうか。
「今度ブートキャンプをやる事があったら、徹夜で戦い続けるメニューも用意しておくべきだな」
今回はちょっと俺の見込みが甘かった。
あそこまで耐久に振った相手が出て来ると思ってなかったからね。まだまだ火力が足りないかな。
いや、でもあそこまで耐久に振った相手も稀だろうし、合同とはいえ倒せたんだから、これから火力が足りないって事にはならないか。
攻撃に耐えたり、スピードに対抗出来るかの方が問題かも? 相性次第かなぁ。
「日本にもう2.3個ぐらい1級の狭間が出てきてくんないかな。どんな相性の相手でも戦えるようになるまで不安だよね」
「ちょっと過保護過ぎるんじゃないの~?」
そうは言ってもね。
せっかくここまで育てたんだよ? 変なイレギュラーで死んじゃったら勿体無いじゃんか。
ここまでの俺の苦労が水の泡でやんす。
それに仲良くなったみんなが死ぬのは悲しいし。
「うちの生産部が蘇生薬を作れる様になれば、もう少し攻略は楽になるかな?」
「やめといた方が良いよ~。ただでさえ、教会勢力から目を付けられてるのに~。蘇生薬なんてのを出しちゃったら向こうも止まれなくなっちゃうと思うな~」
それもそうか。
蘇生薬は万が一の時に仲間内で使うだけにしておくべきかな。宗教と関わるとロクな事にならん。
信仰してる人達は、自分の言ってる事をおかしいと思ってないのがタチ悪い。
話が通じてるようで通じてないからね。そこらの馬鹿より扱いにくい。
「イタリアからは攻略要請来て欲しくないな」
「観光スポットはいっぱいあるから行ってみたいんだけどね~」
それな。
行きたいし、攻略もしたいけども。
どうしてもバチカンが関与してきそうで。
なるべく近寄りたくない。今の俺の人気であれば、ある程度は大丈夫だが、それでも宗教ってのは馬鹿に出来んぐらいの魔力があるからな。
「信仰を人に押し付けるなってんだ」
信仰するのは一向に構わないし好きにしてくれたら良いんだけどね。
他者を巻き込まないでほしい。善意でやってるのがまた面倒なんだよなぁ。
「まっ、台湾と韓国以外は当分大丈夫だろ。自国で攻略する雰囲気だし。俺達はその間にゆっくりさせてもらおうぜ」
「今回の攻略報道で他国が焦って暴走しなきゃいいけどね~」
「それはもう手遅れだ」
ニュースを見てる感じだとね。
アメリカなんて引っ込みがつかなくなってるんじゃないかな。攻略を始めてる国では既にトップの死傷者数だ。禁忌領域っぽいからさもありなんって感じなんだけど。あそこは意地張ってギリギリまで要請してこないんじゃないかな。
「これを機に他国にもまだ見ぬ強者が出てくればな。多分どの国もそれを願ってるはず」
多分、危機的状況になったら俺みたいなのが出て来ると信じてるんじゃないかな。
俺以外に異世界転生やら転移やらした人が居れば、それもあるだろうけど。
あのロリ女神を見る限りそれはなさそうなんだよなぁ。
「俺達は要請が来るまで生産者学校の話を進めようぜ。これが終われば本当に俺は引きこもれるはずだ」
「どうだろうね~。だんちょ~の事だからまた仕事を無意識に作って来そうだけど~」
それを言われると耳が痛いです。
俺もそんなつもりはないんだけどね。
なんか思い付いたらやりたくなっちゃう。
あ、そういえば能力を使った映画とかも作ろうかなとか考えてたんだっけ?
CGに頼らない本物の能力は迫力満点間違いなし。絶対面白いと思うんだよ。
ゴジ○VS人類を本当にやれるかもしれないぞ。
「でもそのゴ○ラはCGだよね~」
「上杉さんに○ジラを倒して来てもらおう。そしたら召喚出来るはずだ」
北極やら南極やらに行けば冷凍されてるんでしょ? 俺も付き添うから頑張って倒してほしい。
まぁ、冗談はさておき。
他国が自分達で攻略するなら多分1年ぐらいの猶予はあるはず。
その間に生産者学校の目処をつけたいところ。
「あ、狭間探知機の件もあるな」
まぁ、それは朝倉さんと協会に任せておけば良いか。俺ちゃんは山田花子さんにしっかり報いる事が出来ればOKです。
これからもいっぱい発明して欲しいしね。
「すまんな、世界。日本は更に先に進ませてもらうぜ」
他国が1級で苦戦してる間に、日本は更に次のステージへ。
日本国民は俺が日本人だった事に感謝してもらいたいね。……これは流石に調子乗り過ぎか。
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