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― 第四章・西陸行路 ―
第177話 蜂起・後編
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神には幾つかの種類がある。
大きく分けると、2M=下級・3M=中級・4M=上級となっているみたいだ。
なかでも数が多いのは“下級の神々”だ。
一つの神国に数千はいるらしく、王都を始めとした主要な町で生活している。
それなりには強いが、経験を積んだ兵士や冒険者に魔物らの敵ではない。
なので、あまり戦には参加せず、自分たちが暮らしている地域の警備に当たっている。
いや、実際は〝人間などを監視している〟というのが正しいだろう。
なお、中級は数十で、上級は一柱のみ、らしい。
更には、上級を超える神も存在しているとの事だ。
さて…。
ミーノン軍が、西陸第八神国の都に辿り着いて、五日目を迎えていた。
王都を囲っている壁や門の上には、下級の神々と、人間らが、見受けられる。
ミーノン側の侵入を防ぐために、目を光らせているようだ。
ここまでは、双方ともに当番を交替しながら睨み合ってきた。
そのまま対峙が長引くかと思えたが、この日は違ったのである。
地平線から朝日が顔を出し、夜が白むのと同時に、敵側で騒ぎが起きた。
東西南北の門あたりで、
「貴様ら何を?!」
「神に立てつくきか!?」
「謀反は一族郎党皆殺しの大罪だぞ!」
「待て、止めろッ!!」
などの声や、争う音が、聞こえてきたのである。
この流れで、全ての門が内側から開かれた。
それを逃さず、ミーノン軍の先陣が、
「行くぞぉ――ッ!!!!」
四方位から突撃していく。
これらの面子は、西陸第八神国において、[ミーノンの国主]に下った兵達である。
5日前のことだ……。
利通の命令によって、あの武士が裏工作に奔走していた。
彼は、都の出身であり、人間の兵士たちに割と顔が利く。
そこで、同じく王都で生まれ育った魔術士に話しを付けて、一緒に内側へと【瞬間移動】したのである。
この者もまた、武術マスターに仕えるようになっていたので、すんなり承諾してくれたみたいだ。
都に潜り込んだ後は、東西南北の門付近へ一日ずつ“テレポート”して、兵士らを秘かに説得したのである。
「日の出と共に開門してくれ」と…。
それが功を奏し、都へとなだれ込んだ各部隊によって、下級の神どもが死滅させられていく。
ただし、こちらも少なからず犠牲者がいるようだ。
それでも、然程の時間を要する事なく、全ての門を制圧できた。
報告を受けた利通が、
「上出来じゃ。」
笑みを浮かべるも、次の瞬間には真顔となって、
「予定どおり、各方面の半数ずつで城を目指す。」
「残りは、そのまま待機させよ。」
「ま、ほぼ無いじゃろうが、敵の援軍が駆けつけるやもしれんからの。」
「改めて全軍に伝えよ!」
このように下知したのであった―。
大きく分けると、2M=下級・3M=中級・4M=上級となっているみたいだ。
なかでも数が多いのは“下級の神々”だ。
一つの神国に数千はいるらしく、王都を始めとした主要な町で生活している。
それなりには強いが、経験を積んだ兵士や冒険者に魔物らの敵ではない。
なので、あまり戦には参加せず、自分たちが暮らしている地域の警備に当たっている。
いや、実際は〝人間などを監視している〟というのが正しいだろう。
なお、中級は数十で、上級は一柱のみ、らしい。
更には、上級を超える神も存在しているとの事だ。
さて…。
ミーノン軍が、西陸第八神国の都に辿り着いて、五日目を迎えていた。
王都を囲っている壁や門の上には、下級の神々と、人間らが、見受けられる。
ミーノン側の侵入を防ぐために、目を光らせているようだ。
ここまでは、双方ともに当番を交替しながら睨み合ってきた。
そのまま対峙が長引くかと思えたが、この日は違ったのである。
地平線から朝日が顔を出し、夜が白むのと同時に、敵側で騒ぎが起きた。
東西南北の門あたりで、
「貴様ら何を?!」
「神に立てつくきか!?」
「謀反は一族郎党皆殺しの大罪だぞ!」
「待て、止めろッ!!」
などの声や、争う音が、聞こえてきたのである。
この流れで、全ての門が内側から開かれた。
それを逃さず、ミーノン軍の先陣が、
「行くぞぉ――ッ!!!!」
四方位から突撃していく。
これらの面子は、西陸第八神国において、[ミーノンの国主]に下った兵達である。
5日前のことだ……。
利通の命令によって、あの武士が裏工作に奔走していた。
彼は、都の出身であり、人間の兵士たちに割と顔が利く。
そこで、同じく王都で生まれ育った魔術士に話しを付けて、一緒に内側へと【瞬間移動】したのである。
この者もまた、武術マスターに仕えるようになっていたので、すんなり承諾してくれたみたいだ。
都に潜り込んだ後は、東西南北の門付近へ一日ずつ“テレポート”して、兵士らを秘かに説得したのである。
「日の出と共に開門してくれ」と…。
それが功を奏し、都へとなだれ込んだ各部隊によって、下級の神どもが死滅させられていく。
ただし、こちらも少なからず犠牲者がいるようだ。
それでも、然程の時間を要する事なく、全ての門を制圧できた。
報告を受けた利通が、
「上出来じゃ。」
笑みを浮かべるも、次の瞬間には真顔となって、
「予定どおり、各方面の半数ずつで城を目指す。」
「残りは、そのまま待機させよ。」
「ま、ほぼ無いじゃろうが、敵の援軍が駆けつけるやもしれんからの。」
「改めて全軍に伝えよ!」
このように下知したのであった―。
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