上司と部下の恋愛事情

朔弥

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課長のお見合い

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 「······っ···ぁ··っつ···」
 助手席に座る真尋の唇から、甘い吐息と微かに色を含んだ声が混じる。
 鈍い振動とはいえ、ずっと中を刺激され続けた半身はむず痒い熱が奥にくすぶり始めていた。
 もどかしさに時折、腰を動かせば中のローターも位置が変わり次の場所を再び鈍い振動で内壁を刺激する。しかし、単調な振動ではやはり快楽に浸れる程の刺激は貰えない。
「···はぁ···はっ···っつ···ぅ···」
 真尋の吐息は次第に物欲し気なものに変わりつつあった。
 そんな真尋の変化に気づかない筈がないのに、海里は表情を変える事なく運転を続けている。


 もっと強い刺激が欲しい···


 真尋の視線は何時の間にかハンドルを握る海里の指に向けられていた。

 あの指で···



「···真尋、着いたよ」
 海里の声にハッとし、気づけば海里のマンションの駐車場に車は停車していた。
「降りて」
 海里に促され、車から降りて彼のすぐ後ろからついて歩き出す。
「······っ」
 後ろに挿れられたままのローターが気になり、足取りが遅くなる。
「どうした?」
 含んだ笑みを浮かべ、全てを分かっていながら聞いてくる海里に真尋は顔を羞恥に染めながら、
「何でも···っ···ない··」
と、平静を装いながら答える。


 エレベーターの扉の前で立ち止った真尋は今エレベーターが通過している階数の表示が変わるパネルの数字を見ながら、早く部屋に行きこの焦れったい疼きから開放されたいと願っていた。

 エレベーターが着きホッとしたのも束の間。扉が開き中から住人が降りてくる。
 真尋はローターの振動音が聞こえてしまうのではないかと、躰に緊張が走り中を必要以上に締め付けた。
「──···っつ」
 甘い声が洩れそうになり、海里のスーツの裾を掴んだ。
 海里は降りてくる住人から真尋の表情が見えないよう自分の躰の陰で隠しながら真尋を先にエレベーターに乗せると、素早く閉じるボタンを押す。
 流れるような鮮やかな動作に感心しつつ、振動を止めてくれればいいのに···と恨めしい視線を海里の背中に向けた。
 視線に気づいた海里だが、柔らかな笑みを浮かべ軽く受け流す。
「もうすぐ着くよ」
 海里の言葉と同時にエレベーターの扉が開いた。

 

 海里の家のリビングのソファーに座った真尋は、海里の姿を視線で追いかける。
 海里はスーツの上着を脱ぎ、ダイニングの椅子の背もたれにかけると珈琲カップを食器棚から取り出した。
「珈琲でいい?」
「······」
 鈍い疼きを躰の奥で感じながら、その事にわざと触れてこない海里の態度に真尋は耐えられず、熱を帯びた視線で海里を見た。
 だがそんな真尋の視線など気にせず海里は珈琲メーカーを操作する。
 リビングに香ばしい珈琲の香りが漂った。
 日常の中に自分一人だけが欲情している···そんな背徳めいた状況に真尋はますます躰の熱が上がるのを感じた。
「珈琲なんて···いらないから···」


 ─── 海里が欲しい


 声にならない程の小さな呟きで唇が動く。
 海里はゆっくり真尋に近づくと隣に腰を下ろした。
「ちゃんと言って、真尋···」
 意地悪な笑みを浮べた海里は手を伸ばしポケットのリモコンを手にした。
 そしてダイヤルをゆっくり回していく。
「── っつ···やっ···」
 強くなった振動に真尋の躰が反応し、ローターを内壁が締め付けた。より鮮明に振動が伝わり、甘い痺れが生まれる。
「ぁ···はぁ···んッ···」
 強くなったとはいえ単調な刺激に、真尋の腰はもどかしそうに揺れた。振動を良いところに充てたいと、躰が無意識に動く。
「ねえ、真尋···」
 名を呼びながら海里の指がダイヤルを回し、再び振動は弱くされてしまう。
「ここに来るまでの間、何を考えていた?」
 言わなければこのままだと海里の瞳が語っている。
 強い刺激を喜んでいた真尋の躰は、鈍くなってしまった振動に切ない欲情だけが残った。
「···ぁ···海里に···して欲しいって···」
「ずっと俺の事考えてくれてた?」
 こくんと頷く。
「俺じゃなきゃ嫌だ···ってもっと俺の事···想ってよ」
 頬に手が触れ、囁きながら海里に口づけられた。

 

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