GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第二章・それぞれの成長 ―

第54話 健闘

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来夢らいむ権蔵ごんぞうが、ラミアから離れる。

それを確認した紫蓮しれんが刀を突き出したら、一本の雷が、

ズバァウッ!!

と、飛んでいき、命中したラミが横倒れになって、痙攣した。

「死んだの?!」

と聞いてきた幸永歌さえかに、

「いや、気を失っているだけだ。」

と、紫蓮が答えたところ、

「じゃあ、私に任せて!」

とラミアの真下に直径1Mの魔法陣を展開して、地面を2Mほど、

ズドォンッ!!

と、隆起させたのである。

この衝撃で上体を起こしたラミアが、首を何度となく左右に振った。

「お前の所為で意識を取り戻しちまったじゃねぇか。」

と言う紫蓮に、

「え?」
「そ、そぉう??」

と、幸永歌が目を逸らす。

永虎ながとらの、

「また発射するみたいだぞ!」

との声に〝ハッ〟とした紫蓮らがラミアを見てみたら、自身の正面に直径2Mの魔法陣を構築しようとしていたのである。

永美香えみか! 結界は張れないのか?!」

と尋ねる凛琥りくに、

「“クレリック”や“ビショップ”には無理よ。」
「味方のステータスを向上させるのであれば可能だけど…、多分それだけじゃ防ぎきれないわ。」

と、返した。

焦る面子の背後から、

「ならば、息の根を止めればいい。」

と述べた狼の獣人である【武闘家】のフーリィが、右のパンチを繰り出したところ、幅15㎝×長さ2.5Mの“風の槍”が飛んでいき、

ズブシュッ!!

と、ラミアの左胸を貫いたのである。

これによってラミアが上半身を後方へと反らした瞬間に、魔法陣と同じ幅の[紫色の線光ビーム]が斜め上と放たれた。

「グ、オ、オ、オ、ォー、ッ。」

胸や口から流血すると共に呻いたラミアが、うつ伏せで崩れ落ちそうになるも、どうにか耐える。

「む!」
「心臓から少し外れたか?!」

と軽く歯軋りするフーリィに、セルグが、

「奴の動きを鈍らせてくれたお陰で、コイツ・・・を発動するための時間が稼げたから、充分だ。」

と、笑みを浮かべながら、左のてのひらを高々と上げていた。

それを、勢いよく、

「ふんッ!」

と振り下ろしたところ、ラミアの居る場所から30M上の空中より、幅50㎝の雷が、

ズドォオンッ!!!!

と、落ちてきたのである。

モロに直撃したラミアの身体が焦げたようだが、そもそも黒いのでイマイチよくは分からない。

なにはともあれ、仰向けで倒れた敵が、微動だにしなくなった。

どうやら、絶命したに違いなさそうだ。

「やれやれ、大事に至らなかったから良かったものの、お前たちの自由奔放さは本来であれば処罰ものじゃぞ。」

と告げた総帥に、

「来夢と権蔵が急に走り出したので…。」

と、紫蓮が説明する。

「ふむ。」
「……、以前、戦った事があるのであれば、そのサーヴァントらは“成れの果て”の厄介さを理解しておるのじゃろう。」
「なにせ連中は知能を無くしておるからのぉう、油断などが生じん。」
「隙さえあれば幾らでも攻略の仕様があるんじゃが…。」

と侍王が眉間にシワを寄せた。

そこへ、〝シュンッ!〟と現れた“影”が、

清虎きよとら様、あちらの総大将たる王が全軍を動かしました。」

と、報告したのである。

「ほぉう…。」
「ならば、影よ。」
「そなたの配下を使って、さちは左翼隊に、晴清はるきよは右翼隊に、合流するよう、伝えよ。」
「それ以外は、このまま此処ここで迎え撃つ故、態勢を整え直せ、ともな。」

と対策を講じる総帥だった―。
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