上司と部下の恋愛事情

朔弥

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翻弄される真尋

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 社に着くと海里は本当に残業の途中で食事に行ったようで、フロアの電気は消されているものの海里のデスクのパソコンのディスプレイだけ淡い光を放っていた。
「直ぐに終わらせるから待ってて···ここも、もう少し我慢出来る?」
 ツイっ···と指を滑らせ、離れていく。
「── っ」
 息を呑むようにビクンと反応した真尋に、口元に笑みを浮べながら海里はデスクに向かった。
 先程から心地良い快楽を与えられては突き放されるもどかしさに、真尋は自身の燻る熱をどうにかしたいと自分の指を昂りに伸ばしかけた。だが、会社こんな所で自慰など出来ないと、ギリギリの理性が働き淫らな色欲だけが真尋の下半身をさいなむ。
 立っている事さえも苦痛になってきた真尋は、近くの自分のデスクに鞄を置き、腰を預けた。
 まだ課長は終わらないのだろうか、と躰を海里のデスクの方へ向けた。
「····っつ···」
 その拍子にデスクの天板の縁に股関の膨らみをかすめてしまうと、淫らな快楽が生まれた。


 あ···どうしよう···気持ちいい···


 吐息のような微かな喘ぎ声を洩らしながら、真尋は自分のデスクに腰を押しつける。
「···ぁ···はぁ···ぅん···」
 放っておかれた熱が刺激を求め、もっと欲しい···と真尋はゆっくりと腰をデスクに擦りつけた。


「はしたなく腰なんか揺らして···待てなかった?」
 いつの間にか背後に海里がいた事に気づかなかった真尋は、耳元で囁かれギクリと躰を揺らした。
「あ···これは···」
「これは?」
 自分のデスクに淫らに腰を押しつけていた事への言い訳など浮かぶ筈がなく真尋は俯いた。
「真尋···こっち向いて」
 快楽を求めデスクに股関を擦りつけていた行為を見られた恥ずかしさから、振り向けず躊躇していた。
「机と俺···どっちがいい?このまま一人でしたいなら、見ていてあげるけど?」
 真尋は首を振り、ゆっくりと海里の方へと躰の向きを変える。
 海里は口元に笑みを浮かべ、楽しそうな瞳をしていた。
「脱いで、真尋」
「···え?」
 聞き返す真尋に、海里は繰り返した。
「下を脱いで。脱がないとイかせられないけど、いいの?また家まで我慢する?」
 これ以上、焦らされるのは嫌だ···と、真尋はスラックスのベルトに手をかけた。カチャカチャと外す金属音が静かなフロアに響き、職場という場所がいやらしさを増長させる。
 ホックを外し、ジッパーを下げ下着と共に指をかけた所で真尋の手は止まった。
 イかせて欲しくて自ら下半身をさらす事に、まだ真尋の中に羞恥心が残っていた。
 海里は見ているだけで真尋が自分で脱ぐのを待っている。
 真尋は意を決してズボンと下着を下まで下ろし、半身を海里の目に曝した。
「机に座って···片脚も机の上に乗せて」
 海里の更なる要求に真尋は狼狽え戸惑いの視線を向けるが、海里は笑みを崩さず真尋がそうするのを待っている。
「そんな格好···出来な··い···」
 視線を床に向け、呟いた。
「じゃあ、このまま帰ろうか」
 海里の言葉に真尋は弾かれたように顔を上げる。
「なん···で··そんな事、言うんですか···」
「だって、口に含みにくいからお願いしてるのに、真尋が聞いてくれないから」
「···口じゃなくても···」
「真尋の出したイヤらしい精液ミルクで会社の床を汚したいならいいけど?」
「······っ」
 真尋は机の上に手をつき座った。臀部にヒヤリとした無機質な冷たさが伝わる。
 自分の机に下着もつけずに座っている姿に、明日から平常な顔をして机に向かえるだろうか···と真尋の心は恥辱に染まる。
 真尋は躊躇ためらいながらも、右脚を上げていった。



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