異世界転移~治癒師の日常

コリモ

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第3章森へ行こう

折り畳みナイフについて

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「ところでルイス様。先週にお願いしていたナイフ、どうなりました?」と聞いてみると
「なかなかむずかしいが、回転軸を使って柄を固定したり、取り出しやすいように刃の部分にくぼみを入れるなんてさすがに考えなかったよ。いい仕事をさせてもらった」
「実はその柄に、装飾を施そうかと思っているんです。色をつけたり、模様を彫ったりして。うまくいきそうですか?」
「それはかなり難いかもしれないね。柄の部分を丈夫にするためにトレントの枝を使ったので硬くて彫ることもままならないんだ。それなら一部の材料を変えたり、魔法付加エンチャントを変えたのを作る方が効率いいよ」と言って、私用のナイフに火魔法のエンチャントをかけてくれた。
これにより、攻撃用にもなる採取用ナイフが完成した。
「ありがとうございます。あと、ルイス様。この形の物を2つとこの形のを38個作って欲しいのですが」と真ん中に穴が空いた丸い円形の筒と、糸巻きの形をした物を図解した設計図を見せた。
「一体何に使うんですか?」と聞いてっきたので、
「実はこれ、私の国では組紐という技法があり、ただ束ねた紐より丈夫で、糸の束一つずつ色を変えるだけで雰囲気がガラリと変わります。試作品はこちらです」そう言って、カバンの中から、日本で作っていた組紐を取り出した。
「これが、糸の束を重ねていくだけでできるものなのか?」
「はい。こちらをよく見ていただくと、1束1束見えると思います。これは、1本1本は弱い糸でできていますが、このように束にして組むことにより、強度を増す仕組みになっています。」そう言って元の糸を見せた。
「なるほど。そんなに糸自体に、強度があるわけではないのだな。これは面白い」そう言ってルイス様が、キースさんに組紐と材料の糸を見せると、
「これを作るのにどれだけかかるのだ?」と食い入るように聞いてきた。
「ものにもよりますが、1日でできるのが約5フィール(5㎝)。だいたい1ゲール(1m)ぐらいは飾り紐として使うにも必要だから3週間ぐらいでできると思いますよ」と答えると
「では、作品を3個作って納品してくれ」と言われた。
「その前に、ルイス様に必要な道具を作ってもらわないと」
「そうだな。これを納品するのにどれくらいかかる?」とルイス様に向かって聞かれると
「そうですね。だいたい2~3週間あればお望みのものができると思いますよ」と言ってくれたので、
「よろしくお願いします」と言って組紐に使う道具の設計図も渡した。
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