GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第五章・魔の領域 ―

第193話 父と娘

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「叔母上に会って行ったほうがいいかい?」

赤髪に褐色肌である[女戦士]の問いに、

「いえ、ルリィザ様には、まだ報告しておりません。」
「お嬢様が、本当に、この戦場に来られているのか…、見間違いの可能性を考慮して、確認を優先しましたので。」
「あとで、わたくしめがルリィザ様にお伝えしておきます故、お嬢様は城に赴いてくださいませ。」
「少しでも早く、お父君を元気づけてあげていただきとうございます。」

白髪オールバックの兵士が返し、会釈する。

そこへ、

「お待たせしました。」

40代半ばくらいで“黒色のウィザードローブ”を纏った女性が訪れた。

この【魔女ウィッチ】に、“白髪の男”が指示を出していく。

秀嗣ひでつぐやラットなどに、タリアノは、その間にテント(ゲル)を片付けているようだ。

「――、頼んだぞ。」

男に言われ、

「かしこまりました。」

お辞儀した女性が、[鮮紅せんこうの豹]に近づき、

「転移魔法を発動しても、よろしいでしょうか??」

そのように伺った。

「ああ、構わない。」

ラーザが頷いたところ、ウィッチが自分を中心とした足元に大きな魔法陣を展開したのである。

「それでは、参ります。」

こう告げた魔女によって、ラーザたちはもとより、紫蓮しれんらもが、[テレポート]したのだった……。


どうやら、一同は、石造りである城の、南側の庭園に移動したみたいだ。

庭を巡回中だった10人ほどの兵が止まり、

「何者だ!?」

剣や槍を向けてきた。

「私は、この城に勤めている魔術士です。」
「そして…、こちらの方は、お嬢様であらせられます。」

ウィッチが述べたところ、

「お嬢?」
「…………。」
「!!」
「ラーザ様!」

隊長格であろう30代後半ぐらいで黒髪ショートの女性が跪き、他の兵達がならったのである。

「あー、…、そういのはいいから、皆、らくにしてくれ。」

[国主の娘]に許可され、

「はッ。」
「それでは、失礼いたします。」

隊長を筆頭に、兵士らが立ち上がる。

そのタイミングで、

「実は……。」

魔女が事情を説明していく。

「お前、本当に、国主の娘だったんだな。」

弥太郎やたろうの呟きに、

「まぁ、ね。」

苦笑いする団長であった…。


「成程。」
「承知いたしました。」
「では、わたくしが国主様の所まで御案内させていただきます。」

軽く頭を下げた隊長が、

「君は、他の方々を、応接室にお連れしてくれ。」

右隣の男性に命じて、

「それ以外は、遺体を霊安室に運ぶように。」
「丁重にな。」

こう促したのである。


〝コンコン〟というノック音が聞こえ、そちらへと歩いて、扉を開けた20代前半くらいの侍女が、

「国主様は、お休みになられておられます。」
「火急の用でなければ、明日にして、お引き取りください。」

そのように伝えてきた。

しかし、

「国主様にとって大事な御方が駆け付けられたのだ。」
「そこを通されよ。」
「もし拒めば、あとあと厳罰に処されるであろう。」

隊長格の女性に凄まれ、退いたのである。

ベッドで寝ている国主が、目を細めて、ドアへと視線を送った。

中に入ってきたのは、かつて亡くなった妻の面影を宿す若い女性だ。

自分の側まで寄ってきた彼女に、

「お久しぶりです。」
「父上。」

こう言われて、

「お、おお、おう。」
「ラーザ、か。」

瞼を大きく開いた国主が、上体を起こす。

[オワ-リンの国主]は、肩あたりまでの長さがある髪や、眉に、髭が、金色である。

肌は白く、瞳は青い。

「いつ、こっちへ??」

50代前半ぐらいの彼が尋ねたところ、

「つい、さっき。」
「兄上とラルズの訃報ふほうに、父上の現状を、知り……、恥ずかしながら戻ってきました。」
「合わせる顔など、ないというのに。」

ラーザが申し訳なそうにした。

「いや、そんなことはない。」
「…………、五年ぶりになるか。」
「よく帰って来てくれた。」

穏やかに嬉しそうな表情を浮かべる病床の父に、涙ぐむ娘だった―。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

タリアノのサーヴァント達

オスのリザードマン
変わりなし
背丈は180㎝のまま
ジョブは【騎士】
武器は“槍”
スキルは[風撃]

オスのマンティコア
ライオンの顔と胴体に、コウモリの翼や、サソリの尾を持ち、黒と紫が入り混じった色合い
4Mだった全長は5Mに
スキルは[火炎][麻痺]

メスのジャガー(二足歩行の獣人)
ほぼ変わりなし
170㎝だった背丈は175㎝に
ジョブは【戦士】
武器は“ツーハンドソード両手剣
スキルは[爆撃]

メスのホルスタウロス
3Mだった身長は4Mに
半人への変化へんげが可能に
その際の背丈は170㎝くらいで、セミロングの髪は黒色、頭には牛の耳、顔立ちは可愛らしい
また、手から肘に掛けてと、足から膝に掛けては、人間っぽいものの、ホルスタインの特徴を残しており、尻尾を有している
ジョブは【クレリック】
武器は魔法の杖から“鎚矛メイス”に
魔法は[水撃][回復系][補助系]

岩石がんせきゴーレム
変わりなし
身長は5Mのまま
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